唐突の出会い
ティル・ナ・ノーグ編が終わり、ニライカナイ編へ到達でございます!!まだどのような物語にするか、ちゃんとは決まってませんが、楽しみにしておいて下さい!私も楽しみです!!
いせロリ豆知識23
メタトロンの睡眠時間は平均23時間20分で、40分の中にはただボーッとしている時間もある。
「もうお別れ...ですか......」
「もうちょっと居てよーぅ」
カラ達がティル・ナ・ノーグから去るのを知り、妖精王たちは見送りに来たが、ローレライが寂しそうにクゥロにしがみつく。
「ローレライ、我儘を言わないでください。カラさん達も魔王を倒すという目的があるのですから仕方の無いことです」
「ぷぅ」
優しく諭され、少し納得が行かない様子だが、リャナンシーが言うならと仕方なく飲み込む事にしたローレライ。
「やっぱり、なんだかんだナックラヴィーさんも来てくれたんですね」
「......此奴らに言われてきただけダ。どうしてもってナ」
少し遠めに居るナックラヴィーを見つけ、すぐさま話しかけると、一瞬で不機嫌な表情になり、そっぽを向く。
「それでもありがとうございます。来てくれただけで嬉しいですよ」
そんなナックラヴィーを見て、素直じゃないなぁと思い、クゥロは思わず笑ってしまう。
「...チッ。テメェのその顔、あの記憶バカを浮かんでくるから止めてくれ」
──あら?私の事を思い出してくれてる!嬉しい...!
〈あの、母様。嬉しいのは分かるけど今脳内で出てこないで。話がこんがらがるから〉
ナックラヴィーの言葉を聞き、脳内のヴィルジナルが嬉しそうにするが、クゥロは冷徹に反応する。
「本当に、ヴィルに似てる。ヴィルに似て綺麗で可愛い」
頬を優しく撫でながら、ローレライは懐かしむようにクゥロを見つめる。
「妖精王の方々、今までお世話になりました」
「いえいえ。私達の方こそ、この国を救ってくれた事に感謝です」
カラが代表して小さく頭を下げると、リャナンシーは自分たちの方こそと丁寧に頭を下げる。
「...それじゃあお互い様ってことで」
「そうはさせねェ。様々な意味で俺様達の方が多く助けられたんダ。いつかこの借りは返すからナ」
カラがそう提案するも、相変わらずの不機嫌そうな表情でナックラヴィーはその提案を拒否する。
「ナックラヴィーさんが言うならそうしておきます...。それに妖精王さん達に貸しがあるのは大きいし受け取っときますねっ」
「へっ...。可愛くねぇガキだナ」
カラの言葉を聞き、相変わらずナックラヴィーの表情は変わらなかったが、その声色は少しだけ嬉しさが混じっているような気がした。
「じゃあ行こうか」
眠そうなメタトロンはもうとっくにワープゲートを開いている。カラ達はそのゲートを次々と通って行き、最後の1人が通り終わるとその空間は何も無かったように閉じる。
「行ってしまいましたね」
「ケッ、最後まで生意気なガキ共ダ。まァ、この国をまた動かしてくれた事だけは感謝だガ」
「んふふ。そーだね」
カラ達が去った後、ちゃんと褒めるところは褒めるナックラヴィーを見て、昔から変わらないなぁと思った2人は、思わず笑みが零れる。
「また会えたらいいな...」
「会えますよ。きっと」
寂しそうに顔を俯かせるローレライの頭を優しく撫でながら、リャナンシーは再会の願いを呟く。
「にらいかないのちかくについたよ〜...」
空間の先へと辿り着くと、そこはティル・ナ・ノーグとは毛色の違った幻想世界で、少し遠くの方で、リノア達がその光景を見て大はしゃぎしている様子。
「ありがとうねメタトロン。それとごめんね便利道具扱いして...」
「んーん。これがめたのしめーだからだいじょーぶ〜...」
2回程ただの移動だけに使ってしまった事を謝るが、メタトロンはそう言う使命だからとカラの謝罪を受け取らず、再びその場から消える。
〝メタトロンさん、カラさんの為なら何でも言う事を聞きそうですよね...〟
「んー...そうかな?でも懐いてくれるのはカラとしても嬉しいよ」
「わ、わたくしだって懐いてますよね!?」
微笑みながら言うカラを見て、何かに嫉妬したのかリノアはいきなり抵抗し始める。
「う、うん...。1番分かりやすく懐いてくれてるよ......?」
そんなリノアにかなり困惑しながらも頭を撫で、優しく宥めるカラ。
「...急に怖いよ、リノア」
「仕方ないよ。リノアちゃんはメタちゃんに嫉妬しちゃったんだから」
リノアの感情の激しさに若干恐怖するクゥロと、分かる分かると同情するルヴラ。そんな二人を見て恥ずかしさが滲み出てきたのか、リノアは顔が赤くなっていく。
〝あの蝶々...綺麗ですね〟
シフィが見つめる方向を見ると、確かにそこには、太陽光によってか少し輝きながら舞う美しい蝶がいた。
「ほんとだ...。なんの蝶だろ」
「追いかけてみよーっ!!」
「え!?」
ルヴラの何を刺激したのか、突然蝶を追いかけ始めたので、他のみんなもルヴラの後を追うように蝶を追いかける。
「ニライカナイに来たは良いのですが、この国で何するのですか?」
「さぁ...。ファイキュリアのヒントになる様なものとか本当にあれば良いけど...」
走りながらこの国に来た目的がこれと言ってないという事に悩むカラ達。すると、突然ルヴラは停止する。
「...ん?どうしたの?ルヴラ。いきなり止まって」
「あそこ...」
ルヴラが指差す方には、先程の仄かに光る蝶が、キラキラと輝く砂浜にポツンと佇むフードを被った人へと飛んでいくのが見える。
「あの人は...?」
カラ達は蝶に誘われるまま、そのフードを被った人の方へと近づく。
「あの......」
「ようやく会えたね...」
カラが話しかけた瞬間、目の前の人は突拍子もない一言を告げ、一同は困惑する。
「アヴァロン。君とは1度かあったことがあるはずだよ」
「妾と...?」
そう言われ、アヴァロンは一生懸命に自身の記憶を辿る。そんな様子を見てガッカリしたのか、アヴァロンは小さくため息を吐いた後カラ達の方を向きフードを外す。すると、その顔を見てアヴァロンは目を大きく開く。
「お、お主は...!!」
「君たちとは一応初めましてかな。一方的にこっちが知ってるだけだからね」
白と黒で織り成された髪色、片目は髪で隠れているが、もう片方は白黒のダイクロイックアイ。その特徴的すぎる姿を見て忘れるなどあるはずもなかった。
「エルドラドで出会った謎の魔法使い!!」
カラ達はずっこけ、カラはこの展開で名前知らんのかいと脳内でツッコむ。
「あっはは!!そういえば名前を名乗ってなかったね!ボクの名前はソロモン。多分だけど名前自体は聞いたことあるはずだよね?」
「ソ、ソロモン...!?」
余裕で聞いたことのある名前が目の前の人から出て一同驚愕する。
「そんなに驚いてくれるのか!あははっ、嬉しい限りだよ!」
「い、いや聞いたことがあるも何も、貴方って超重要人物ですよね......?」
過去一番の動揺しながらリノアはそう訊ねると、少々困惑した様子でソロモンは笑い
「そうなんだよね...。自分の好きなことをしてたら、いつの間にかとんでもない事になっちゃったんだ」
「ソロモン...だったのか。お主......」
あからさまに驚いている様子のアヴァロン。約1800年前に出会った謎の少女が、預言者ソロモンだったという事実は、やはり長生きしているアヴァロンにも衝撃を与える程の様だ。
「前に会った時名乗れ無くてごめんね。あの時は色々事情があってね...仕方が無かったんだ」
「お主程の重要人ならば無理もない...。それに妾はそこまでお主を責めたりはせぬわ...」
アヴァロンの様子を見て、少し違和感を抱くカラ。驚いているのはもちろんなのだが、そこに何か別の感情が混じっている様な、そんな雰囲気を感じ取る。
(これは...恐怖?いや、尊敬に近いか...?それもそうか、何処の話にもほぼ必ず出てくる名前で、その本人は伝説級の魔法使い。アヴァロンがこんな反応になるのも無理はないか...)
神や主と寸分違わない程のビッグネーム。そうなるのも無理はないとアヴァロンの気持ちをカラは理解する。何故なら、そこまで知らないカラですら、目の前の人物が只者では無いと本能が知らせているのだ。
「ここに来たということは、多分あの子達から聞いたのかな?」
「あの子達...?」
「あの子達はあの子達だよ。ほら、ボクの弟子のリャナンシーちゃん達」
カラはそういえばそうだったと思い出す。ムシュフシュからソロモンが妖精王達の師匠だと言うことを。
「そういえば妖精王さん達がソロモンの弟子ということを忘れていました...。と言うか、そんな少女のような見た目で妖精王さん達より歳上なの頭がバグります......」
「この見た目でアヴァロンより歳上...。この世界の平均年齢ヤバすぎない?」
「一応超長命種は世界的に見て少ない方なんじゃがな......」
これまで出会ってきた種族があまりにも異質すぎるので、カラが思ったことを言うと、アヴァロンは超長命種に出会い続けているという変な確率に戸惑う。
「ところであの子達はどうだった?元気にしてたかな?」
「そりゃあもちろん元気でしたよ」
ソロモンの問いにそう答えると、嬉しそうな顔をして頷く。
「あ、そういえば。ムシュフシュさんからソロモンさんに伝えて欲しい事があったんだった...」
「ん?なんだい?」
「確か『言ってたことが今になってわかった』だったはずです」
カラの口から聞いたムシュフシュの言葉に、ソロモンは何かを思ったのか表情が固まる。
「...そうか......。やっぱりあの子は...。ありがとう。いつかムシュを叱らないとな...」
「もしかして、ムシュフシュさんが何か悪事をしてしまうのを予知して、止めたのですか?」
リノアの質問に乾いた笑いが出る。どうやら当たってた様子。
「まぁそんなところだね...」
「そういえば思ったんですけど、ソロモンさんってどういった方法で預言してるのですが?」
クゥロからの質問に少し沈黙するソロモン。どうやら言いづらい理由でもある様にみえる。すると、自分の中で納得したのか、普通に話し始める。
「ボクは魔流感知で未来を予知してるんだ」
「ま、魔流感知で!?」
「どうやって......」
カラ以外の皆がざわつき始める。しかしカラは何が皆を驚かせているのか分からず、首を傾げる。
「魔流感知って、魔法陣を開かなきゃ不可能では...」
「あー、えっと実はボク、特殊体質でね。魔導陣を使わずに出来るんだよね...」
「え...!?」
一同、再び驚愕する。魔法陣を使わずに魔流感知が出来る存在いるという事実に。
「というより、魔流感知は元々体質の物で、この体質じゃない人は不可能だったんだけど、長年魔導研究をし続け、本来体質の物だった魔流感知が、魔導陣を介して使用可能にすることに成功させたんだ」
「...つまり、元々魔流感知は特異体質の人のみしか使えなかったのですか......?」
クゥロはソロモンの言葉に、信じられないと言った表情で質問をする。
「そうなんだ。けれど、ボクが魔導を研究していくにつれ、魔流感知自体が割と必要になってくる場面が多くてね。この先、魔導を人々が使える様にするには、コレを実用化させなければと研究した」
ソロモンは自身の手のひらの上に、小さな魔法陣を展開させる。しかし、その魔法陣は今まで見たどの魔法陣とも違う紋様で織り成されており、その特殊な魔法陣に興味津々で見つめるリノア達。
「その結果、魔導陣によって魔流感知が出来る事が分かり、全ての魔導で魔流感知が使えるようにと魔流感知の構造を基本的な魔導陣に組み込んだんだ」
「つまり、ソロモンさんは魔流感知を使えない人のために基礎魔法に組み込んだって事でいいですか...?」
「要約するとそうだね」
やってる事のスケールが違いすぎたのか、絶句するリノア達。その異次元さは魔法をよく知らないカラでも理解していた。本来一部の人しか使えなかった物を魔法が扱える者全員が使えるように変える。これは偉業以外の何物でもない。
「あ、あなたただの偉人じゃないですか...」
「あはは。褒めてくれてありがとう。嬉しいよ」
そう言って彼女は少し恥ずかしそうに笑う。
「やぁやぁこんにちは。ソロモンだよー」
まさかここに来て超大物ソロモンさんが現れるとは...
「そんな大袈裟な。でもありがとう」
ソロモンさんといえばやっぱり世界終末録ですよね
「やっぱりそうだよね。でも内容については何も言えないかな。それ以外も」
え!?そんなぁ...。じゃあ何か一つだけ秘密教えてください!!
「じゃあ一つだけ...。」
「実はボクは」
ソロモンさんは...?
「自分の身の回りの事が何も出来ないよ!」
つ、つまりズボラって事!?
「えへ」




