エイプリルフール便乗企画GORIRA
よし、今日も仕事はいい感じに終わったな。
晴れて社会人となった坂道登は、家に帰っても仕事だ。一人暮らしのその家はマンションではあるが、充分な広さだ。たった今仕事は終わり、至福のひと時を過ごしていた。
なんか後ろで物音が……気のせいかな。
……気のせいではなさそうだ。これは地震だ!!
すぐに机の下に入り、揺れが収まるのを待ったが、一行に揺れは止まらず、何かが近付いてくる様でもあった。
「うわっ!!」
ご……ごり……ゴリラだとぉぉぉ!?
家にゴリラがやってきた。ドアを突き破って。どうしよう……
取り敢えずこの家は危ない。逃げなければ!
すぐに家から飛び出し、階段を駆け降りた。3階なので割と近いのが救いだ。しかしどこまでもゴリラは追って来る。壁やガラスを破壊しながら。それはもうゴリラではない。
赤い目をしたゴリラは地面を揺らしながらこちらへ来る。
ゴリラに捕食されて俺は死ぬのか……
そう思い掛けた時、助けでも無く、さらにもう一体のゴリラが空から降ってきた。
外にある道路に降って来たゴリラは俺を見つけるとギロリとこちらを睨んで追ってきた。
どうしようもない……と思ったが、救いの手を思い出した。
高校生の時俺の家はドラゴンの襲撃を受けた。しかし死んだりはしなかった。
確か、「リン」という少女だ。電話番号の紙を渡して去って行った。リンはそのドラゴンより大きなドラゴンを召喚したのだ。今も半分信じてないけれど、凄かった。
携帯の電話帳には「リン」という文字がある。
よし、電話しよう。逃げながらもケータイを耳にかざし、応答を待った。
「もしもし? リンだけど」
「今とてつもなくヤバい」
「どしたの? モグモグ……」
「今何処に居る?」
「駅前のモス」
「今向かう」
電話を切り、駅へ走り出した。
するとまた電話が来る。
「はい?」
「リンだけど、あのゴリラがヤバイの?」
「なんで知ってるんだよ」
「社会人を襲うゴリラ型の兵器らしいよ。どんな攻撃を受けても平気だって。兵器だけに。ウケるわ〜」
「何の兵器だよ」
「分かんないけど、多分異国の兵器じゃない? そのうちゴリラ戦争とかあるかもよ」
「どう対処すればいいんだよ!」
「今都市防衛システムがゴリラ型兵器を倒してるけど私がドラゴンちゃんを召喚す……プチッ」
いちいち言動にムカつくので電話を切ってやった。
モスこと、モスクワバーガーに向かわなければ。そろそろ駅か。後ろにはまだ奴は居る。
あそこにリンは居るのか。
ん? 誰かが俺に訴え掛けている?
「君! そのゴリラを誘導してくれ! 都市防衛システムが来るから!」
「うっせえジジイ!」
俺は捨て台詞を決め、モスへと入った。
あ、マズイ。気付いた時には遅かった。店内は一瞬で粉々に吹き飛んだ。
「リン!」
「何やってるんですか!! ピクルスが……」
「早く召喚を!!」
「後でピクルスくれますか?」
「何でもやるから早く!!」
「本当ですか?」
「早くしろ!!!!!」
リンは両手を組んで、何かを呟いた。
その時前から何かが飛んで来た。あれは……ミサイルだ! 都市防衛システムだ。
ただミサイルの後ろにはまたも何かが。ああ、ドラゴンですか。
いや、ゴリラも負けてはいない。何と目前にまで迫っていたミサイルを食べた。
これはドラゴンVSゴリラVS都市防衛システムだ。
ミサイルがどれだけこようともゴリラはそれを食べ、食事中にドラゴンがチクチクと攻撃を与える事15分……
「ああ、私リンの魔力はもうすぐ尽きます」
「もう少し耐えてくれ!」
「ぴ……ピクルスが無いと……」
「今取ってくるぞ!」
俺はミサイルやゴリラやドラゴンが行き交う中ピクルスを取りにスーパーへ駆け込んだ。
しかし店内は荒らされ、ピクルスどころか食料があるかも怪しい。
……あっ! マックならあるかも!
俺はマック駅前店まで走った。マックはマクトナルトというハンバーガーが美味しい店だ。
さほど店内は被害を受けていない。
「店員さん! ありったけのピクルスを下さい!!」
「お金は?」
この後に及んで金かよ!
「後で出すんで早くして下さい!」
店員さんは変な顔をしながら奥へと行き、すぐに瓶詰めにされたピクルスを用意した。
「ありがとうございます!」
すぐにモスへと向かう。もうリンの顔は青ざめている。
「ぴ……く……ピクルス……」
「ほれ、ピクルスだ!」
「ありがとう」
両手いっぱいにピクルスを掴んで高速で食いだした。
「本当にモグモグ……ありモグモグ……がとうモグモグ……」
リンの顔は戻り、さっきのように手を組んだ。
さすがにゴリラはミサイル食べ過ぎで倒れていた。しかしいい感じにミサイルを除けて一向に当たる気配がしない。
「リン、ドラゴンでやっちまえ!」
「はい! ピクルスパワー!!!!!」
ゴリラ兵器はその業火に燃やされた。
これで一件落着か。
しかし、そんな事でこの戦いは終わるはずが無かった。
感想あればどうぞ。
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とか何でも良いですし、一言のみでも大丈夫です。
本当馬鹿げた作品でした(ー ー;)