表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生ライフ!オークライフ!?  作者: エケイ
第二章 : 王都セルジューク
39/186

勇者の凱旋--彩華---

彩華たちが召喚されてから半年たった後の話です。名前の表現が変わっているので記入しときます。健二=鈴木、大吾=竹中、優斗=佐々木です。ややこしくて申し訳ないです。

 私たちがこの学校に来てから半年が経った。たった半年だと言うのに、とても長く感じる半年だった。剣術やこの世界の歴史、世界の情勢など多くの事を学ぶ事が出来たのは良かった。だが、学ぶ度にこの世界が私たちがいた世界と比べてどれだけ危険な世界であるのかを知ることになり、自分達はこの世界で生きていけるのか不安になっていく。


 そして、遂にカテロ王から命令おねがいを言われた。内容はフーム渓谷のキメラ討伐と言うもので、それを聞いた時は来るものが来てしまったと私たちは思っていた。


 何度か私たちは学校の授業と言う形で、ダンジョンにもぐったりしてそれなりに実戦をこなしレベルをあげてきた。だが、キメラは弱いとは言え大型魔獣に分類される魔獣であり、今まで以上の強敵と言えた。なので、私たちは実戦で優秀な成績をあげているメンバーだけで討伐に向かう事にした。一応、アレイさんの計らいで優秀な騎士が数名、案内兼護衛と言う形でついてきてくれる事になっている。幾つも不安な点はあったが、結果として私たちは重度のけが人を出すことなく、無事にキメラを討伐する事が出来た。現在はキメラがいたフーム渓谷から王都セルジュークに向かっている途中だった。


「やぁ、一時期はどうなるかと思ったけど…。皆、大した怪我もなくて良かったね」


 馬に乗りながらほっと一息ついた健二君が言う。


「ホントだな。キメラを見た時は全員無事に勝てるのか?って思っちまったぜ」

「そうですか?私は勝てると思っていましたがね」

「嘘こけ!キメラが吠えた時に真っ先に俺の後ろに隠れたじゃねぇか」

「あ、あれは!私は実戦闘よりも魔法援護の方が向いているので後ろに下がっただけです!」

「ホントかぁ~?会長さんはどう思うよ?」

「えぇ!?会長!私は別に怖がってなどいませんよ!?」

「え?そうなの?私は……怖かったけどな」

「まっ、会長さんは女性だから不思議じゃねぇよ。男の俺だって怖かったんだし。優斗は怖がっていないんだって?スゲーナー(棒読み)」

「ッ!? 大吾君は黙っててください!」


 優斗君が慌てたように私に弁明してきて、それを大吾君がはやし立てる。だが流石に優斗君が怒ると思ったのか、「悪い悪い」と大吾君が謝っている。私は、いつもこの二人の会話を聞いているのは面白いと思った。


「へぇー、彩華も怖がってたの?そうは見えなかったけど?」

「健二君。あれだけ大きい魔獣は初めてだったんだよ?私だって恐怖ぐらい感じるよ」

「そっか。怖かったんだったら僕の後ろにいてくれてもよかったのに」

「そういうわけにもいかないよ。私はもっと強くならないといけないんだから…」


 私の言葉に皆が少し静かになる。私は、しまったな。と思う。


「会長、まだあの勇君の事を探しているそうですね…」

「うん…。もう半年経つのに何も出てこないってことは、この世界に来ていないか、或いはもう…」

「会長さん…」

「…大丈夫さ!僕も探すのを手伝うからさ!元気出してよ!彩華は笑っていた方が可愛いんだからさ!」

「健二君…、ありがとう!2人もごめんね?こんな話になっちゃって…」

「いいって!気にすんな会長さん!」

「えぇ、気にすることなんてありません。それよりも、あと少しで王都につきますよ」

「フーム渓谷から2日経ったもんな。そろそろか?」


 大吾君が案内係の騎士さんに話しかける。


「はい、今日の昼前には見えてくるかと思います」


 私はその言葉を聞いて頷く。そして、乗っている馬の手綱を握り締めて、乗っている馬の横腹を軽く蹴って少し軽めの早さで駈け出す。他のみんなも私に続いて駈ける。王都セルジュークが見えてきたのは駈け出してから数時間後の事だった。



「勇者御一行様!しばしお待ちを!只今、城門前が非常に混雑しておりまして、いましがた騎士を1人やりましたので、しばしここでお待ちを!」


 城門前に来ると、隊長らしい人から声を掛けられた。なんでも城門前に人だかりができて通れる状況ではないみたい。


「すっげ~な。今までも何回かこんなことはあったけどここまで人がいるのは流石に初めてだぜ?」

「それだけ今回のキメラ討伐は注目されていたのでしょう。確かにキメラは非常に強敵でしたし、私達4人でも難しかったのですから普通の方々では更に難しい問題であったはずです」


 2人の話を聞いてるうちに先ほどの隊長さんがやってきて「準備ができました!どうぞ!お進みください!」と声を掛けてきたので私は頷いて馬を進めた。私の横に健二君が、後ろに大吾君と優斗君の順で進んでいく。そして私達の前後に護衛の騎士達がつき従う形で城門を抜ける。私が城門を抜けた瞬間、ワッ!と凄い歓声が上がった。


「勇者様だー!」

「勇者様~~~!」

「我らの勇者様!万歳~!!」

 

 所々から私たちを褒め称えるような声が聞こえてくる。色んな人が私たちに向かって元気に手を振ってくいる姿を見ていると、ここまで皆に期待されているのだという事が分かる。私は気がつくと笑顔で手を振りかえしていた。


 しばらくの間、手を振り返しながら進んで行くと、ふとなんだか懐かしいような視線を感じた。


「??」


 大勢から見られているはずなのに、その視線だけがどうしてか気になった。勇者としての尊敬や畏怖の念で見るような視線ではなく、見守っているような、でもどこか不思議そうに思っているような視線だった。


 私は視線を感じた方向にそっと目線だけをむける。そこには暗い茶色のローブを羽織った三人組がいた。1人は長身、1人は大きくローブを羽織っていても太っている事が分かる様な人だ。最後の一人は小さく、恐らく子供だと思う。全員ローブのせいで顔が見えないと言うだけで怪しいのに、子供は太っている人の肩に座て、太った人の見えない顔に向かって手を伸ばしていた。


「(変わった三人ね?さっきの視線は彼らかな?)」


 今も太った人に向かって手を伸ばしてる子供と、嫌そうに、でも本気で嫌がっていない太った人のやり取りを見ていると、異世界こちらに来る前に、高校での掃除を誘う私と勇のふたりで互いに話していた時の事を思い出した。

 半年前(あのとき)も、私は何時ものように少し無理やりに勇を高校に連れて行った。勇は口では「嫌だ」、「めんどい」とか言ってたけど、なんだかんだ言ってちゃんと私についてきてくれた。その事を思いだすと、胸がズキンッと締め付けられるような痛みが襲った。


「(勇…)」


 もうあれから半年経った。勇が異世界(こちら)に来てるにせよ来てないにせよ、もう会えない可能性が高い。私と勇は何時も一緒だった。小さい頃に落ち込んで泣いていた時も、いつも勇が助けてくれた。でも、その勇がもういない、会えないんだ…。そうを考えると胸の苦しみがもっと深くなってきた。


「(…いけない。皆に心配をかけたらいけないのに…私ったら)」

 皆に心配をかけてはいけないと思い、私はふっと息を吐いて元気な笑顔を見せれるようにする。ふと、さっきの三人組が気になって今度は顔を向ける。一瞬、(ローブのせいで)暗くて顔が見えない太った人と目があった気がした。すると、太った人が慌てたように下を向いた。


「(? どうしたんだろう?)」


 なぜか下を向いたまま動かなくなったその人を不思議に思ったが、馬が進むにつれて後方の方にいって見えなくなった。しばらく、見えなくなった方向に顔を向けていると横に健二君が馬を並べてきた。


「どうしたの?」

「…ううん。なんでもないよ」


 私は、気持ちを切り替えて大きな歓声を上げている国民たちに手を振り返した。




 城に着くとカテロ王に謁見し、にキメラ討伐成功の旨を伝える。


「御苦労であった。国民らも喜んでおる。まぁ我が言う前から知っておるだろうがな」


 先ほどまでのパレードのような出迎えを見ればどれだけ喜んでいるか分かるだろう?とカテロ王が目で伝えてきたので、私たちは苦笑しながら頷く。


 その後、今回討伐に参加しなかった残りの勇者達(一緒に召喚された学友達)に会って無事だと伝えると、全員安堵したかのように息を吐く。心配していてくれた事に嬉しく思い、私たちは全員でキメラ討伐の話をしながら夕食を取った。



「アヤカ様。お風呂の準備ができました」

「ありがとう。ナターシャさん」


 夕食が終わりしばらく部屋で休んでいると、ナターシャさんが声をかけてくれた。モデルのようなスラッとした体型で、綺麗な青色の髪を肩まで伸ばしている。仕事は何事も完璧で、いつも凛としている。同じ女性として尊敬する人だ。


「あの、ナターシャさん。アレイさんは何時頃戻られるんですか?」

「アレイスタ様でしたら戻られのは、2日後と記憶しております」

「そうですか…、だとしたら報告は聞けないのかなぁ…」

「例の少年についてですね?よろしければ私がアレイスタ様の部下の方からお聞きしてきましょうか?」

「良いんですか?でも今はアレイさんと部下の方は全員研究所にいるんですよね?」


 確か、王立研究所はここから馬で掛けて半日ぐらいかかる場所にあったはず。行こうと思えば行けない距離でも無いけど、今日はもう日は落ちている。この世界は電灯が無いので、街中でない夜道は本当に真っ暗で何も見えない。


「はい。ですが夜間用伝書鳩を使えば問題ありません」


 この世界にもやはり伝書鳩がいるんだ…。


「いいんですか?これは私の我儘ですよ?」

「カテロ王よりできる限り勇者達(アヤカ様達)の願いは叶えるようにと仰せられているので。問題ありません」

「カテロ王が…。ありがとうございます。ではお言葉に甘えて、お願いしても良いですか?」

「心得ました」

「何時頃に分かりますか?」

「申し訳ありません。早くても深夜になると思います」

「じゃあ…、深夜でもいいので、報告が来たら部屋に来てもらってもいいですか?」

「承知いたしました」


 私はナターシャさんに、お願いしますと頭を下げてから風呂場に向かった。




次で彩華編が終わります。長かった… (・ω・`)シュジンコウ?ダレダッケ?

ちなみにキメラとはドラゴン○ドグマのようなイメージ通りのキマイラではなく、頭は鳥、体は猫、後ろ足は鳥足で尻尾が鶏の尾羽になっている合成獣のことです。大きさは体長350cm位で大きな熊ぐらいの大きさがあります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ