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転生ライフ!オークライフ!?  作者: エケイ
第一章 : 異世界到着
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貨幣


「イサミ…。本当に大丈夫?」

「大丈夫だよ」


 エルミアがこちらを心配そうに見上げてくる。安心させようと無事な腕を見せると大事な物のように触ってきた。くぅ、可愛い。抱きしめていいか?いや、それをしたらルドルフさんに何されるか分からんし、何より俺の信念を汚すことになる!俺は絶対に無理やりだけはしないって童貞仲間(同志)たちとに誓ったんだ!


「離せぇッ!ちくしょう!てめぇら、覚えてろよ!!」


 捕えた男が叫んでいる。そういえばこいつはどうするつもりなんだろう?


「お嬢様、イサミ殿は大丈夫そうですし、心配いりません」

「…そう?イサミ、あれくらいなら私でも防げるから心配いらない。だから、さっきみたいな事をして心配させるような真似はしないで…」

「エルミアちゃん…」


 そんなこと言われても、咄嗟に体が動いていたし、なにより目の前で女の子を危険な目に合わせるくらいなら自分の体を張ってでも守りたいと思うのが男ってもんだ。しかし、エルミアちゃんはやけに俺に気を使ってくれるな。まぁ、これが転生補正と言うやつか?女神さまありがとう!! 


「さて、お嬢様、こ奴はどうされますか?」

「ギルドに突き出すにきまっている。ギルドメンバーに嘘の報告、襲撃は、とても許せる事ではないわ」

「ですな。承知いたしました」

「ちくしょーー!!」


 やっぱりギルドとかあるんだなぁ。奴隷の俺でもギルド入れるのかなぁ?あ、その前に俺オークだった。うん……無理そうだな。


「さぁ行きましょう。思わぬ時間を食ってしまったけど、こいつを捕える事が出来ただけ良かったと言えるわね」

「左様ですな。しかし、こ奴を連れていくとなると馬車が必要ですな」

「えぇ。幸い、近くの村から王都に向かって馬車が出ているし、問題はないはずよ」


 馬車か、金あんのかね?そういえば俺も銀貨三枚持ってたな。はやく街に行って貨幣価値とかこの世界について知る必要があるな。あと、旨い物を食べたい。


「イサミ~。行くよ~」


 気付いたら、少し先にエルミア達が進んでいた。




 空がオレンジ色に染まってきたころ、ついに森を抜けた。目の前には広い草原、少し遠くに村っぽい物が見える。


「おぉ!遂に森を抜けた!俺の転生ライフはこれから始まるんだな!!」

「イサミ?どうしたの?急に腕を上げて喜びだして?」

「初めて森から出たのではないでしょうか?」

「なるほど、なら色々な事を私が教えてあげるね♪」

「楽しみにしてるぜ!エルミアちゃん!!」




 森から出てからは少し遠目に見えた村に向かって進んだ。森と違い、でこぼこした道ではなくしっかり整備された道を歩いた時は軽く感動した。


 村の近くに来た時にはすっかり夜になっていた。村に入る前にルドルフさんにここで少し待っているように言われたので待っていると、とルドルフさんが村から戻ってきた。


「イサミ殿、こちらを被ってください」

「これは?」


 ルドルフから手渡されたのは大きめのローブだった。


「イサミ殿は問題ない方と言うのは分かりました。ですが、世間の方々はそうは思わないでしょう。ですので、申し訳ありませんがこちらを被って素性を隠すようにしてください」

「イサミ…、ごめんね。でも、我慢してくれる?」

「いや、むしろ助かるよ。ありがとう」


 俺は二人に礼を言いながら顔が見えないくらいにローブを深くかぶる。エルミア達も出来るだけ素性を知られたくないのかローブを被る。


「(ふっふっふ、俺は今アサシンのようだぜ)」


 実際は太っているお腹が出てしまっているので、アサシンよりも変態のようにしか見えなかったが誰も何も言わなかった。


「それでは、村に入りましょう。明日には馬車に乗るので問題はないかと思います。……問題の先送りでしかありませんが」


 ルドルフさん、苦労をかけてすんません。






「いらっしゃい」


 村の中の宿屋っぽい建物に入るとやや元気のない声で男の店員さんが迎えてくれた。おいおい、こういうときって可愛い美人さんが迎えてくれるのが相場だろうが!!


「三人宿を取りたいのですが?」

「三人ね、1人と2人部屋の二つを借りる形でいいかい?」

「えっと、三人部屋はないのですか?」

「無いね。」

「…仕方ありませんね。では、それでお願いします。」

「あいよ、代金は300アルムね」


 アルムは貨幣の事だろう。ルドルムが懐から銅貨を3枚取り出す。やっぱり俺が持ってる銀貨のほかにも貨幣があったんだな。


「あいよ。これが鍵だよ」

「ありがとうございます」


 ちなみに捕えた男はこの村の警備団のところに預けてある。


「お嬢様、こちらが鍵です」

「ご苦労様。さて…」


 エルミアが俺を見上げる。なぜに?


「今夜は一緒に寝ようか!イサミ!!」

「「ブフゥッ!?」」


 ルドルフとほぼ同時に吹き出してしまった。


「どうしたの?二人揃って?」

「お、お嬢様!!いくらイサミ殿が知性ある方と言えどオークですぞ!!分かっておられるのですか!?」

「当然よ!…その、オークはそう言った事が好きというのも知っているけど…イサミは大丈夫!」

「なぜそう言い切れるのですか!?」

「だってイサミは私を襲おうと思えば襲えたはずなのに、襲うどころか私を助けてくれた。だから、イサミは大丈夫。それに隷属の首輪がある。何かあれば首が閉まって自分を苦しめるだけよ」

「む、むぅ。それでも私は反対です」

 

 二人が軽く口論を交わしている。しかし、びっくりした。確かに最初に会ったは傷を治してあげたけど、その時は必死に煩悩を隠していたなんて絶対に言えないな。て言うか、襲えないって。信条云々かんぬん前にチキンだもん。


 自分で自分の事を蔑んでいると、


「とにかくだめです。今回は我慢してください」

「む~。わかった…」


 どうやら決まったらしい。俺とルドルフさんは二人部屋に、エルミアは一人部屋に別れる。ルドルフさんが心配そうにエルミアを見ている。そりゃ昨日の事があれば心配になるのも分かる。仕方ないな。


「エルミアちゃん、君はこっちだ」

「イ、イサミ?どうしたんだ?」

「イサミ殿?」


 俺は、二人を二人部屋に入るように背中を押す。


「……イサミ殿、申し訳ありません」

「いいですよ。まぁ世話になってるのはこちらですし」


 こちらの意図が通じたんだろう。言葉はわからないだろうが、俺の言葉にルドルフは頭を下げてからエルミアを再度説得した。さすがのエルミアもそこまで文句言う気はなかったらしく。今回は素直にルドルフの言うとおりに動いてくれた。


「まぁ、仕方ないか。ところで、イサミ。寝る前に貨幣について教えてあげようか?さっき、アルムの事を凝視してたよね?」

「マジで!?さすが、エルミアちゃん!」


 俺には荷物なんて無いのでそのまま三人で部屋に入る。そして、貨幣アルトについて知る。


銅貨が三種類、銀貨が二種類、金貨は一種類、白金貨は一種類あるそうだ。簡単にまとめると


銅貨: 大=100アルト 中=10アルト 小=1アルト


銀貨: 大=10,000アルト 中=1,000アルト


金貨:100,000アルト


白金貨:1,000,000アルト


 基本的に貨幣の種類とそれぞれの大きさで価値が決まっているらしい。アルトと円が同じ感覚かは分からないが、大体同じだろう。となると、俺は銀貨大を3枚、つまり現在3万円持っているわけか。多いのか少ないのか微妙だな。


 俺は、一通り教わると部屋を出た。その後、久しぶりのベットを堪能しながら心地よい眠りについた。


捕まえた男の名前はキースです。一応、犯行グループの副リーダー的なポジションです。

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