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転生ライフ!オークライフ!?  作者: エケイ
第三章 : 王都 誘拐
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無間暴食

ご都合展開って便利ですよね。(-ω-、)ホントニネ



「“望む全てを喰らい尽くせ!《無間暴食》!!”」


 発動言語と共に黒い渦が巻きついていた腕を思いっきり突き出す。すると黒い渦がものすごい勢いで放出され俺の周りを回転し始める。黒い渦は俺の腕から放出されていくほどに大きくなっていく。


「ナ、ナンダ!?」

「闇!?闇ヲ出シヤガッタ!!」

「アイツ!同類ノ癖ニ魔法ヲ!?」

「一緒にするな!」

「「「ヒッ!?」」」


 オーク共が怯えたような声を出す。それは俺の怒気を含んだ声に恐怖したのか、或いは俺の背後にいる()()()に恐怖したのか…まぁ俺にとってはどちらでも構わないことだ。俺はオーク共を横目に僅かに顔を上斜め後ろに向ける。そこには俺の腕から放出された回転を続けている黒い渦…、いや、闇が粘土が形作るように先頭部分が姿を形成していく。


 体自体は未だ回転を続けていて触れるものを吸い込んで仕舞いそうだ。そして形成された頭と呼ぶべき部分は目や鼻が無く、ただ頭の部分を二つに切り分けたような大きな口だけを持つ単純で禍々しい形の頭になっている。頭の部分が俺越しにオーク共に向かって口を開けたり閉めたりしており、細長いその体は俺の回りをとぐろを巻くかのようにしているその姿は正に今から得物を飲み込もうとしている大蛇そのものだ。そんな大蛇が未だ大人しいのはただ主人の指示があるのを待っているからだ。そして俺は、


「喰らえ!」


 俺の声を共に大蛇が巨体に似合わない速度でオークに襲い始める。オーク共は人質を前に出すが大蛇はそんなもの関係ないといわんばかりに喰らいつく。人質とされた人は悲鳴を上げていたがオークごと大蛇に飲みこまれると悲鳴が聞こえなくなり、ただ大蛇の喉だけが動いていた。


 その場にいた者は、オークや人質問わず、誰しもが言葉を失っていた。そして、一瞬の静寂の後、オークは悲鳴を上げてクモの子を散らす様に逃げ始める。人質とされていた人は衰弱していて逃げることすら出来ないようだ。「そ、そんな…」と大蛇にもっとも近かった者が大蛇が動くことで下敷きにされてしまう。逃げ遅れたオークの中で勇敢にも大蛇に向かって斧を振りかざして向かっていったものも居たが、体に触れたとたん竜巻に触れたかのように、いやドリルにでも触れたかのようにその身を削り取られてしまい、血の一滴すら地面に落ちる前に蛇の体に吸い込まれていった。


「ニ、ニゲロ!!」

「化ケ物ダ!!」


 死にたくないと考えるオークは我先と洞窟から出る扉に向かう。その扉に向かって大蛇も追いかけるように地面を這い進む。


「…さてと。」


 俺は、オークのことは大蛇に任せておいて近くに居た人質だった少女の傍に向かう。その少女は先ほどオークと一緒に飲みこまれたと思われた女性だった。他にも、下敷きにされたと思っていた人も意識を失って倒れているだけで何処にも怪我はしていない。逃げることが出来ない捕まっていた人たちは目を丸くして俺と飲み込まれたと思われた女性を見ていた。


「俺にだって喰いモノと喰いモノじゃないものぐらい判別がつくさ。」


 肩を上げて答える。まぁ、通じてないだろうけど。そんな事は置いておいて、喰われた人は実際には意識以外何も喰われていない…訳ではなく、実はあるものを大蛇に喰わせてある。それは


「おい、起きろ。」

「んん?ここは…?ヒッ、オーク!?ここはどこ!?何でオークなんか…!?」

「ん。成功っぽいな。」


 俺は1人納得してから怯えている少女に近づいて《無間暴食》ではなく、《夢幻》を使い意識を飛ばす。《無間暴食》って結構多用したら危ないんだよな。意識を喰うのも一回ぐらいにしたほうがよさそうだ。そしてそのまま倒れそうになった少女を抱えると優しく地面に横たわらせる。その際に、少女の体中についた痣なども治すために回復をかけておくのも忘れない。


『ほう?器用な使い方をするものである。』

「(そうだろ?初見一発目から成功するとは思わなかったけど予想以上に上手くいったみたいだ。)」

  

 俺が大蛇(無間暴食)に意識のほかに喰わせたのはここに連れてこられてからの記憶だ。俺の望むものを全て喰らいつくす《無間暴食》は、有機物体だけでなく意識や記憶と言った目に見えないモノすら食べることができるようだ。…なにコレ超便利。


『便利…ではないな、我輩の力をこんな風に使うのはお主ぐらいのものだし、何より危険すぎる。』

「(あ、やっぱし?)」

『当然である。記憶は魂の一部。下手をすると魂そのものを喰らうかも知れぬのだぞ?まぁ、我がついている以上そんな失敗はしないが。』

「(さすがですね!タルカス爺!)」

『…なぜ?爺?』

「(いや、なんか爺っぽいし。)」


 そんな俺とタルカスの楽しい?話は置いておいて、大蛇(無間暴食)はオークは血一滴すら残さずに喰らい、人質だった人たちの意識を奪うために這いずり回っている。ここから出る出口は三つある。1つは俺が来た道。1つはエルミア達の近くにあった道。もう1つは他の道よりも大きな扉で区切られている道だ。オーク共は複数に分けて逃げる算段のようで、大蛇(無間暴食)は俺が来た道を行ったオーク共を追いかけていった。他の道に逃げようとしていたオークたちは蛇がいなくなるのを確認すると、俺に向けて武器を構えて突進してきた。


「勇気と蛮勇は違う…ってね!“望む全てを喰らい尽くせ!《無間暴食》!!”」


 俺はもう1つの大蛇(無間暴食)を生み出す。だれも一回しか発動できないとは言ってない。俺はさらに複数の大蛇(無間暴食)を生み出しておき、意識を失った人たちの回復にまわる。


 俺に向かっていたオークたちはキキィ~ッ!!と音を出しながら足を止めて我先にと両手を上げて逃げ出す。…不謹慎かもしれないけど、なんかオーク共が警官に見つかったチンピラみたいでちょっと面白かった。


 動けない人質だった人たちは皆一箇所に集めておく。その際に、横を見れば大蛇(無間暴食)に上半身を噛み付かれて持ち上げられ、もう一匹の大蛇(無間暴食)に下半身を喰らいつかれ半分に千切れてしまったオークもいれば、ひとつの大蛇(無間暴食)によって空中に放り出された所を別の大蛇(無間暴食)に丸呑みにされている者もいてまさに地獄のような光景だった。

 

 捕まっていた人たちの最後の1人の女性を横たわらせたとき、背後から誰かが近づいてくるのを大蛇(無間暴食)を通して感じた。俺がそちらを向くとそこにはマロクが立っていた。なにやら何時もとは違う雰囲気だ。


「答えろ。この大蛇はお前が呼び出したのか?」

「……。(呼び出したというか、作り出したかな?でもコレって話しても大丈夫かな?)」


 俺が返答に困っていると、返答したくないと思われたのかマロクが短剣を抜いて再度話しかける。


「お前が普通のオークでないことは知っていたし、あの方が目をかけるほどだ。この大蛇たちを呼び出したとしても不思議ではない。だが、確認しておきたい。あの大蛇はいったいなんだ?」

「……。(タルカスの力です…なんて言えない。うーん、どうしよう。)」

「答えてくれない…か。ならば、俺はお前を排除しなければならない。その大蛇を呼び出せる力は危険すぎる。」


 まぁそりゃそうか。例えば俺が武器無しで街に入っても大蛇(無間暴食)を呼び出せば大量殺戮が可能だもんね。そんなことしないけどさ。俺は急いで紙に文字に書いてマロクに見せる。


「“待って。これには訳があるんだ。”」

「問答無用。ここでお前を排除する。」

 

 マロクは真っ黒な短剣を取り出すと短剣を地面に突き刺す。


「“秘儀《影縫い》”」


 マロクが呪文を唱えると、マロク自身の影に溶け込むように消えていった。


「おぉ!?マロクが消えた!?」




---マロク---   


 秘儀《影縫い》とは、秘宝の短剣「影縫い」が持っている力で、その力によって影の世界に入り込み影の世界の相手を縛り付けることによって現実の世界でも動けなくする魔法だ。影の世界では俺が何かを傷つけたりすることは出来ないが、現実の世界のものだが特別に作られた縄を使うことでを影の世界の相手が解くことができなくなる。そうして、改めて影縫いを使ってもとの世界に戻れば相手は動くことが出来なくなっており、後は「影縫い」の持ち主が相手を好きにすることが出来る。


「…のはずだったのだが…。」


 影の世界では現実の世界の約半分の時間の進み具合だ。だから消えた俺を慌てて探しているオークがゆっくりと顔を左右に振っているようにしか見えない。そこまでは別に問題ではない。問題は…


『なんだ?お前は?』

『んん?頭、どうやら影の世界から干渉しておるようだ。我輩の力と非常に近い性質を感じるのである。』


 最初は白銀の大蛇が、二言目は漆黒の大蛇が話しかけてきた。その二匹は現実の世界に出現した大蛇とは違い、見事な艶をした鱗をしており漆黒の大蛇は恐ろしくもどこか頼もしいようなイメージを、白銀の大蛇はとても美しく凛々しいイメージを連想させる。そんな2匹の大蛇が漆黒の大蛇はイサミのすぐ右横に、白銀の大蛇は愛おしいかの様にイサミに胴体や首に巻きついている。白銀の方は一瞬イサミの邪魔になって居るかのように見えたが、イサミが動くたびに白銀の大蛇も動き、まったく邪魔をしていない。まるでイサミと互いに以心伝心しているかのような動きだ。


「(な、なんだ?体が動かない。)」


 本来ならば現実世界のものが影の世界で動くことは出来ないが、秘宝「影縫い」の主人ならば干渉されずに動くことが出来る。だが、この二匹の大蛇に見つめられてから体が動かない。いや、動いてはいけないと頭の何処かで考えているのが自分でも分かる。こんな現象は生まれて初めてだ。


「お、お前たちは、い、一体何者なんだ?」


 口が震えて上手く話せなかったが、それでも相手の正体について問いただそうとすると、白銀の蛇が目を細めた。


「ッ!?」


 心臓がとても早く脈打っているのが自分でも分かる。心臓の音が当たりに響くのではないかと思えるぐらいだ。目を細めて俺を見つめる白銀の姿は、とても美しく神々しい…そしてとても恐ろしい。少しでも機嫌を損なえば俺の命など軽く吹き飛んでしまうと思えてならない。影の中でも一瞬の間、現実の世界ならそれこそ一秒と満たさない間だったが俺はその一瞬が永遠に感じられた。だが、そんな状態も白銀の大蛇が興味をなくしたかのように頭を背けると時間の流れが正常に流れ出す。嬉しいはずなのに白銀の蛇に顔を背けられた瞬間、なぜか心にぽっかりと穴が空いたよう酷い空虚間を感じた。


『フンッ。答えるつもりは無い。速やかに去れ。』

『うむ、頭の気分が変わる前に去るがいい。お主がどう思っていようとイサミは友人であると思っているようだしの。』


 白銀の大蛇は本当に俺に興味をなくしたらしく、イサミの肩の辺りに頭を置くと目を瞑って休みだした。漆黒の大蛇は俺の方の頭を向けてチロチロと舌を出している。そんな光景が、俺には理解できない。本当にこのオーク(イサミ)は一体何者なのだろうか?


『ふむ?帰り方がわからんか?ならば我輩が送ってやろう。』


 何も答えない俺に対して漆黒の大蛇が勘違いをしたのか俺を現実の世界に戻そうとする。影と現実の世界の行き来を操ることができるとは!?と、もはや、驚きすぎてマロクは何が何だか分からなくなってきた。そうしている内にも、漆黒の大蛇が舌を何度か出した後、足元に穴が出現しマロクは吸い込まれるように現実の世界に返っていった。




うーん、ノアに引き続いてヤシロも男か女か分からなくなってきましたね。さてさて、どっちなんでしょう?( ̄▽ ̄;)ドッチダロウネ?


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