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転生ライフ!オークライフ!?  作者: エケイ
第一章 : 異世界到着
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目が覚めたら太っていました。


『落ち着いたか?』

「は、はい。蛇様はお一人じゃなかったんですね」


 周りにいる蛇はやや違うが大体似たような顔をしているので、全部同じ種族なのだろう。


『いや、確かに複数いるが、我らは初めから一つのみだ』

「一つ…ですか?」


 蛇の一つが首を上げる。途端に俺がいるところを中心に、何もないと思われたところに炎が一定間隔で灯され大きな円を描いていく。次第に周りが明るくなっていき、蛇様のお姿が見えるようになってきた。てっきり、頭と首のような胴体しかないと思っていたら遠くに、小さな山より大きな胴体が見えた。そこから、7つの首が生えておりすべてこちらの向かってきている。俺は、ある神話上の怪物を思いつく。


「八岐大蛇!?」

『ふむ?なんだそれは?』


 俺は、あまりの事実に驚いていると


『頭、こいつどうするんだ?』

『頭よ、久しぶりに肉が食いたいぞ』


 蛇様以外の蛇が俺を見て色々な意見を口にする。


『皆、こ奴に手を出すなよ。こ奴は我の友の一人である』

『…頭がそういうなら』

『めっずらしい事もあったもんだ』

「……」


 俺は少しだけ感動していた。最初は怖がっていたが、話してみると案外良い人…いや蛇で、今は友だと言ってくれた事に純粋に嬉しかった。


『小さき者…、いや友よ。名を聞かせてくれぬか?』

「俺は、勇。山県 勇!」


 俺は、大きな声で応える。


『ならば、イサミよ。一つ頼んでもよいか?』

「ん?なんだい?蛇様?」

『お主の話を聞いて、お主がどう生きていくのか興味がわいた。お主についていってもよいか?久しぶりに地上を見て回りたいしな』

「良いけど、その体じゃ、どうやっても目立っちまうし怖がらせてしまうのでしょう?」

『うむ、そこで頼みごとなんだが、お主の体に宿って世界を見て回りたいと思う。無論、私生活に支障をきたすような真似はしないと約束しよう』

「宿る?」

『そうだ、契約を結んで我はお主の契約獣となろう』


 蛇様がよくわからない事を口にした。


「契約獣?何だそ――」

『正気か!!??頭よ!!』


 蛇様以外の蛇が急に声を上げた。


『無論、正気だ。こ奴なら信頼できる』

『わからぬ!!こ奴はオークだぞ!?人間も気に入らんが、こ奴ら種族は己の為なら平気で他者を貶める奴らだ!!』

『確かに、だがこ奴はただのオークではない。転生してきた別世界の人間だ』

『どちらでも同じ事!信用ならぬ!』

『信用できぬのも仕方ないが、何時までもここにおってもどうしようもあるまい?お主も久しぶりに地上に出たがっていたであろうに』

『それは…』


 蛇様が他の蛇を説得する。他の蛇達が反論していたが次第に蛇様に従うようになっていった。恐らく、反発こそするものの、蛇様と他の蛇たちは仲が良いのであろう。一つの体である以上当然かもしれないが。


『待たせたな。イサミよ』

「いや、それはいいんだけど。結局、契約獣ってなに?」

『そうか、そういえば知らぬのも当然だな。契約獣とは、召喚獣と同じく力を貸すのだが、一時的に力を貸す召喚獣と違い、契約獣は契約の間は常に、主に力を与える事が出来るというものだ。契約内容は様々だ』

「なるほど…。でも、それだけならなんで他の蛇たちが反対したんだ?」

『契約獣は、一度契約を交わし、力を与えるとその力の使用権限が主に移ってしまう為、お主がもし我の力を好き放題にしても、我らにそれを止めることはできなくなるからだ』

「あぁ、納得しました」


 つまり、俺が自分勝手に力を操作されるのが嫌だったわけだ。誰だって良くも知りもしない奴に自分の大切な物を渡そうとはしない。そして、それだけに…


「本当にそれでいいのか?俺としては力を貰えるなら拒む理由は無いけど」

『良い。どちらにせよ。お主が来なければこのまま命尽きるときまでここに眠っていただろうしな。それならば、もう一度地上に、世界を見て回りたいのだ』

『……頭の言うとおりだ。我らも外の世界を見て回りたかったのだ。お主の事はまだ信用していないが、頭の見る目を信じる事とする』

「わかった。なら、一緒に外の世界に行こう!」

『うむ!ならば、早速契約を交わそう。だが、悪いが最初は我だけの力しか与える事が出来ぬ』

「それでもいいけど。一応、なんで?」

『一つは、他の者たちがお主を信用しておらぬ事、もう一つは、過ぎた力を一気に持ってしまうとお主の精神が壊れるかもしれぬ』

「こわっ!!」

『心配いらぬ。先も言ったように初めは力の一部だけを与えるようにしかせぬ。徐々に馴らしていけばよい。』

「了解…。で、どうすればいいんだ?」

『我の鼻先に手のひらを触れよ』


 俺は言われたとおり蛇様の鼻先に触れる。手のひらが少し熱くなったと思うと手が光りだした。しかし、俺はなぜか落ち着いたままで心に響く言葉を紡いだ。まるで、蛇様が言う事が分かっているように。


『「 我ら ここに 契約を結ばん 」』


 簡単な一言、だけどその一言が非常に重い気がした。俺は体の中に何か温かいものが入ってきて、心が包まれる心地よい感覚を味わいながら強烈な眠気が襲ってきた。


 蛇様と他の蛇たちそして胴体が光り輝き徐々に消えていく様を見つつ、俺は意識を……


『あっ、そういえば契約を交わした反動で体型が変わるかも』


 と蛇の一人が呟いているのを聞きながら意識を失った。







「……む?」


 俺は目を覚ました。周りを見るが、蛇様や蛇たちの跡が残っているのみで、その大きな体は見当たらない。


「ホントに俺の体に宿ってるんだな。」


 と感慨深く、自分のでっぷりとした腹を撫でた。


「……??」


 でっぷりした?俺は自分で言うのもあれだが至って基本的な健康体型だったはずだ。決してメタボのような腹はしていない。しかし、目の前にあるものは自分の腹以外なんでもない。


「なんじゃこりゃあああ!?」


 目を覚ましたら、デブになっていました。普通、逆だろ!目が覚めたら美少年になっていました。とかだろ!!顔に触れてみると若干ふっくらしているような気がする。よりオークらしくなってるってどういう事だーー!


 『(済まぬ、体型の変化はどうしようもなかったのだ。その姿は、出来る限り体に負担がかからないようにする為に変化したものだ)』


 心の中に蛇様の声が呟かれる。


「(うわ!!驚いた。)」

『(うむ、驚かせて済まぬ)』


 蛇様の声に驚きつつも、真っ当な説明をされてしまっては、文句も言えなくなった。力を手に入れた代わりに代償を支払うのは当然と言えば当然なので、半ば諦める。


「(さて、体型に関しては後で考えるとして、どうやって出ればいいんだ?)」

『(それについては問題ない)』


 蛇様が呟いた後に、目の前に白い小石が現れる。


『(これに、帰りたい場所を念じるといい。さすれば、帰還する事が出来る)』

「(なにそれ!スッゲー便利な!)」


 俺はとりあえず拠点である池のほとりをイメージする。イメージしていると、周りの景色がグニャリと歪み、気付いた時には池の傍に立っていた。持っていた白い石は砕けてしまった。


 無事地上に戻ってきた事に安堵しながら、次の問題点を思いつき、少し憂鬱になった。そう、地上に戻ってきても、方向音痴の為に森から出る事が出来ない事に気付いたのだ。どうするか考えていると。


『(森から出れなかったのは、我の力のせいだ)』

「え?なにそれ?」


 俺は蛇様から衝撃の事実を教えてもらった。まず、この森は普通の森ではなく、蛇様が力を使って結界を張っており通常は外からこちらに入ることはできないが、もし誤って一度迷い込んだら森から出れないようになってしまう森にしていたそうだ。

 理由としては、大昔に蛇様は静かに眠っていたかったらしく、一度結界を作ってそのまま放置していたそうだ。……なんて迷惑な。だが、ここで出会ったゴブリンどもが弱っている理由が分かった。彼らも経緯は違うが俺と同じくこの森でさまよっていたのだろう。そして、ろくに食料を確保できずに弱っていったというところか。鼻が良くなってよかった。今では完璧にオークっぽくなっちゃったけど。


「(なら、はやく結界を解いてほしいんだけど)」

『(案ずるな。我が地上に出た時点で結界は解かれておる)』

「(そっか。なら行く準備しますか。どこに行けばいい?)」

『(……)』

「(?? 蛇様?)」

『(う、うむ。何分、長い間眠っておったのでな)』


 何か嫌な予感がする…。


「(つまり……?)」

『(今の地上に関して全くわからん!はっはっは!!)』

「(ひきこもりニートか!!)」


 まぁ俺も蛇様の事は馬鹿に出来ないけど。とりあえず、準備してから東に向かうか。


『(イサミ、すまぬ…)』

「(いや、いいよ。ところで、蛇様の名前ってなんていうの?教えてもらってなかったけど?)」

『(わざと教えてなかったわけではない。我には名前は無い。好きに呼ぶが良い)』

「そうなの?うーんならそうだな~」


 ウーンと声を出しながら悩む。


「良し!なら、「ヤシロ様」で」

『(ヤシロ?)』

「そうそう、ヤシロ様!名前の由来とかはない!特に理由なし!」

『(そ、そうか。まぁヤシロでよい。あと呼び捨てで構わん)』

「わかった!これから、よろしくな!ヤシロ!」

『(あぁ)』


 ヤシロ……私の名か……ふふ、良いものだな。



 俺は準備と言っても元々置いてあった少しばかりの食料を持って、そこから歩き出した。今度こそ、森からでる事に少しワクワク四ながら俺は進んだ。



「さって、そんじゃいきますか!」



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