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転生概念における願望空想論  作者: coll
ティル・ナ・ノーグ編
78/91

追憶

ティル・ナ・ノーグ編、やっぱり好きです。ここからまた更に話が変わってくるのかもしれないという展開が良いですね。


いせロリ豆知識⑯

神聖魔法も上と下で差がある。


神聖魔法だからといって全員に勝てるわけでも無ければ、使用者の技量によっては神聖魔法に行かずとも神聖魔法相手に充分戦える者もいる為、必ずしも上位に勝てない世界ではない。

「最後の封印じゃと...?」


「とりあえず...外に...」


皆、困惑する。何故ならもうマビノギは存在しない為だ。3つは解放され、1つは死によって消えた。しかしクゥロにしかその真偽は分からないため、クゥロの指示通りまずは外へ向かうことに。


「な、なんじゃあれ...」


天空には逆さになった超巨大な樹があった。妖精王やほかの妖精たちもその光景を見て困惑し、呆然としている様子。


「な、何ですか...あの大きすぎる樹は......」


「あんなん今まであったカ?」


瞬間、妖精王達に頭痛が走る。皆、その痛みに思わず頭を抱えるも、その痛みの影響で何かを想起させる。


「この記憶...マビノギが生まれた時カ...?」


「何故...この記憶が...?」


何が起きたのか全く分からず、戸惑いを見せる妖精王達。するとムシュフシュはかなり焦っている様子を見せ、がむしゃらに妖精王達を攻撃する。


「チッ...俺様達は今考え事してンだ。邪魔すんなクソ野郎!!!」


「今しばらく、大人しくしていてください!!」


しかし2人の攻撃は弾かれる。


(アイツ、だんだん強くなっていってねぇカ!?あんな異次元なまでの成長速度なんて無かったはずダ!)


「僕の計画が散々な目に遭ってるんだ。今更大人しくなんて出来るわけないだろう!!」


「グッ...!!」


片腕が失っても尚、ムシュフシュの魔法の攻撃速度と威力は変わらず、何なら妖精王2人を上回り始めている中、ルヴラはクゥロに話しかける。


「クゥロ...。このキューブ持って」


「ここからはクゥロ1人で解除するべき。だからコレを持って、天空にある大樹に行って欲しい」


クゥロは一瞬悩む。自分が行って間に合わなかったら、もしかするとルヴラやリノア、カラ達までもが死ぬかもしれないと。その僅かな迷いの中、アヴァロンがクゥロの肩に手を置く。


「大丈夫じゃクゥロ。妾達はそう簡単に死なん」


その真剣な眼差しを向けられ、クゥロは顔を俯かせ、完全に仲間を信じることが出来ていないな...と自責し、複雑な表情をした後、その想いを払拭するため、覚悟を決める。


「...分かった。私一人であそこに行くね」


そう言い、クゥロはルヴラから渡されたキューブを手に取り、目を閉じて脳内で念じる。


「必ず、帰ってきてください...!」


リノアが泣きそうな表情で言うと、クゥロは目を開け、ただ頷く。そしてその瞬間ワープする。


「...よし、クゥロのためにもここで時間稼ぎだー!」


「ああ。そうじゃな!リノア。行くぞ」


「......はい...!」



「...ここが......あの巨大な樹の中?」


その光景は、今までのマビノギと違い、壁は青白く、まるでヴィルジナルと出会った時の部屋のような見た目をしていた。


「それにしても、この魔道具ヤバすぎるでしょ...。もしかしたらこれ時空超えるかもしれない代物でしょ...」


クゥロはルヴラの作った魔道具を見つめながら、少し畏怖しつつ、その魔道具を小さなバッグの中に入れる。


「この本当のマビノギが顕現してから、母様の声が一切聞こえなくなったし...。一体どうなってるの...」


そんな文句のような小言を呟きながら、壁伝いに前へと進んでいくクゥロ。触った瞬間ほんのり冷たかったが、クゥロには些細なこと。今は優先すべき事があったためだ。


「というか中も今までと違って広い...。これじゃ迷いそ...う......」


(ん...?今の感覚...)


突然何処かから知っている何かを感じたクゥロ、その出処が気になり、感じた方向へと壁伝いのまま向かっていく。


(それにしても...光が何も無くて見えないのが難点...。明かりがないって辛い...)


「...だんだん強くなってる気がする」


暗闇のせいで視界が悪いため、目を細めながら周りに気をつけて進んでいくクゥロ。すると、開けた部屋のようなところに着く。


「...よく見えない......」


しかし、少し先に階段のようなものがあるのは薄らと見えた為、コケないようにそろりそろりと足先で確認しながら進んでいく。


「こういう時、光魔法とか魔道具があれば便利なんだけど...ってなにこれ...。氷塊...?」


小さな階段を上り終わった後、微かに見えるその輪郭を見て、ソレが氷塊では無いかと判断するクゥロ。ソレにゆっくり手を伸ばすと、耳を劈くような音が脳内に発生する。


(っ...急に何...!!この突き刺すような嫌な音......!)


その瞬間、クゥロがいた部屋は激しい光に包まれ、その眩しさに思わず目を伏せる。目が慣れてきた頃、恐る恐る開けると、そこにはティル・ナ・ノーグがあった。


〔...え?さっきまでマビノギの中に居たはず...。どうして〕


「先程も見ましたが、やっぱり思った通りいい景色ですね。ここは」


後ろから声が聞こえた為振り向くと、そこにはリャナンシーが居た。しかし、先程までの服装と違うことに気づく。


〔リャナンシーさん...?なんで...。いや、よく見たらさっきのリャナンシーさんと違う...〕


「ケッ...。俺様達は住めればどうだっていイ早くしロ」


「ナックラヴィーが良くても、みんなが住める場所にしないとだから...」


「そうだぞナック。ちゃんと条件に合わせないと行けないんだからな」


その後ろにはナックラヴィーとローレライ、さらにはムシュフシュも居ることに、困惑するクゥロ。


〔...一体どういうこと?〕


「その通り!私の魔法とも適合できる立地じゃないとだから雑に決められないのよっ」


4人の奥から、聞き馴染みのある声が聞こえ始め、クゥロは衝撃のあまり声が出せずにいる。


〔えっ...何で...〕


「私たち5人の妖精王が耐えられる土地をねっ☆」


何故ならそこにはクゥロの母親であるヴィルジナルが、他の妖精王と楽しげに話していたためだ。


〔...いや、とりあえず一旦冷静に今の状況を分析しよう......。これは多分このマビノギに記されたこの国の記憶...なんだと思う。そして、私と母様の魔法系統は酷似しているから、あの氷塊に触れた時、反応した...って事かな。つまりこれは過去に起きた事を私に見せてくれているんだ〕


落ち着きを戻したクゥロは、念の為にと脱出法を色々試すが、悉く失敗に終わる。


〔...記憶全部見ないと終わらないってことか......。仕方ない、甘んじて受け入れるしかない...〕


そうして、ティル・ナ・ノーグの誕生、マビノギの秘密、そして自身の生まれた経緯を知る為に、妖精王達の後を着いていくことに。


〔そう言えば、私、この空間に入ってから喋るのを禁止されてる...。多分、喋ることが出来てしまったらタイムパラドックスを発生させてしまうから...?〕


妖精王達が和気藹々と楽しく話している後ろで、クゥロは今自分に起きていることを整理する。


〔...てことは物体に触れることも出来ない......て事だよね...。うわっ透けた...!!やっぱりそうか。これは記憶の再現だから、現在軸の私は過去軸に触れることは出来ないって事だね...〕


年不相応に賢いクゥロは、今の状況を完全に理解するのにそう時間はかからなかった。


〔それにしても、やっぱり超長命種って感じだ...。現在いまの妖精王達と全く顔が変わらない...〕


そうして少しづつ時間が過ぎ、妖精王達によってティル・ナ・ノーグが建設する直前の時期にまで到達する。


「ふぅ...色々、準備は終わりましたよー!」


「私も、準備出来たよ。あとはヴィルジナルの神樹を育む魔法だけ。頑張って」


ローレライがヴィルジナルに優しく微笑み、最後の仕事を託す。すると、ヴィルジナルはとある大木の前に行き、とてつもなく大きい魔法陣を開く。


「大地よ、水よ、光よ、終わりの為に紡ぐのではなく、始まりのために繋ぎ示せ。万物の循環と共に、新たな国家の礎となりて、この土地に神如きの大樹を創りたもう」


〔なんて膨大な魔法...そして、これが詠唱が必要な魔法...。この世界では無詠唱が基本。詠唱が必要な魔法なんて聞いたことがない...。アヴァロンの話で聞いてはいたけど...。もしかして古時代の魔法を使える人は詠唱を使ってたの...?〕


ヴィルジナルが放つ魔法を見て、衝撃を受けるクゥロ。それに付随して、詠唱していた時代と無詠唱時代の差異についても考える。


「お!来た来た!」


ムシュフシュの声を聞き、ヴィルジナルの方を見ると、そこには目の前にあった大樹が急激に畝り、巨大化し、神樹へ変わっていく様子が見える。


〔今思ったけどこれ、神樹誕生の瞬間...って事だよね。という事は母様って神樹を生み出してた張本人...って事...?そうなると、界憶の大樹(ユグドラシル)も母様が...?〕


ヴィルジナルが行った行為を見て、クゥロはそんなことを考える。しかし、神樹を1つでも生み出せるのであれば、2つも生み出すことは不思議ではないため、妥当な考えである。


「これで最後だねぇ...」


「やっぱり5本は多くないですか...?」


「まぁ他でもないソロモンさんの頼みだったから仕方ないわよ〜」


リャナンシーの疑問に、神樹を生み出したヴィルジナルはまぁまぁと宥める。


〔5本...!?この世界に母様が生んだ神樹って、見つけたのを除いたらあと3本もあるの...?それに今ソロモンって...〕


妖精王達の話している内容が衝撃ばかりで少し追いついていない様子のクゥロ。


「はぁ...流石にソロモンには逆らえねぇからナ...。仕方ねぇところではあル」


「それに、ソロモンさんの事ですから何かしら考えがあると思いますし...」


妖精王の会話を色々整理しながら聞くクゥロ。


〔妖精王はソロモンと関係がある。更に妖精王全員が会ったことがある。そして妖精王達はソロモンに逆らえない...。て事はソロモンの方が上位にあるという事...〕


「でもやっぱりソロモンさんを見ると、どうしてもナックのアレを思い出すな...!」


「おい。その話はもういいだロ...!」


そんな仲睦まじい会話をしながら妖精王達は各々の仕事をする為、分かれて行動し始める。それから少し時間が経ち、クゥロは自身の母がとある男性と知り合う所を見る。


「...僕は██████。██████・███・███。君は?」


「私?私はヴィルジナル。この国の妖精王の1人よ」


〔もしかしてだけど、この人が私の実の父様......?つまり私が父様だと思っていた人は養父?それよりも、父様の名前が聞こえない...。もしかして消されてる...?どうして...〕


これが2人の出会いだった。一日一日を大切にしながら2人は、仲良くなって行き、何処か別の国に行ってはティル・ナ・ノーグへ帰ってくる。██████はそんな毎日を繰り返していた。そしてある日。


「──愛してる。ヴィルジナル。結婚してくれないか」


「.....私も愛してる。██████」


妖精と人間が結婚するのはティル・ナ・ノーグ史において異例中の異例だが、それが妖精王というのもあり、国中が歓喜の嵐だった。


「ヴィルが結婚とは....」


「妖精は超長命種だからな...。あんまり人間のような短命種族とつがいの契りを結ぶことは無いが...。まぁヴィルジナルが良いと言うのならいいだろう!」


皆、妖精王の幸せや、ヴィルジナルと██████の楽しげな日々が永遠に続くかのように思っていたその数年後の出来事だった。



「...この揺れと轟音、何事ですか!!」


「この音、外界では何が起こっていル...!」


今までで聞いた事のない程の大きな音に大騒ぎになっている。クゥロはマビノギにある記憶の力を使って外の様子を見ようとするが、ティル・ナ・ノーグに貼ってある認識改変魔法にぶつかってしまう。


〔...え。なんで?まさか外で何が起きてるのかは見れないってこと......?もしかして、これもパラドックスが発生するの...?〕


想定外の事に頭を混乱させるクゥロ。しかし、無理なのであれば仕方ないとその場で留まる事に。すると、下にいる妖精が大慌てで友達と思しい同じ妖精に話しかける様子を発見し、近付くことに。


「おい...!外界がヤバい事になってるぞ!」


「は!?外界が!?一体どうなってんだ!?」


「そ、それが...世界中荒れに荒れてんだよ!世界戦争だ!!」


その時、クゥロは今見ている記憶があの"聖戦"であることを理解した。それと同時に何か悪い予感が過ぎった。




「こ、これ...ヤバいよ。マビノギは誰も覚えていない聖戦を覚えているの...?」


その通りだよクゥロ君。マビノギ本体は生まれたその段階で記憶をする樹、だからね。


「こんなの...私だけに見せていい記憶じゃないでしょ...。何を考えてるの?」


ふふ。自分は文字なのでなんの意思も無いですよ。


「...本当に?」


ええ。本当です。自分はあくまで文字ですから

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