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転生ライフ!オークライフ!?  作者: エケイ
第三章 : 王都 誘拐
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露理魂紳士終了

この物語はフィクションです。決して犯罪を助長するものではありません。犯罪はダメ絶対!!



 俺は急いで宿タカナミに戻ってきていた。宿では、リレーアさんが昨夜の騒ぎで滅茶苦茶になってしまっていた広間の後片付けをしていたが、慌てて入ったためか、扉を開けたときにビクッと体を震わせてしまった。しかし、俺だと分かるとすぐに安心したような笑顔で出迎えてくれた。


「お帰りなさい、イサミさん。どうしたんだい?そんなに慌てて?…もしかしてリルリカが見つかったのかい!?」


 期待したような目で見つめられ、下手な期待をさせてしまい申し訳ないと思いながら首を横に振る。


「あ、あぁそう…だよね。いや良いんだよ。だとしたら何か忘れ物かい?」


 少し考えてから首を縦に振る。匂いでリルリカちゃんを追えるかも知れないと伝えようか悩んだが、実際に可能なのかはまだ分からないからだ。あれから結構時間がたっているし、犬並みの嗅覚があったとしても追えない可能性もある。


「“リレーアさん、リルリカちゃんの部屋はどこですか?ちょっと探索で使いたい物があるんですが”」

「リルリカの?それなら奥の私の部屋の隣だよ。行けば扉に名前が書いてある木のプレートがあるから分かると思う」

「“ありがとうございます。入っても構いませんか?”」

「いいよ。こんな時だ。使えるものならなんでも持っていって頂戴」


 俺はもう一度リレーアさんにお礼を伝えてから奥に向かう。目指す物はリルリカちゃんの匂いがはっきりしたものだ。




---------


 イサミが物を探し始めてから数分後。宿(タカナミ)の前に、エルミアたちのようにローブを深く被っている一人の冒険者が立っていた。手には地図らしきものを持っている。


「…ここだな」


 冒険者はノックをしてから、返答を待たずに扉を開けて入る。片づけをしていたリレーアが、少し慌てながら対応した。


「…ごめんなさい。今は休業中なの。また今度来てくれると助かるんだけど…」

「あ、いえ。わた…俺は客じゃありません。今回、攫われた娘さんを探して欲しいとギルドから頼まれた者です。こちらがギルドカードと依頼書の写しです」


 冒険者はリレーアにギルドカードと一枚の紙を渡す。それを確認した後、頷いてからノアに返しながら感謝の言葉を送る。


「あぁ、ありがとうございます。…ノアさんと言うんですね。娘を、リルリカをお願いします」

「はい。全力を尽くします。…それに今回の事件は俺にも無関係ではなさそうなので」


 最後の方は自分にだけ聞こえるような声で話したため、リレーアは?マークを浮かべていたが、特にその事について追究したりはしなかった。


「それで、娘さんの特徴は――」

「リレーアさん!ここにイサミはんはおるやろか?」


 ノアの言葉を遮ってマロクが宿に入ってきた。


「マロクさん。えぇ、イサミさんなら今、奥のリルリカの部屋にいますよ?何でも探索で使いたい物を探すとか言っていたわ」

「おおきに!ほなちょっと行って来るさかい」

「少し待って欲しい。もしかして、今イサミといわなかったか?それに君は…」

「ん?あ~!この前、馬車で一緒だった人や。名前は…え~と」

「冒険者のノアさんよ。この人は今回探索に協力してくれるらしいの」

「よろしく。それで、話を戻したいんだが。イサミというのは、もしかして喋れなくて体の大きな男だろうか?」

「せやで。そっか、なんやかんだ言うても自分も探索に行きたかったんやな~、イサミはん」

「そうか、彼がリルリカちゃんの事を知っているなら話は早い。俺も一緒に探そう。そうした方が手間が省けるし、探している人を間違ったりはしないだろう」

「そうね!じゃあ、私が部屋まで案内――」

「すいません。セルジューク自警団のものなんですが」


 リレーアが案内しようとした瞬間、またしても違う男が宿に入ってきた。聞けば自警団の者らしい。


「ごめんなさい。悪いけど、二人でイサミさんに会いに行ってくれる?行けば部屋は分かると思うから」

「分かった」

「分かったでぇ」


 2人は奥のリルリカちゃんの部屋に向かって歩き出した。


「ここかな?」


 扉の前には「リルリカ」と書かれたプレートが付いていたので、すぐに分かった。中からはごそごそと、何かを探しているような音がするので間違いなくここにイサミがいるのだろう。


「イサミ、入るぞ」


 ノックは必要ないと思い、そのままノアが扉を開けて入った。その瞬間、なぜかノアの体が凍りついたように動かなくなった。それを後ろから見ていたマロクは、不思議に思いノアの横から部屋の中を見る。


「ノアはん、なにしてんのや?イサミはん。いて…は…る…?」


 余りの光景にマロクもノアと同様に凍ったように動かなくなった。そして、少し間をおいてから2人同時に心からの叫びを大声で出した。


「「へ、変態だ~~~~~~~!!!!???」」


 2人が見ている視線の先には、少女の、おそらくこの部屋の持ち主であろう下着を握り、鼻をクンカクンカしていたであろう状態で固まっている豚がいた。




---ノア達が宿タカナミに来た頃---


「う~ん、思ったよりも見つからない」


 あれからリルリカちゃんの部屋で匂いが付いてそうな物を探しているのだが、なかなか目的の品が見つからなかった。


『コレではだめなのか?』


 具現化し、蛇の姿で探し物を手伝ってくれているヤシロが、ベットにおいてあった布団を尻尾で突いている。


「うん。俺も最初はそれで良いかと思ったんだが、思ったよりも匂いがしない。多分、最近洗ったんじゃないか?」


 近くにあった可愛らしいぬいぐるみを手にとって匂いを嗅いでみるが、あまり匂いがしない。


「これは…困った」

『イサミ、服などはどうだ?』

「服?そうだな。洗っていないものがまだ残っていれば可能性はあるな」


 悪いと思いながらタンスの中を覗く。中には可愛らしい女の子の服が、たくさんとは言えないが幾つか入っていた。


「クンクン…。今思ったらコレって、犯罪まがいの行為だよなぁ」


 男がまだ幼い女の子の部屋に忍び入り、いや忍んでないけどさ。それで服を漁って匂いを嗅ぐって…、悪質ストーカーか!絶対、現代日本だと捕まる行為だわ!!くそぉ!こうやって冷静に考えると、逆に心が落ち着かなくなってきた。


「と、と、とりあえず、匂いは…、うん。するね」


 一度、窓を開けて外に向かって服の匂いを頼りに探してみる…が、確かに見つかりはするのだがどこかぼやけてしまい、すぐに見失ってしまう。


「っく!?確かにまだリルリカちゃんの匂いが残っていることは分かる。だけど追うことが出来るレベルじゃない。もっと、はっきりと匂いが分かる物があれば…」


 俺はもう一度、タンスの中を探る。ほとんどが洗ったばかりなのか匂いがしなかったが、途端に匂いがはっきりと分かる物を見つけたので、俺はそれを手に取った。そして、手に取ったことをすぐに後悔したくなった。見つけなければ良かったと思うぐらい。


 それは、いわゆる、まぁあれだ。下着と言うやつだ。俺は今それを持っている。多分、今の俺に背後にはマンガでいう、ズゴゴゴゴという効果音が流れているはずだ。


「お、落ち着け。この行為はれっきとした捜索行為であり、俺は決して卑しい行為をしているわけではない。イエス!ロリーター!ノー!タッチ!!これはノータッチだ!」

『ど、どうしたのだ?イサミ?』

「な、なんでもないよ。少し心を落ち着かせただけさ。そう!今の俺は!小さな子供を愛でて、ラブではなくライクの愛情を育む露理魂紳士だ!!!」


 俺は意を決して鼻を下着に近づけて、匂いを嗅ぎ始めようとしたその瞬間、部屋の扉が急に開いた。


「イサミ、入るぞ」


 そして、ローブを被った変な奴が入ってきて俺を見たかと思うと、まるで凍りついたように動かなくなった。俺も同じように動けなくなってしまった。


「なにしてんのや?ノア?イサミさん。いて…は…る…?」


 その後に、なぜかマロクが入ってきたが、先に入ってきた奴と同様に固まってしまった。俺は、心の中でも何が起きているのか理解できなくて、ただただ2人を眺めることしか出来なかった。だが、つい無意識に本来の目的である下着の匂いを嗅いでしまうと2人同時に大声を出してきた。



「「へ、変態だ~~~~~~~!!!!???」」

「(あ、終わった。異世界ライフ)」


 心の中でこの世界での生命線が断たれたことを感じながらも、リルリカちゃんの匂いはハッキリと記憶したのであった。


身を犠牲にしながらもついにリルリカの後を追えるようになったイサミ!そして、それをあざ笑うかのように居場所を突き止めたエルミア達。イサミの運命はどうなるのか!!乞うご期待!!

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