不思議な教会
投降速度が遅くて本当に申し訳ありません!(ToT)ゞスミマセン
教会にたどり着くと、先に此方に着ていた冒険者達が教会内で治療を受けているところだった。冒険者の1人を治療していたラザレスが私達に気づくと、小走りでやってくる。
「無事で何よりだ。今こっちに、西に向かっていた班が増援にくる。合流後、戦える奴ら全員でここで敵を迎え撃つぞ。」
ラザレスの言葉に、私達だけでなくその場にいた全員が頷いた。
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教会の窓から此方に向かってくる魔物の群れが見える。奴らは一直線にここに向かってきているようね。
「まったく、予想以上の事になりましたな。」
ルドルフが後ろで顎に手をやりながら、話しかけてきた。私はルドルフの言葉に頷きながら、治療を受けている冒険者達の方を見る。
死傷者はいないものの、全員が戦えるわけではない。腕を斬られて痛がっているものや、傷による痛みで呻いている者もいて、正直見ていられない。
「(……イサミ。)」
「こんな時に、イサミ殿がいてくれたら心強いのですが…。」
「ッ!?ルドルフ!今はそんな事を行っている場合じゃないでしょ!」
「これは…失礼しました。」
礼儀正しく頭を下げるルドルフを横目に、思っていた事を口にされたことによって予想以上に慌ててしまっている自分にイラついてしまう。
「…しばらく、1人にさせて。落ち着きたいから。」
「……承知しました。では、私は向こうでエッダ神父の手伝いをしております。」
ルドルフは怪我人の治療を行っているエッダ神父の元に向かっていった。
私は壁にもたれ掛かって、その場で静かに目を閉じた。
思い出すのは、王都から出てからの私とイサミとの会話の数々だった。我ながらひどい物だと思う。もしかすると、私の一方的な思い込みかもしれないのに、イサミが悪いように振舞ってしまった。
「(…嫌われていないと良いな。)」
自分勝手だと思う。本当に。あれだけの事をしたのに、それでも嫌われたくないと思う私がいる。ルドルフはイサミが私を嫌う事は無いっていってたけど、ルドルフの言葉だって絶対じゃない。街に帰った時、イサミが私を避けたりしたらと思うと…
「――ッ!!」
まただ。イサミに嫌われると考えると胸が締め付けられるように痛くなる。私は目を強く閉じて痛みに耐えるかように胸元をギュッと押さえつける。
「エルミアさん。ここにいたんだ。」
「…なに?」
前方から声がした。ここ最近、鬱陶しくて仕方が無い声だった。特に今聞くと無性に腹が立つ。けど、そんな私の気持ちなど知らずに声の主は近づいてくる。
「歩いていたらエルミアさんの姿が見えたからさ。ちょっと話そうかと思ってね。」
話しながら、フィーロは私の横に移動して同じように壁にもたれ掛かる。
…馴れ馴れしく近寄るなと視線に感情を乗せながら睨むが、目が合ってもまったく伝わっていない。逆にいかにも心配しているといった顔を体を寄せてくる。
「それよりも大丈夫?苦しそうな感じだったけど。」
「平気よ。貴方のおかげでね。」
私は皮肉めいた声を出しながら、壁から離れてその場から立ち去ろうとした。だが、すぐにフィーロが私の前に立ちふさがる。
「まぁ、待ってよ。まだ話したいことがあるんだ。」
「…はぁ。何?今話さないといけない事?」
「あぁ、大事な事だ。」
苛々しながら、私は腕を組んで足で地面を一定の間隔で軽く叩く。そんな私の事など、気にもせずにフィーロは真面目な顔をしながら話し始める。
「今回の事で俺、考えたんだ。俺の実力はさっきの戦いで分かっただろ?…エルミア、これからも俺とパーティを組まないか?」
「………は?」
一瞬、何を言っているのか分からず、思わず私は呆気にとられている間に、フィーロはどんどん話を進め始める。
「俺、君とならどんな苦難でも一緒に立ち向かえる気がするんだ。…急な話だって事は分かってる。答えはこのクエストが終わってからで良いから、聞かせてくれないかな?良い返事を期待してるよ。それじゃ!」
己の言いたいことを早々と言うと、フィーロはラザレスの所に向かっていった。私は結局最後まで、呆然と立ち尽くしていた。
---10分後---
「お嬢様?いかがされました?なにやら顔色が…」
「ルドルフ。急に図々しく訳の分からない話をさせられた事ってある?」
「は、はぁ?いえ、恐らく無いと思いますが…。」
「そうよね。私もさっきまで無かったわ。えぇ、さっきまでね。」
ルドルフは、私の言葉がよく分からないといった顔をしてながらも、私のことは問題ないと判断したのか一歩下がった位置に移動した。
「よし、これから魔物の群れに向かって総攻撃を仕掛けるぞ!」
ラザレスが剣を持ち上げて皆に号令の声をかける。その声に、冒険者達も「おぉっ!」士気高々に答えている。
「幸い、奴らはこの教会に入ってこれないようだ。負傷したり動けなくなったらすぐに教会内に逃げ込め!いいな!誰一人として死ぬんじゃねぇぞ!それから…、エッダ神父!」
「はい。急いで作ったので質は悪いかもしれませんが、聖水をお配りします。これが皆さんの力になることを祈っております。」
エッダ神父は聖水を持っていなかった冒険者達に聖水の入った小瓶を渡していく。これで、全員が外の魔物に決定打を与えられるようになった。
聖水を受け取った冒険者達は嬉々として自信の武器に聖水を塗布していく。その中にはフィーロの姿もあった。
「これで、敵を沢山倒してやるぜ!エルミア!見ててくれよ!」
ピキッ!
フィーロが私に向かってウィンクをしてきたので、思わず怒りで血管が浮き出てしまった。というか、なにあいつ気安く私のこと呼び捨てにしてるわけ?
流石に、冒険者達がこれから闘いの時で気分が高揚している中、水を差すようなことはしたくなかったので無言を貫いたが、こんどまた呼び捨てにすれば…
「お嬢様、矢から手をお離しください。」
「…ッハ!?」
思わず無意識に矢の一本を掴んでいた。いけない、いけない。
私は気を紛らわせる為に、窓から外を見る。外には魔物の群れが教会に向かって進んでいる。なぜ、この教会に向かって一直線に進んでいるのかは不明だけど、街のほうに行かれるなくて良かった。
「おう、2人には期待しているぜ。」
「ラザレス殿。」
声に反応してみればラザレスが眼帯の状態を確認しながら此方にやってきているところだった。
「まったく、なんでこんなにも魔物が一気に街付近に現れたんだ?」
「原因はスケルトン・メイジなんでしょ?だからそいつを倒せば……あれ?そういえば…。」
私は慌てて、魔物群れを凝視する。しかし、群れの中に目当ての相手は見当たらない。
「気づいたか。そうだ。あの群れの中にスケルトン・メイジはいねぇし、それに準ずる強さを持つ魔物もいない。」
「…もしかすると、これは陽動なのでは?」
「かもしれん。だが、あの数の魔物たちを陽動に使えるクラスの魔物となるとゴールドクラスでもきついな。」
ラザレスは苦笑しながら頭を?いているが、すぐに真剣な顔に戻る。
「もしかすると、この教会が解放された事に何か関係しているのかもな。まぁどちらにしろ、あの数の魔物をほっておく訳にはいかねぇ。ここは、俺達が迅速に奴らを倒してこの件を解決するべきだ。」
私とルドルフはラザレスの言葉に頷く。
「それはそうとこの教会…、何か変じゃねぇか?」
「変?」
「あぁ、何と言うか…。上手い言葉が見つからないんだが、この教会に入ってから体が少し楽になったというか。」
「ふむ。それは確かに感じますな。最初は気のせいだと思っていましたが…。」
教会の中を改めて見渡すと、先程まで傷の痛みで呻いていた人間も、今は比較的穏やかな寝息を立てているし、一部にいたっては戦闘可能まで回復していた。
「実を言うと、これまでずっと悩んでいた俺の片目の傷の痛みも和らいできていてな。これから戦闘だってのに、妙に落ち着いているんだ。」
「不思議ね…。まるで、教会全体が癒しの力に満たされているみたい…癒し?――ッ!?」
「お嬢様。もしやすると、これは…」
「えぇ、もしかするとイサミと何か関係あるのかも…」
私とルドルフは小声で話し合う。イサミは癒しの力を持っている。そして、この教会は明らかに何処か不思議な力を感じる。それも、イサミ特有のの力に似たものだ。…もしかすると、この教会を解放したのはイサミ?或いは解放に何かしら関わっているのかもしれない。
ルドルフも同じ考えに至ったのか、私と目が合うと頷いた。
「…あれこれ話しても仕方ないわ。今は目前の事だけを考えましょう。」
「ですな。」
「ん?2人してどうしたんだ?」
「もしかするとこの力に魔物たちは引き寄せられているのかもって話してたのよ。」
私は咄嗟に嘘をついたが、ラザレスは「なるほど…。」と頷いていた。
これから互いに命を預けて戦う仲間に嘘をつくのは心苦しいけど、こればかりは秘密にしておかないと。
「ら、ラザレスさん!奴らが攻めて来た!」
「ん?よっしゃ!やるぜてめぇら!死人なんて1人として出すんじゃねぇぞ!」
「「「おう!」」」
私は、短剣を抜くと他の冒険者達と一緒に、先陣を切って魔物の群れに突撃していくラザレスの後を追っていった。
ちょっとだけネタバレします。m(_ _"m)ゴメンナサイ
魔物の群れとの戦闘に関する記載は飛ばそうと考えています。次回は討伐した後の話にしようと思ってますです。少し話が飛んでしまいますが、ご容赦くださいませ。( ̄∇ ̄)ゞヨロシク!




