表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平凡志望なのにスキル【一日一回ガチャ】がSSS級アイテムばかり排出するせいで、学園最強のクール美少女に勘違いされて溺愛される日々が始まった  作者: 久遠翠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/16

第12話「ガチャが繋ぐ、騒がしい日常」

 学校地下のダンジョンは、ガーディアンの消滅と共に完全に崩壊した。

 学校は数日間の休校となったが、すぐに元の姿を取り戻した。


 俺の規格外の力と月島家の呪いの話は、当然、探索者協会上層部の知るところとなった。

 本来なら俺は重要監視対象として、自由を奪われていたかもしれない。


 しかし、そこは名門・月島家の力。

 呪いから解放された凛の父親が協会に強力な働きかけをしてくれたおかげで、俺の秘密は守られ、これまで通りの学園生活を送ることが許された。

 表向きは「S級探索者・月島凛とその協力者たちによってダンジョンは攻略された」ということになっている。


 ――そう、平穏な学園生活。俺が心の底から望んでいた、それ。

 だが、俺の日常は以前とは少し、いや、かなり違ったものになっていた。


「湊、おはよう。はい、これ、今朝焼いたクッキー。あなたの好きな、チョコチップ入りよ」


「あ、湊くん、おはよう! 今日のお弁当は湊くんの大好物の唐揚げ、いっぱい入れといたからね!」


 朝、教室の自分の席に着いた瞬間、左右から美しい少女たちの挟み撃ちにあう。

 右には、クールな仮面を完全に脱ぎ捨て、愛情表現がストレートすぎる元・高嶺の花、月島凛。

 左には、幼馴染というアドバンテージを最大限に活かし、物理的な距離を詰めてくる世話焼きヒーラー、日向陽菜。


「…お、おう。二人とも、ありがとう」


 クラスメイトたちの「神谷、お前いつの間に両手に花を…」「爆発しろ」という羨望と嫉妬の視線が背中に突き刺さって痛い。

 もう、空気のように過ごすなんて不可能だった。


「湊、今日の放課後、空いてる? 新しいカフェができたから、一緒に行かない?」


「だめだよ月島さん! 今日は湊くんと、この前見つけた可愛い雑貨屋さんに行く約束してるんだから!」


「そんな約束、私は聞いていないわ。第一、湊は甘いものの方が好きよ」


「むー! 湊くんは可愛いものだって好きなの!」


 俺を中心に、二人がバチバチと火花を散らす。これが、俺の新しい日常。

 平凡を望んだはずの俺の毎日は、二人の積極的すぎるヒロインによって、とてつもなく甘く、そして騒がしい日々に変わってしまっていた。


「はぁ……」


 思わずため息をつくと、二人が同時に「どうしたの、くん!?」「どこか具合でも悪い!?」と顔を覗き込んでくる。

 距離が近い。めちゃくちゃ近い。


 俺はもう、諦めたように笑うしかなかった。

 確かにこれは俺が望んだ平穏とは違う。

 でも、こんな毎日も、まあ、悪くはない。

 いや、むしろ――。


 最高に、幸せなのかもしれない。


 騒がしい教室の真ん中で、俺はそんなことを考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ