配属分け---エルミア視点---
さらに頑張って連日投稿
(;´Д`)モウムリダァー
「まずは自己紹介しておくぜ!俺の名前はラザレスってもんだ!なぁに、偶々ここのお偉いさんに頼まれただけのあんたらと同じ冒険者さ!」
私達が席に着いた事を確認すると、ドクロマークが描かれた眼帯をした男がこの場の皆に聞こえるぐらいの大きな声で自己紹介を始めた。
「一応、これでも冒険者ランクはゴールドランク。それなりの腕前はあるつもりだ!俺が今回のクエストのリーダーで不満があるやつはいるか?」
男が言い終わってしばらくしても、反論の声が上がる事は無かった。シルバーと違い、ゴールドとなるとかなり腕前の実力者でないとギルドに認めてもらえない。そんな者に不満があるといえるのは同じゴールドクラスかそれ以上の者だけだ。
ラザレスがグルッと見渡していないことを確認し後、私達のほうに向き直った。
「…そこのローブのお二人さんも問題ないかい?」
「…無いわ。」
「ありません。」
どうやら、ラザレスはルドルフがゴールドクラスの冒険者である事を知っているようだ。そして、私達にしか確認を取らなかったという事は、ルドルフとラザレス以外はシルバークラスしかいないと言うことでしょうね。
「よっし!なら、とっととこんな面倒な話を終わらせるに限るぜ!今から、簡単にだがチームを作って各配置場所に移動し、魔物どもを討伐してもらう。それじゃ、最初の班だがウルバーノ、フィレックス…」
ラザレスが次々と冒険者達の名前をよんで配置場所を伝えていく。これは同程度の冒険者達を班として固めて、実力に応じた場所に配置することで負傷者を減らそうと言う、恐らくラザレスが独断で決めた事だろう。
ギルド支部長が言っていた数を頼りに無計画に討伐していくよりも、同じ実力者同士が班として行動する事で、団結力が芽生えて互いにフォローしあう事ができる。どちらが良いかなど考えるまでも無い。
「(本来なら、これに加えて班全体における作戦などがあれば尚良いんだけど、この短期間で参加メンバーの実力を個人で調べて班分けを考えてもらっておきながらそこまで要求するのは、さすがに欲張りすぎかしらね。)」
「それじゃあ次の班のメンバーを伝えるぞ。エルミア、ルドルフ、キースと俺の四人だ。この班が主力として動く事になる。配置場所は――」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「…なんだ?」
ラザレスが急に立ち上がって話を止めたフィーロを訝しげな目で見る。その視線にビクつきながらもフィーロは私達の元にやってくる。
「俺はエルミアさんと一緒のメンバーなんだ!俺もエルミアさんと一緒に戦う!」
「ん?そうなのか?情報ではそこのお嬢さんとご老人は何時も2人のチームだと書いてあったが?どうなんだ?」
「えぇ、そうよ。」
「え、エルミア!何言ってるんだよ!俺は君の事を助けようと――」
「馴れ馴れしく呼び捨てにしないで。」
「うっ!?」と言葉を詰まらせた男はそのまま無言になった。
「…何があったのか知らんが、お前の配置も既に決まっている。お前だけの考えで皆を困らせるな。」
「い、イヤだ!俺はエルミアさんと一緒の配置でないとこのクエストを降りるからな!」
「何を子供のような事を――」
「まぁ、待て。ラザレスさんよ。俺がコイツと配置を代わろう。」
今度はラザレスの背後に座っていた男が立ちあがる。顔はローブのせいでよく見えないが、どこかで聞いた事があるような声のような?
「おぉ!本当か!」
「あんたは…、キースか?そんな勝手なことを言われても困るぜ。」
「そうは言うが、このままでは足並みが崩れてしまうかもしれないだろ?俺が代わっても別に構わんだろう?あんたやそこの2人がいれば力不足にはならんだろうしな。…と言うか、俺の方がめっちゃ代わりたい…」
最後の方は声が小さくて良く聞こえなかったが、キースの言葉にラザレスは「うむぅ。」と唸ると
「っち、分かったよ。キースとフィーロの配置を変える。だが、これ以上文句は言わせねぇからな!」
若干、苛立った声を出しながらラザレスはフィーロとキースの願いを了承した。
---深夜(街の入り口付近)---
「んじゃ、行くか。俺たちは教会付近の解放だ。恐らく今回で一番危険な奴が潜んでいるであろう場所だ。」
ラザレスが自分の剣に聖水を塗りながら、向かう場所について説明していた。ちなみに聖水は班に1つずつ配られており、班の中でも一番攻撃力が高い人物に渡してある。私達の班では、事前に用意していた私とルドルフは必要なかったのでラザレスに渡す事になった。フィーロ?知らないわよ。
「…ラザレスと言ったわね。貴方はなぜこのクエストを?」
「ん?いや、深い意味なんてねぇよ。この街は俺が生まれ育った街だ。守りたいと思うのは当然だろう?」
ラザレスは一度剣を振るってから鞘に仕舞う。
「んじゃ、行くか!他の奴らもそれぞれおっぱじめている頃だろうしな!」
「そうね。行きましょう。」
全員が準備できた様なので、討伐場所に向かおうとしたそのとき、街の方から冒険者ギルドの職員の服を着た男性が走ってきた。
「あっ!いたいた!あの~!ギルドの者です~!お知らせがあって来ました~!」
「あん?なんだぁ?これからって時に?」
「先程、連絡がありまして!なんでも教会が魔物の手から解放されたとの事です!」
「なにぃ!?どういうこった!?」
ギルドの人間の言葉にラザレスだけでなく、私とルドルフも驚いていた。
「誰が解放したんだ!?」
「えっと、とあるブロンズの冒険者がやったそうです!」
「あぁ!?ブロンズだぁ!?俺達が主力集めて解放しようとしていた所をたかがブロンズ如きが解放したってか!?嘘行ってんじゃ――」
「フィーロ、黙ってろ!」
ブロンズと聞くや否や、高圧的に話し始めたフィーロをラザレスが強く言い止める。
「…それで?俺達はどうすればいい?」
「はい、此方としても情報が正確なのか完全には信用できない為、皆さんに確認してきて貰いたいとの事です!情報が正確なら、教会には今回の情報の保障人となっているエッダ神父がいるはずです!」
「分かった。三人とも聞いたな?これから向かうぞ!」
私達は、問題となっている教会に向かって走り出した。
---教会---
「これは…情報は本当かもしれんな。」
途中に魔物に襲われる事なく、教会にたどり着く事ができた。教会は明かりが点いており、何も問題がない教会にしか見えなかった。
「とりあえず、中にいるであろうエッダ神父に話を聞いてみましょ?」
「そう…だな。…おい!誰かいるか!」
ラザレスは少し強めのノックをして中に声をかける。すると、中から犬やネコ(ペル)の声が聞こえてきた。そして、しばらくすると扉が開いて神父の服装をした人間のご老人が出てきた。恐らくこの人がエッダ神父なのだろう。
「はい、どちら様でしょう?」
「…今回、この付近の魔物を討伐しに来た冒険者だ。あんたがエッダ神父で間違いないか?」
「えぇ、私がエッダです。ここではなんですので、どうぞ、中へ。」
神父に導かれて中に入る。そして
「あぁ、失礼するぜ…ってなんじゃこりゃあ!?」
「うわぁ…綺麗。」
「これは…なんと見事な!」
「え?ここってこの街の教会だよな!?」
中はとても綺麗で、装飾品1つ1つが輝いているようだ。床は大理石と思わせるぐらい綺麗に磨かれており、窓全てが新品のように見える。何よりも
「おおおおおいいい!?エッダ神父!?俺は長年この街にいるけどよ!あんな見事な女神像なんて初めて見たぞ!?」
奥で優しく微笑んで立っている女神像は、今まで見てきた像の中で一番美しかった。まるで、あの像に見られているだけで気分が落ち着いてくるかのよう…。
「すべてはとある親切なお方が直してくださったのです。」
「いやいやいや!?変わり過ぎだろ!?」
まるで、女神に会ったかのように熱い眼差しで語るエッダ神父にラザレスが詰め寄る。
「全ては女神様のお導きです。」
「ああぁ!話が通じてない!おい!この辺りにはもう魔物はいないのか!?」
「えぇ、この付近の魔物は全て倒したと仰られていました。」
「そいつは一体だれなんだ!ただのブロンズじゃねぇな!?」
「…すみません。御本人達から口止めされておりますので…。」
すまなさそうな顔をして横に首を振るエッダ神父を見ながら、私は足元近くに寄ってきていた猫の頭を撫でていた。うわぁ、可愛い♪
「っちぃ!まぁいい!それなら俺達の仕事は半分達成されたようなもんだ。」
ラザレスは頭を乱暴に搔きながらこっちに近づいてくる。
「ここはどうやら本当に安全のようだ。魔物の気配も感じないしな。俺達はここで分散して他のメンバーの助っ人として動こうと思うが、なにか問題あるか?」
「そうね。ここにいても仕方ないし。」
「よし。なら今から――」
「すまない!ここにラザレスさん達はいるか!?」
扉を開いて男が1人走って入ってきた。慌てて走ってきたのか、息が荒い。
「俺達ならここだ。どうした?」
「す、すぐに救援を!魔物の大群が現れたんだ!」
「なにぃ!?」
男達の荒い声に驚いたのか、猫が遠くに走り去ってしまった。まったく…どうやら、このままでは終わらなさそうね。
補足
この世界の教会は女神の祝福を受けており、ある程度の魔物なら近寄らせない力を持っています。また、埋葬の仕事も教会で行うため、基本的に教会は街から離れた場所にあるのが普通となっています。
(;・∀・)ヘ、ヘンナトコロナイヨナ?




