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転生ライフ!オークライフ!?  作者: エケイ
第五章 : 次なる街へ
100/186

教会修復

祝!第100話!!ここまで続けられたのも、皆様のおかげです!

これからも宜しくお願いします!(≧ω≦)ヨロシク!

「――ッ!」


 寂れた教会の中に乾いた骨の砕けた音が響き渡る。


「ふぅ。」


 俺は軽く息を吐いて呼吸を整える。俺の周りには動く度に骨を踏み砕く音が耳に入ってくるほどの、大量の骨が散らばっていた。


 残る敵はボロいローブを羽織った人体模型…もといヤシロ曰く骸骨の魔術師(スケルトン・メイジ)だけだ。一度、槍を横に振って矛先についていた骨粉を払うと、俺は床に散らばる骨を踏み砕きながら歩き出す。スケルトン・


メイジに向かって歩き出す。


「キ、貴様…一体、何者ダ!?唯ノオークデハナイナ!」

「その言葉、前にも聞いた気がするな。」


 俺の言葉にスケルトン・メイジは?マークを浮かべている。まぁ俺の言葉の意味以前に、言葉自体が通じていなくても今は関係ない。近くまで歩み寄った俺は、片手で槍の矛先をスケルトン・メイジの顎先に固定する。


「ック!?」

「お前を倒せばこれで終わりだ。」

「……ククク、クハハハハ!!」

「…何が可笑しいんだ?」


 落ち着いた感じで言ってますけど…正直に言うと、骸骨が笑う姿は結構怖いです!でもそこは雰囲気的に表面に出さないようにする。


「貴様ノ様ナ者ガイルトハナ!私ガ感ジタ力ノ源ハオマエダッタト言ウ訳カ!」


 スケルトン・メイジは言うや否やサッと後方に飛び退き、骨の杖を崇めるように両手で構えた。


「貴様ノ魂ハサゾ美味デアロウナ!私ノ一部トナレル事ヲ喜ビナガラ死ニ溺レルガ良イ!」


 途端に黒い文字が目に見えるように浮かび出るとスケルトン・メイジの周囲を囲みだす。


「“ソノ刃ニテ切リ裂カレ、肉塊トナリテ闇ニ沈メ!《闇の肉切包丁ダークネス・ブッチャーナイフ》!”」


 呪文を唱え終わると、文字が弾けるように消え去り代わりに半透明の巨大な赤黒いナイフがスケルトン・メイジの頭上に出現した。


「避ケレバ背後ノ虫ケラ共ガ死ヌゾ?サァ、ドウスル?」


 面白そうに笑いながらスケルトン・メイジは杖を振り下ろす。それに合わせて巨大なナイフも俺に目掛けて振り下ろされてきた。


 俺は咄嗟に背後を見る。そこにはスケルトン・メイジが言うように、アルルや子犬たちが震えるように身を縮めて固まっていた。あの様子では避ける事はできないだろう。


 目の前には今まで一番早い速度で振り下ろされる巨大なナイフ。背後には依頼目標の犬や子犬たちが…、悔しい事だがスケルトン・メイジが言うように俺が取る事ができる行動は限られていた。ならば!


「うおおお!」


 俺は正面からナイフを受け止める事にした。槍を床に投げ捨て、両腕に金剛をかけて交差するように構えると足を踏ん張ってナイフを受け止める。


「ナ、ナニィ!?」


 スケルトン・メイジが驚いた声をあげたが俺はそれどころではない。ガギギッ!と甲高い音が俺の腕とナイフが擦れる事によって発生している。腕はまったく痛くないのだが、心情的にはまったく落ち着かない。あれだ、歯医者で麻酔してるけどやっぱり痛いんじゃないかと身構えるのと同じ感覚だ。


『イサミ!恐れを抱く必要はない!そのまま蹴散らせ!』

「ッ!?おっしゃおらああぁぁ!」


 ヤシロの声に反応して、大声と共に交差していた両腕のうち下側である右腕を力を込めてナイフに向かって撃ちつける。


 ガキンッ!!


 甲高い音を立てて俺の一撃を喰らった巨大なナイフは、拳が当たった所を中心に全体へとヒビが入っていき最後には、バリンッ!と大きな音を立てて砕け消えた。


「バカナ!?ソンナ事ガ――ッ!?」


 スケルトン・メイジが驚愕の言葉を言い切る前に、俺は床に落ちていた槍を素早く拾い上げるとそのまま敵に目掛けて力を込めてぶん投げた。


投げられた槍は、弦より放たれた矢の如く風切り音を出しながらスケルトン・メイジの頭を突き刺すが、それだけでは勢いは止まることなくそのまま頭と一緒に向かい側の柱に突き刺さった。


 頭を失った体は音を立てながら崩れ落ち、柱に刺さった頭は最初は何か喋ろうと顎を動かすが、槍が丁度口の中を突き通った形になっていることで喋る事もできず、そのまま元は瞳があった場所に灯っていた小さな不気味な炎も静かに消えていった。


「ふぃ~、疲れた。」


 俺はスケルトン・メイジが完全に動かなくなったのを確認すると、息を吐きながらその場に座り込む。身体的にはあまり疲れていないのだが、動く骸骨と言うホラーの敵と戦っていた為の心情的疲れが溜まっていた。俺ってホラー系は、あまり得意じゃないんだよ。


『見事だったぞ、イサミ。』

「おう、ありがとなヤシロ。」

「ワンワン!」

「ん?」


 背後から声がしたので後ろを振り向くとアルルが此方に向かって走ってきた。そして俺に近づくと尻尾を振りながら俺の顎を舐めてきた。


「ワンワン!」

「こ、こら!くすぐったいっての!」

「ワン!」

「ニャー!」

「って!?うおお!?」


 気がつけば周りにはアルルの他にも子犬や子猫達が集まってきていた。なにこれ?ここが…俺の求めていた楽園ユートピア!?ワハ、ワハハハ…


「な~に、だらけ顔してんねん。イサミはん。」

「ハッ!?マ、マロク!?何時の間に!?」

「なんや、何時の間に!って顔しとるね。心配せんでもついさっきやっと扉が開いたから、今来たばっかやで。しっかし、こりゃ一体…」


 マロクが周囲を見渡しているので、俺も見る。


 かなり広範囲に散らばっている骨。柱に槍ごと突き刺さっている人間の頭蓋骨。沢山の犬や猫に囲まれた豚。って!だれが豚だ!?…じゃなくて、こんな惨状じゃあここで何かありましたよと言ってるようなもんでして…


「説明…してくれるんやよね?イサミはん?」


 ほら、やっぱりね。




---十分後---



 俺はマロクに説明した後、張り紙にあったエッダ神父の所に行ってくれと頼んでおいた。なのでマロクが行った後、俺は今プチ無間暴食を発動して教会内に散らばった骨を片付けているところだ。


 いやぁ、これ便利なのよ。プチ無間暴食を使えば最新掃除機も真っ青になるぐらいの吸引力でどんどん吸い取ってくれるんだもん。しかもゴミだけ。ご家庭に一台いかが?失敗したら自分が喰われますけどね!(笑)


 途中、スケルトン・メイジが装備していた指輪を拝借したり、骨の杖は嵩張るのでペオルの裂け目に突っ込んだりと些細な事もあったが、一通り掃除を終える事ができた。


「…ううむ、ここが気になるな。」


 俺は薄汚れてしまった窓ガラスをプチ無間暴食を使って汚れのみを喰わせる。おぉ!?綺麗に取れた!この掃除した場所としてない場所の差をテレビで中継したら注文殺到間違いなしだろう!まぁ失敗したら自分が喰われますけどね!(二度目)



---マロクと別れて1時間後---


 ううむ、まだマロクは来ないのだろうか?まぁ、遠い場所にいるのかも知れないし仕方ないか?しかし、こっちは窓も全部綺麗に掃除が終わったし…


「…むむむ。この彫刻はもっと綺麗にできるかな?」

『イサミちゃん、任せて。これぐらいの補修ならできるわよ。』

「おぉ!マリン、頼むぞ!」


 マリンを介しての魔力を使って、ボロボロになった女神の彫刻を補修していく。なんでも、一から作るのはマリンの力では出来ないが、補修程度なら出来るそうだ。


 俺の手が過ぎて行く度に、触れていたところは新品のように綺麗になっていく。…あれ?これならボロボロになった天井や壁のレンガも直せるんじゃね?



---マロクと別れて2時間後---


 まだマロクは来ない。ううむ、そろそろ、日が暮れて来たんだが。こっちはもう直すところがないんだけどなぁ。…暇だ。


「そういえば、これってあの時の女神様の像か?」


 俺は綺麗に修復した女神像を見上げる。先程までは気にしていなかったが、どことなく日本にいたときのクラスに現れた恐らく女神であろう女性に似ている。特にボンッキュッボ――ゴホンッ!ゴホンッ!忘れてくれ。背中にはあの時と同じように三対の六枚の羽根があるのでまず間違いないだろう。


 女神像に近づいて像に触れる。女神像は両手を広げて微笑むように佇んでいて、どこか母性を感じさせる像だ。俺は目を閉じてから静かに祈り始める。どうか、エルミアとの関係が直りますように、元に戻りますように…と。


 その時、自然と“再生”の力が発生して女神像に流れていき淡く光ったのだが、目を閉じていた勇は気がつかなかった。




「…れで、…の辺りの魔物を一掃して…」

「ん?」


 背後から声が聞こえたので、振り返る。入り口付近に固まっていた子犬たちや子猫が鳴き始めたので、誰かが来たのは間違いないだろう。俺はローブを被りなおすと入り口に向かって歩き出すと、ちょうどその時、入り口の扉が開いて二人の男が入ってきた。


「せやで!この辺り一帯の魔物はもう現れる事はな…い…??」

「おぉ!助かりました!これで教会に戻る事が…マロクど…の…??」


 2人の内1人はマロクだった。そしてもう1人のご老人は恐らく、エッダ神父だろう。2人は入り口で立ち止まったまま口を開いたままで固まってしまっている。一体どうしたんだろうか?


「“2人とも一体どうし――”」

「これは一体全体、どういうこっちゃ~あぁぁ!!」


 俺が文字を書ききる前にマロクがダダダッ!と音を立てながら俺目掛けて走ってきて目前まで来ると首元を掴んだ。く、苦しいんだけど?


「なんで、ボロボロだった教会が新品同然に綺麗になっとんのやあぁぁぁ!?」


 ホコリ1つ落ちておらず、彫像や床は大理石のような輝きを放ち、窓は曇りひとつ無い。ボロボロだった天井や壁も綺麗に修復された教会の中にマロクの大声がむなしく響き渡った。










「本当になんと感謝を伝えれば良いのか…。」


 エッダ神父はかいた汗を拭きながら、最早生まれ変わったと言っても過言ではないぐらい綺麗になった教会を見渡している。俺はと言うと、未だ「説明せぇや~!」と言われながら首を揺すられているところだ。


「お、おぉ!!女神様の像が綺麗に修復されている!…これも女神様のお導きなのでしょうか?」


 軽く女神像の前で祈りの仕草を取ってからエッダ神父は俺達のほうにやって来る。マロクさん?そろそろ首を揺すられ過ぎて、首が痛くなってきたんですけど?


「マロク様、それにイサミ様。本当にお2人には感謝致します。ありがとうございました。」

「…まぁ、気にせんでもいいよ。どうせ、このイサミはんが深く考えずにやった事やろうしな。」

「“失礼な!これでも考えての行動だ!”」

「はんっ!どうせ、ここの問題を解決すればこの犬を連れて行くことが出来るぐらいにしか考えておらんかったのやろ?」


 それのどこに問題があるんだ?と言う顔を作っていると、マロクが溜息をついてから


「ワイは戦闘後しか見てなかったから何とも言えんけど、仮にも祝福されたはずの教会に現れるほどのアンデット達やで?強力な奴らに違いないやろうが!だから街の冒険者ギルドも危険視して避難命令をだしたんや。」

「はい。なんでも、スケルトンの中でも上位種のスケルトン・メイジが現れたらしいのです。…既に何人かの住人や冒険者達の命が失われております。」

「せやから今夜、実力者の冒険者達を集めて討伐するという事になってるはずや。」


 ……マジで?イヤイヤイヤ、まさかそんな。……えぇ~~!?


「ゴールド、いやせめてシルバークラス級の実力者でないなら、こない危険なクエストは放棄するもんや!なのに、イサミはんときたら!1人で突っ込んでいって!下手したら、いや普通は死んでもおかしくないんやで!?」

「“ごめんなさい”」


 俺は文字を見せながら肩を落とす。確かに早計すぎたかもしれない。でも、今回のは俺は知らずに巻き込まれたわけで…


「でもやない!!」


 はい……。



---街中(深夜)---


 俺達は一旦、アルルを依頼人であるミィームちゃんに渡すために街中にやって来ていた。しかし時間としてはすっかり真夜中になってしまったので、今日はアルルを俺達で預かって明日の朝に渡す事になった。


 なので、今は宿の中で俺はベットの上で寛いでいるアルルの背中を撫でているところだ。…後で、毛の掃除しなきゃいかんかな?これ。


「今帰ったで~。…まったく、イサミはんには驚かされてばかりやな。」


 部屋の扉が開いてマロクが入ってきた。何でも、冒険者ギルドに今日教会であった事を掻い摘んで報告してきたらしい。いやぁ、助かるわぁ。俺だと説明できないし。


「“まだ怒ってるか?”」

「そりゃ当然やろ。でも、それはスケルトンに挑んだ事自体やないで?ワイに相談せずに一人で突っ込んだ事に苛立っただけや。」


 マロクは溜息をつきながら、向かいのベットに腰掛けた。


「まぁ、今回の事でイサミはんがかなり強さを持っているって、確信が持てたけどな。」


 そこで眠そうな顔をしていたアルルがふわぁと欠伸をする。マロクに叱られたあの後、怪我していた犬達(2人が来る前に治した)や子犬と子猫たちはエッダ神父の元で預かる事になった。


 だがエッダ神父が言うには養っていくための資金が無いとの事だったので、俺は渋々、本当に渋々とスケルトン・メイジから手に入れた指輪をマロクに渡して、換金してエッダ神父に渡してくれと頼んだ。


 指輪を受け取ったマロクは目を大きく見開いて俺と指輪を交互に見て、「ほ、本気か!?」と言い、エッダ神父はなぜか俺を崇めるように目の前で膝を折って祈りだしたので俺は慌ててやめさせた。


 別に指輪に特に興味は無かったし、お金も現状では、別段欲しいわけでも無いのでぜんぜん構わないんだが…。そんなに俺に善意は似合わないか!?似合わないっていうんだな!?こんちくしょう!


「ギルドには複数のスケルトンを仲間と一緒になんとか始末したと報告しておいたわ。悪いけど、ワイの名前でな。」


 俺は頷いて答える。これも事前に相談していた事だ。スケルトン一体の討伐推奨はシルバークラスかブロンズクラスの上位者となっているらしく、アイアンである俺が複数のスケルトンを圧倒するなんて事は異常との事だ。


 こんな事で目を付けられたくないので、ここはマロクと共に数体のスケルトンを苦戦して倒したとした方が良いとエッダ神父を含めて三人で決めたのだ。


「まぁ何とか信じてもらったわ。エッダ神父が保証人になってくれたのが大きいな。んで、ついでにエルミアさん達が受けている今夜の魔物討伐の件についても聞いてきたで。」


 マロクは立ち上がって窓を開く。窓から少し冷たい潮風が入ってくる。マロクが見ている先は俺達がいた教会の場所付近だ。


「教会が無事解放されたとしても、その周りはまだ魔物がいるだろうからって事で、討伐は計画通り決行されるみたいや。…まぁ、あの2人なら心配いらんやろうけどな。ただ…」

「“ただ?”」

「あの2人でも、スケルトン・メイジが現れたら油断はできん。無事、作戦が上手くいけばいいんやけどな。」

「……。(今さら、「あっ、それもう倒したから心配いらないわ」なんて言えない…。)」


 マロクと俺は2人揃ってそれぞれ違う意味での深い視線を教会があった場所に向けた。そんな中、アルルは寒いんで窓閉めてくんない?と言う視線を向けていた。


( ̄Д ̄)ノ「いやぁ、新しい年がきましたね!今年こそ心機一転狙って…」

イサミ「遅すぎるわあぁ!!」

イサミ→オラァ金剛パンチ!(p゜ロ゜)==p)゜д゜)スミマセンデシタッ!(1/24に投稿)

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