雨上がりの朝に
今日はオトナなしろかえでです!(^^)!
不毛で1mmも進展しない話し合いは夫の捨て台詞で終わり、私は独りリビングに……いや、建材のニオイが真新しさを主張する家に取り残された。
「新しい酒は新しい革袋に盛るもんだ!」
この家から私を追い出し、不倫相手の若いオンナと一緒になりたい夫は……きっと私の信仰を揶揄してマタイ伝の言葉を口にしたのだろう!
なんと卑劣で許せない事か!!
窓に打ち付ける雨音がしんとしたリビングに響く。
雨は激しさを増して来た様だ。
「傘を持って出たのかしら」
一瞬、夫の事を心配したが、どうせクルマでオンナのマンションへ行ったのだろう。
夫に叩き起こされるオンナもいい迷惑だろうが私が気に病む事では無い。
私もただほんの少し……新婚の頃を思い出しただけだ。
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思いの外すんなりと眠りについた私はいつもの時間に目覚めた。
着替えを済ませ洗濯機を覗くと夫の物は無い。
と言う事は……オンナのマンションに、ある程度の着替えは置いてあると言う事か。
ああ、それで合点がいった。
同じメーカーの下着のくたびれ具合が妙に違っていた理由が……
姑息な夫は、ウチで買ったのと同じメーカーの下着をオンナのマンションに置いていて、随時着替えていたに違いない。
この分だとオンナはウチと同じ洗剤や柔軟剤を使い、ウチと同じボディソープを使っている……
ああ!!
笑っちゃうほど気持ち悪い!!
そうまでして執着する魅力が夫に有ると言うのか?
それとも、そこそこ様子のいい新居を自分の城にしたいのか?
今、頭の中でオンナに問うた事は、そっくり私にも当てはまる。
子供の居ない私にも……
きっとオンナも私も
“意地”と言う“根っこ”を
抱え込んでしまっている……
レースのカーテンから陽射しが洩れ差しているので、私は竿を拭く雑巾と洗濯カゴを抱えて庭に出た。
昨日までの灼熱に沸いた空気は雨に流され、頬に当たる風は涼やかだ。
拭き清めた竿に独り寝のシーツを延ばし掛け、夫のワイシャツは両肩を掴んで思いっ切り振りさばいた。
見上げた空を赤とんぼが横切り、近所の外飼いネコが用心深くこちらを見る。
ああ、世界はこんなにも動いているのに!!
私はなぜ立ち止まっているのだろう?
子供の事だって……
原因は夫の側だ。
“消去法”で分かってしまった。
今年33歳になる私には
もう“タイムリミット”が近い!
この胸に腕に
我が子を抱く事も夢の一つだったのに!!
きっとまた
もうじき
太陽がギラギラになって空気を沸かし
この庭にも1秒だって居たくはなくなってしまうのだろうけど……
今、この瞬間は
力尽きて横たわっている
シースルーのネグリジェを纏ったみたいなミンミンゼミの為に
お墓を掘ろうと思う。
それは遠くない未来に訪れる……
私の気持ちの棄て場所なのかもしれないから。
今朝、外を歩いていて……朝の空気を書いてみたくなって書きました(#^.^#)
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