別領域の力
やっと、ティル・ナ・ノーグの大体の構想が完成しましたので、後はどれくらい時間かかるかですね...。
いせロリ豆知識⑫
禁忌魔法はこの世に属さない、或いは世の理に触れた災厄の魔法で、本来、理の下にいる存在は触れることすら無い魔法体系。
アヴァロンとリノアの2人は、ヴォジャノイ達の後について行き、そのまま湖の中へと入っていく。
「わ、水に入っても服が濡れませんよ!」
「...本当じゃ、驚いたわい。まさか音魔法の応用でこんな事まで出来るとは」
それと同時にアヴァロンは、ヴォジャノイよりも格上であるローレライにゾッとする。
そうして湖の中へ入った一同は、そこら辺にある岩場に座り、話題を再開させる。
「それで何故、ムシュフシュが怪しいかだが、実はマビノギの存在を認識して以降、ムシュフシュの性格が変わったように見えたのだよ」
「性格が...?」
割と誠実そうに見えたが、アレで変わったという事は昔一体...?
アヴァロンは、ヴォジャノイの言ったことに疑問が湧く。
「第一印象はそりゃあ良いさ。アイツ、表面は良くしてるからな。だが、変わったのは中身。つまり、アタイらみたいにムシュフシュと長く関わりを持っていた人物ならわかるって事だ」
「ということは、あの場にいた妖精王様達や、ほかの賢者さん達は、とっくにムシュフシュさんの違和感に気づいていたということですか?」
「その通り。そして、ムシュフシュの違和感に一番最初に気づいたのが、彼の昔からの親友である『夜王』、ナックラヴィー様だ」
「ナックラヴィー...。あの1つ目の妖精王か」
アヴァロンは、ナックラヴィーがどんな姿をしていたか、妖精王の会議のことを思い出す。
「夜と日、相反する2人ですけど、親友なんですね......」
「約6000年前までは普通だった。だが、それ以降あの2人の...と言うよりかは、夜王がやけにムシュフシュを警戒し始めた...と言った方が良いか」
「ふむ...。たしかにその時期は、ティル・ナ・ノーグの民がマビノギを認識し始めた時期じゃと聞いておる...。事実なにか企んでオルとして、何をしようとしておるのだ?ムシュフシュは」
ヴォジャノイの言葉を聞き、深く考えるアヴァロン。すると、アイグレーは後頭部で手を組み
「まぁ、そこらへんはアタイらも分かってねぇんだ。そこまで考えなくても良いさ」
と、気軽に言う。アヴァロンはアイグレーの言葉に納得し、すぐ気持ちを切り替える。
「兎に角、お前さん達に注意はしておいたからな。この話を聞いてどう判断するかはお前さん達次第だ」
「はい!ありがとうございました!」
湖から出る途中、ヴォジャノイは先程の話を忘れぬようにと二度目の忠告をする。そんな賢者2人にきちんと礼をするリノア。
「...しかし、本当にムシュフシュについて話すだけとは......。それだけなら湖に入らずとも...いや、念の為というものがあるしのぅ。仕方ないか」
「そうですよ!それに、まだムシュフシュさん以外にもあと1人、妖精王に会っていないんですから!」
「それもそうじゃな」
と、和気あいあいと話しながら、再び森の中へと入っていくリノア達。
「あ、そういえばクゥロ様、無事に終わったのでしょうか?」
「分からぬ。妖精王ですら予想がつかん場所じゃ。何が起きておる可能性もあるが...。妾達にできるのはクゥロを信じる事だけじゃ。妾達は妾達のできることをやろう」
「そうですね!!」
所変わってクゥロ達。しかし、どうやら苦戦している様子。
「やっぱり何回やっても無理です...。何ででしょうか...」
「うーん。やっぱり私、ここに封印されているのね...」
ヴィルジナルは鏡の空間から出して。とクゥロにお願いをするが一向に出れない様子。そんな現状に頭を悩ませる2人。
「あの、思ったのですが、なんで母様は封印されてるのですか?」
「...それが私にも分からないのよね......。それが分かれば良いのだけれど」
ヴィルジナルは戸惑いの様子を見せる。そんな姿の親を見て、助けてあげたいという気持ちが湧き、何故捕まったのかを考えるクゥロ。
「私は出入りできて、母様が出入りできない理由は、ティル・ナ・ノーグに長年居たから...。これでほぼ確定なはず...でも、その原因が分からない...」
情報が足りない...。そう思い、クゥロは一人で外に出ようとするが、ヴィルジナルはクゥロの腕を掴む。
「...え、な、何ですか母様」
そんなヴィルジナルに困惑と驚愕が入り交じり、少し変な表情になるクゥロ。
「ど、何処に行くの?お母さん、やっと我が子に会えたのに、すぐにお別れだなんて寂しくなっちゃうわ...」
今にも泣きそうな表情で、ヴィルジナルはクゥロの腕に抱きつく。これではどちらが子なのか分からない。するとクゥロはヴィルジナルの腕を優しく触り
「...今から私は、母様の為に封印の原因を探しに行くだけです。時間は少しばかりかかると思いますが、出来る限り早く帰ってきますので、母様はここで待っていてください」
と、微笑みながら言うと、ヴィルジナルは安心し、クゥロの頭を撫でる。
「...安心した。クゥロちゃんアナタ、とっても賢い子に育ったのね......」
ヴィルジナルの優しい表情に、母の愛情を初めて感じ、少し感傷的になるが、なるべく早めに終わらせなければと、気合いを入れる。
「じゃあ行ってきます」
「えぇ、時間はいくらでもかかっていいから、必ず帰ってきてね」
そうしてクゥロは、一人で鏡の空間から出、マビノギの中へ戻る。
「...さて、まずは誰に会うべきかな......」
いや、まずティル・ナ・ノーグにおいて、母様を知っている存在はいるのだろうか...。記憶の妖精である母様が封印されているのであれば、もしかして...
クゥロはその瞬間、とある推測にたどり着く。記憶の妖精である母様、マビノギが生まれた時代が不明、母様の血を持っている者しか入ることが出来ない領域があること、それをマビノギに作っていること、そして四大精王のどれにも合っていない記憶という力。
これらを1つに繋ぐ推測。それは
(まさか...母様は元々妖精王で、誰かがマビノギに封印した......?)
ティル・ナ・ノーグにいる裏切り者の存在である。しかしクゥロは自信を必死に落ち着かせ、冷静になろうとする。
「...なら、まずは妖精王ではなく仲間に聞くべきだね」
そうしてクゥロは、マビノギから出てきて、自分の仲間が居ないか、周りの妖精に聞き回っていく。
「あぁ、あの子たちならあっちの方で見かけたよ?」
「本当?ありがとう」
数分ほど聞き回っていると、知ってる人にあたり、クゥロはその人に教えてもらった所へと向かう。
(記憶の妖精王が封印された、それはつまり、この国における記憶そのものが封印されたと言っても過言ではない...。マビノギがいつ現れたか分からない。これは多分、母様が封印されたのが原因だと思う...。けれど1番謎なのは、誰が何のために封印したのかという所...。いや今はそんなことを考える暇なんてない。兎に角この国に裏切り者が居ることを早く伝えなくては...)
そうやって考えながら歩いていると、少し遠くにシフィルヴラらしき人影が見える。
「あ、シフィ!ルヴラ!」
見つけた途端、小走りで2人の元へと向かうクゥロ。
〝あ!ルヴラさん!クゥロさんです!!〟
「え!?あ!!クゥローッ!!おかえりー!」
クゥロを見つけるや否や、2人に抱きつかれる。そんな2人を見て微笑み、嬉しそうに頭を撫でる。
〝意外と早かったですね!良かったです!〟
「なにか収穫はあった!?」
ルヴラがそう質問すると、クゥロは真剣な表情になり
「...2人に話したいことがある。それもかなり重大な話の...って、あれ?アヴァロンとリノアは?」
いつもならリノアが心配気味に私のところに来るのに。そう思ったクゥロは辺りを見渡す。
「確かリノアが自分の魔法に少し異変を感じるから、日の妖精王であるムシュフシュって人に原因を診てもらうって聞いたけど」
「...なるほどね。まぁあの2人にはあとで話すことにして、まずはシフィ達に話す。あの瞬間の全ての話を」
そう言うと、クゥロはマビノギの最奥にある鏡張りの空間の話、自身の親に会った話、そして、その話を聞いた後、組み立てた自身の推測を。
「...え、それヤバくない?」
〝確かにヤバいです...。まさかルヴラさんが話に着いてこれるなんて...〟
「え!?酷い!!酷いよシフィたん!!」
愛しのシフィに言われ、ショックを受け号泣するルヴラ。そんなルヴラを横目に、シフィは何か考えている様子。
〝これ、あまり外で話さない方が良いですよね〟
「...その通り、さすがシフィだね。もし私の推測通り母様が本当に妖精王なのであれば、そんな母様を封印したということだから相手は妖精王に匹敵するか、それを超える実力者の可能性が高い。今の状況で相手にすれば、負けるかもしれない。だから私たちは下手に動けないの」
──だからクゥロちゃんの魔法と私の魔法を繋げて、アナタにだけ会話が出来るようにしたわ
突然脳内で声が聞こえ、心の底からびっくりするクゥロ。それに対し、何に驚いたのか分からない2人は、びっくりするクゥロに困惑する。
「ご...ごめん......。何でもない」
〈い、いきなり話しかけてこないで下さい...。びっくりしてしまいます...〉
──えへへ。ごめんねっ☆
反省していないのが丸わかりなヴィルジナルに呆れ、何も言えなくなってしまうクゥロ。
──それより、この子達がアナタの友達?
〈その通りですけど...〉
──やーん♡可愛い〜!!♡♡
そんな反応を見せるヴィルジナルに少し引き気味なクゥロは、ジト目になるが、なぜそんな表情になっているのか分かっていない2人は、またも困惑する。
「あ、ごめん...。とりあえず2人には話せたけど、あとの2人は...まぁ帰ってきてからで良いか。アヴァロンいるから大丈夫だと思うし」
〝リノアさんも強いですから...!!大丈夫ですよ!〟
シフィとクゥロは2人の強さを信頼している様子で話し合っている。すると、ルヴラは何かを閃いたのか
「ちょっと部屋に籠る〜」
と言い、そのまま部屋へと入っていく。2人はルヴラを止めず、頑張ってと言わんばかりに笑顔で手を振る。
〝ルヴラさん、また閃いてます...〟
「...今日、ルヴラがどれだけ閃いたのか聞いてもいい?」
シフィの言葉を聞き、クゥロはそういった質問をすると、シフィは思い出そうとする。
〝えっと多分、さっきので4個目...だと思います〟
(き、今日で...?ルヴラの出身が分かってからか分からないけど、段々とルヴラの才能が伸び始めてる気がする...気のせい......?)
シフィから聞いたルヴラの才能の開花に、少し引くクゥロ。同時にその開花と出身の判明の時期が重なることに疑問を抱くが、今はそんなことを考えている場合ではない。
「とりあえず、今するべきことは私の母様の封印を解くこと、そして、それをするには封印をした本人を探さなければいけないから...。私、リノアたちのところに行ってくるね」
〝はい...!魔道具生成が終わったら、ルヴラさんにも伝えますね!〟
シフィの配慮と賢さに感動しつつも頷いてその場から離れるクゥロ。シフィはそんなクゥロを見て嬉しそうに見送るのだった。
──んふふっ。まさか私が出れるなんて思わなかったわっ
いや、当たり前でしょう。あとがきは私が書いたキャラクター全員出すつもりでいるんですからね
──あらほんと?主様達はあまり出ていないようだけど
...。
──あら。黙っちゃったわ。痛いところ突いてしまったかしら?
し、失念していた...
──うふふ。ただ単に忘れてただけみたいね?




