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転生概念における願望空想論  作者: coll
ニライカナイ編
90/91

時の変遷

投稿が少しばかり遅れました申し訳ないです!

それと、タイトルを「JKになりたかった俺、異世界に行くが願い叶わずロリになる。」から「転生概念における願望空想論」へ変更させて頂きました。

個人的理由ではありますが、前タイトルは自分の中で仮タイトルとしてあげていたので、これが正式タイトルとなります。90話も経ちながらタイトル変更して申し訳ないです...!!


転生願望豆知識27

ソロモンが扱う五大魔法及び希少魔法は全て神聖魔法に至っている上に、自身の魔法の研究を怠っていないため、神聖魔法の中でも最上位に位置している。

「アマテラスさんのこと知ってるんですか?」


ソロモンがした反応を見て、リノアは率直な質問をする。


「もちろん知っているよ。昔、主達に会ったことがあるからね」


「やっぱそうだよね!さっきの反応的にそうだと思ったもん!」


その返事に皆納得する。聖戦よりも遥かに前から生きているのであれば、主と会ったことがある可能性があると仮定するのは変では無い。


「あれから時が経ったって感じがするね...。ボクが主達に助力を願った時は何も貰えなかったからね」


「そうなんですか!?」


ソロモンからそんな過去を知らされ、カラ達一同は驚愕する。そんな素振りなど一切見せなかった主達にと。


「十数万年前はそうだったよ。主達は人間という種族に対してかなり冷めていた。勿論守るところは守っていたけど、今ほど協力的じゃなかったって事」


「あまりそうは思わなかったな...。それこそマズダーさんとかは優しかったし...」


カラが主達と会った頃を思い出し、中には優しい主もいるということを言うと、ソロモンは何かに違和感を抱く。


「マズダー...?そんな主...。あぁ新しい主か」


「あ、新しい主...?」


〝え、主って新しく選ばれていくものなんですか...?〟


リノアの当然の疑問にカラ達は納得する。すると、ソロモンは一拍置いた後に、この世界の主のシステムについて話し始める。


「んーと、主という存在は神の上位存在として君臨していて、神はその国を守るのに対して、主は種族や世界そのものと言ったさらに大きい括りを守る存在になる」


「確か神が主に選ばれるには、何か突出した力がないとなれないんじゃったな」


〝マズダーさんは力は弱いけど、技術で主になったって言ってましたし...!〟


ソロモンの話を聞いて、アヴァロンやシフィは主になれる条件を思い出す。


「そうだね、ただ力が強ければなれるという訳ではない。ありとあらゆる面で厳しく審査されるからね。でも、だからこそたった2人の悪魔であそこまでの被害に陥る」


「...もしかして、ルシファーとアザゼルが襲ってきたのを知ってたんですか!?」


「もちろん。ボクはその未来すら予言していたからね」


冷徹な目を見せるソロモン。リノアたちはほんなソロモンを見て分かりやすく驚くが、アヴァロンとクゥロは何となく理解した表情を見せる。


「...どうやら、キミ達はボクの内情を察してくれたみたいだね」


「え...?」


苦笑いをしながらそういうソロモン。そんな3人の表情を見たカラは、おそらく触れるような内容では無いとだけ理解する。


「とりあえず、一旦ここから離れようか。水の反射で眩しいや」


にへら笑いでそう言うと、顔を俯かせながらその場から離れ、カラ達もそんなソロモンに無言でついて行く。


「なんだ。ここから離れるのか」


「ッ!?」


カラ達は咄嗟に後ろへと離れる。そこにいたのはラフな体勢で座っている謎の男性。


「...キミ、誰かな?」


明るい声ながらも、ソロモンが放つ声色からは警戒心が滲み出ているのが分かる。


「私の名前などどうでも良いだろう。魔法帝」


重くドスの効いた声で、ソロモンと話すその人からは、人とは思えないような威圧感を解き放っており、その異常な威圧感からか、辺り一帯の空気がピリッとした物へと一瞬で変化する。


「魔法帝...。その2つ名を知ってるのは聖戦前から生きてないと知らないけど...。もしかしてキミ、悪魔か何かかな?」


ソロモンの声色が明確な殺意を持つ物へ変化する。その瞬間、本能が恐怖を抱いたのか、向けられた訳でも無い殺意だけで身体中の血の気が一気に引くカラ達。


「......私の事、覚えてないのか。あの戦いの時、私はお前と戦った記憶があるのだが...」


「さぁ、知らないね。あの時の悪魔なんて、だいたいみんな同じ強さだったけど...。誰だろ」


ソロモンは目の前の悪魔ではあろう存在の発言を、鼻で笑いながらもぶった切る。しかしその悪魔は言い返さずに顔を俯かせる。


「私は七大悪魔が1人、『暴食』ベルゼブブと言うもの」


(やっぱり七大悪魔...!!)


カラ達は心の中で騒然とする。目の前の悪魔は予想通り七大悪魔の一人であった。しかしその悪魔は他の悪魔と少し様子が違っていた。


「...で?悪魔がボク達になんか話でもあるの?」


悪魔が名乗り終えると、冷めたくベルゼブブに問いかける。その声には未だ殺意が籠ったままだ。


「少し、貴様ら...。いや、転生者一行である子供達に助力を願いに来た」


「助力...?何言ってるの?」


頭でもおかしくなったのか?とでも思ったような表情でベルゼブブの言葉を疑うソロモン。しかしそれはカラ達も同じだった。今まで敵だった悪魔が助けを求めている。それにその助けを求めているのは七大悪魔。そんな悪魔にリノアたちが困惑している中、カラは声をあげる。


「話だけ聞く。もしそれがお前の嘘偽りない本心だと言うのなら、協力してやってもいい。だが、お前は悪魔だ。例え協力するとなっても常にお前を敵として警戒し続ける」


「...あぁ、それで構わない」


その覚悟の染まった言葉を聞いたベルゼブブは目を閉じ、一呼吸を置く。そして、何故転生者であるカラ達に助けて欲しいのかという理由を語り始める。


「我々七大悪魔は、聖戦時にこの魔法使い、ソロモンと出会い、一度敗北した。そしてその時此奴の手によって我々は封印された」


「それからどれ程の年月が経ったのか分からないが、我々はロキによって封印が解かれ、その契約としてロキの配下に着くことになったのだ」


「...ふむ。妾達が聞いた話と一致しておるな」


アヴァロンは小さく言うと、シフィやルヴラもそれに反応するように頷く。


「元々、私はロキの下に着くことは拒否していた。気味の悪い奴だったからな。だが、最近の彼奴は転生者(お前)に夢中で他を疎かにし、終いには七大悪魔の死すら追悼しなかった」


ベルゼブブが話していると、ロキへの怒りの影響か、ベルゼブブの周りに魔のオーラが滲み出始める。


「我々七大悪魔は忌み嫌いはせど、死ねば追悼程度はする。一応彼奴らも私と同じ種族だからな。ただ...」


「お、落ち着いてください...ベルゼブブ。わたくしやカラ様、アヴァロン様などは魔障に耐性がありますが、ルヴラには耐性がありませんので、どうか...」


一瞬収まっていたオーラが、怒りによって再び出ようとした時、リノアがベルゼブブを諌める。事実ルヴラは魔法が使えない為、魔障耐性が無い。すると、ベルゼブブのオーラは消えていき、ベルゼブブはルヴラの方を向くと、頭を下げる。


「......確かに怒りに支配され、己を律せ無かった...。すまない。協力を願う身でありながら迷惑をかけてしまったな」


そんな光景に動揺するカラ達。七大悪魔が頭を下げるところなど想像もしなかったからだ。そしてその光景に1番驚いていたのはソロモンだった。


(驚いた...。まさか魔族が人間に頭を下げる日が来るなんてね......。本当に時の流れってのは...)


「...ベルゼブブ」


カラがそう話しかけると、ベルゼブブは頭を上げ、カラの方を見つめる。


「これは貴方を信頼しているからじゃない。ロキという存在を倒す為...」


「だから貴方との契約としてではなく、利害の一致として貴方との協力関係を結ぶ」


一息はいた後に威勢の良い声でベルゼブブとの協力を結ぶことを決意するカラ。その言葉に仲間達は否定しなかった。カラが望むのならとただ無言で2人を見つめる。


「分かっている。私は悪魔、子供達は人間。本来交差せぬもの。協力なんて以ての外だ...。だがこれは例外。同じ忌むべき存在を倒すだけの一時的なものだ」


「じゃあ、まずロキについてを教えて欲しい。なにか有効打があれば勝てる可能性は上がるし」


クゥロはそうやってベルゼブブに言うが、ベルゼブブは腕を組むと、唸り声を発し、眉をしかめる。どうやら、なにか悩んでいる様子。


「どうかしたの?」


「実の所、傍で見ている私でも彼奴の力は底が知れん...。理解が出来ないのだ彼奴の力は」


ベルゼブブのその言葉に、カラ達はただ頷く。まだ推定ではあるものの、ロキの力は逆理だと仮定すれば、そんな常識外れの存在を理解できるはずもない。


「所謂、世界の理にそぐわぬ法則の力を持っているのは違いないのだが...。どうもそれだけではないように感じてな」


その発言を聞き、カラ達は困惑する。まさかロキは別の力を保有しているのか!?と。それもそのはず。ベルゼブブの言った通りならば、ロキの脅威は想定を遥かに超えていることになる。


「何故そう思ったんじゃ?妾達は逆理だとは理解したが、それ以外の力の気配など全然感じぬかったぞ?」


「逆理を使うにしても、世界がその逆理に馴染みすぎているのだ」


アヴァロンのそんな問いにベルゼブブはそう答える。その言葉の節々に、以前から思っているであろう違和感のようなものが乗っているのを感じる。


「...そうか......。そう言えばそうだ。何故気づかなかったんだ...!!」


ソロモンはベルゼブブの話を聞いて何かに気付くが、リノア達はイマイチ理解しておらず、困惑の表情を見せる。


「えっと、つまり...逆理は世界にとって異物となるもので、本来起こりえないことだから世界に亀裂が生じ、ボクたちには理解も対処も出来ない現象が起こるはずなんだよね。でも、ロキの逆理にはそれが存在しない」


「そう言えばその通りだ...。何故か最初からその前提を無いものにしてた...」


ソロモンの説明のおかげで、カラ達はそれがどういう事なのかと言うことを理解する。


「...ふむ、ならばロキは何かしらの力によって逆理の発動で起こる現象を世界に馴染ませ、矛盾を無くしていると?」


「その通りになるね...」


「逆理を起こして世界にとっての矛盾を無くすなんて、そんなの並の力じゃ不可能ですよね...?」


リノアの発言を聞き、カラ達は沈黙する。魔法体系に収まっているとはいえ、逆理という現象を抑え込む程の謎の力。それは対抗する手段が無いに等しいことを表していた。


〝ほ、本当にロキを倒せるのでしょうか...〟


「...分からない。とてつもない難題だ...。でも、今考えたって意味が無いでしょ!だって今すべきことはシフィたんのファイキュリアなんだから!」


そうやって絶望して暗くなった空気をぶち壊すルヴラ。そんな彼女を見て皆に笑顔が戻る。


(なるほど...。この子達はこんなに幼いながらも各々が支え合って、ここまで辿り着いてるのか...。歳不相応に強靭な子達だ。もしかしたらこの子達なら...)


笑顔に溢れたカラ達を見つめながら、未来の希望を抱くソロモン。その表情にはカラ達になら賭けられると言った覚悟や、決心が浮かんでいた。



もしかしてだけど、ベルゼブブって他の悪魔のことそこまで嫌いじゃないの?


「心底嫌いならばとっくに七大悪魔の座をおりている。降りていない今の段階を見れば分かるだろう」


へぇ〜!そうなんだ...。つまり、家族みたいな感じ?喧嘩とかはするけど〜みたいな。


「...似たような関係性で言うなら確かにそうかもしれないな。なんだかんだ憎めんやつなのだ」


なるほどね。君たちの関係性についてしれたよ!ありがとうね!


「いや、別に大したことは言ってないので大丈夫だ」


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