表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

うろこ雲

作者: タマネギ

夜には寒いくらいに

なっていた。

寒冷前線の通過。

境界線を越えていた。


しのぎやすくなり、

眠りやすくなり、

エアコンをつけなくても

そっと過ごせる。


もう九月も終わり。

仕事の締め切りと、

畑作業の芋掘りが

近づいている。


ありがたや、ありがたや。

今日も一日ありがたや。

そう自然に思えたら、

一番の、自分になる。



今年もだいたいは

いつも通りの秋で、

寝込むこともなく、

ありがたい話となる。


そんなときの感情が、

しばしばこぼれると、

身の回りにもそれに

相応しい出来事が起こる。


もう十月の始り。

年末の段取りと

冬野菜の植え付けを

終わらせてゆく。


ありがたや、ありがたや。

今日も世界へありがたや。

そう信じて眠れたら、

一番の、人生になる。



この時代のこの国で

生きているそれこそが、

ありがたや、ありがたや。

夢の中でも口にした。


朝には水色の空が

目に優しく広がった。

心地よく冷えた風、

うろこ雲が散らばる。


そろそろ、笑っている。

そろそろ、歌っている。

寒いあの国の人も、

暑いあの国の人も。


ありがたや、ありがたや。

今日も誰かがありがたや。

そう思わず叫んだら、

一番の、地球になる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ