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  作者: よしき
1/3

その1



最初の何度かは違う人間の手によるものだった。

でも今は、マシキがその扉を開けてくれる。

白い部屋。

ベットと鉄格子の窓。

一日数回の食事と訓練。

連れてこられて、もう3ヶ月。

私には空とこの部屋しか行く事が出来ない。

帰りたくて泣いた夜もあった。

何も感じない心を抱えた事も。

でも、そよ風のようにマシキは私の心を動かした。

それだけで私は生きていこうと思えるようになった。

ブラシア国の実験施設。

ここにマシキがいる。

今日も空を飛ぶ。

飛風とマシキと私。

マシキがいつものように私の名前を呼ぶ。

「おいで、ヤナ」と。












『 扉 』












森は海を唄い


海は森を唄う


小鳥は空に帰り


魚は水に帰る



心は全てを超える


私は貴方のもとへ帰る


貴方が翼をくれたから


貴方がそこにいるから









青い空の見える裏庭。

唄い終えた私に、マシキは拍手をしてくれる。

マシキの話し。

私の歌。

時々こうやって穏やかな時間を過ごす。

「開発ナンバーSX11、コードネーム「飛風」開発副主任及びテストパイロット」。

それがマシキ。

そして「飛風生体原動力、シエナ族協力戦闘員」

それが、私のここで与えられた全て。

それ以外には何もない。

だから私達はここでの時間を大切にする。

たとえそれがつかの間の平穏でも。




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