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転生概念における願望空想論  作者: coll
ティル・ナ・ノーグ編
73/91

代弁者であり司る者

少し遅れましたー...大変申し訳ない。

正直に言うと、ティル・ナ・ノーグ編は、自分の小さい脳みそで考えてストーリーを考えておりますので、今後も少しばかり遅れてしまいます。本当にすみませんです。


いせロリ豆知識⑪

この世界には、五大魔法、希少魔法、禁忌魔法の3つがあり、五大魔法と希少魔法の使い手の中で、自身の魔法を極限まで鍛え、たどり着いた魔法を神聖魔法と呼ぶ。その魔法は、これまでの魔法とは比べ物にならないほどの影響を齎す。

「...え?」


自らを移した幻影、記憶、またそれらに近しいものを考えていたが、まさかの親。そんな全く予想していなかった情報に困惑するクゥロ。


「ちょ、ちょっと待って...。私の親?」


「ふふ...。ええ、私はヴィルジナル。アナタの親。そもそもこの空間は、私の血を引く者しか開くことが出来ないもの」


「...なるほど。つまり白光の泉の水面に映っていた私に似たアレもあなた...。えっと...母様ってこと?」


目の前の自分に似た妖精、ヴィルジナルから知った事実を元に、冷静に整理していくクゥロ。


「そうなるわね。おそらくアナタの生まれたばかりの幻影だと思うわ」


「...なるほど、大体理解した。でも、まだ受け止めきれてないかも...。ちょっと予想外すぎて...」


クゥロは、苦笑いしながら今の状況に未だ困惑している事を述べると、ヴィルジナルは少し上品に笑う。


「...でも、今はそんな事を言っている暇は無いや」


そんな雰囲気から一転。クゥロは真剣な表情でヴィルジナルを見つめ、そう言うと、ヴィルジナルも先程のふんわりとした雰囲気から豹変する。


「...母様、聞きたいことがあるんです」


「ここに来たということは、我が子が何か助けを求めてるって事くらい分かるわ。言ってみて?私がなんでも助けてあげるから」


「カラと言う転生者がこの国、ティル・ナ・ノーグにいるのですが、彼女を助けて欲しいのです」


クゥロは悲しげな感情と、助けを乞う必死な感情が入り交じった表情でヴィルジナルに言うと、彼女の目線は斜め上になり、人差し指の腹を頬にトントンと叩き、「ん〜」と考え事をしている様子の声を漏らし始める。

私たちには知らない何かがあるんだろうな...。そんなことを考えるクゥロ。


「なるほどカラちゃんね?一応探ってみるわね」


カラちゃん...?会ったことがあるの?割とフレンドリーなヴィルジナルに戸惑うクゥロ。するとヴィルジナルは目を閉じ、顔の前で手を合わせる。辺りにある鏡が一瞬動き、鏡に映し出されている情報が変わっていくのが分かる。


「な、何これ...」


「これはティル・ナ・ノーグにある記憶。そしてこの空間の鏡はそれを映し出すの」


「待っててね...」


クゥロはほんのり冷気を肌で感じ始める。ヴィルジナルの使用している記憶を辿る力は、氷の力を使っている事が分かり、クゥロはその事実に驚愕する。


「見つけた!転生者の雰囲気ならこの子で合ってるはず...。ん?でもこの子......」


ヴィルジナルはカラを見つけるが、何か違和感がある様子。そんな彼女の反応を見て少し不安げな表情を浮かべるクゥロ。


「ちょっと待っててね。今考えてるから」


それから何分経ったのだろうか。そんな事を感じるほど長い時間待ったような、そんな感覚に陥る。


「この状態...。多分この子の意識が封印されているのよね?」


「...言いそびれてたのに、どうして分かったのですか?」


ヴィルジナルの推測がピッタリ当たっていた事に驚くクゥロ。するとヴィルジナルはドヤ顔で


「私は物質の記憶、生命の記憶、そして現象の記憶など〜...ありとあらゆる記憶を読めるからね〜...。どう?偉いでしょ?」


と実の娘であるクゥロに言ってくる。そんな母に、クゥロは割と軽蔑するような目で見つめる。こんなのが母親なのか、と少し絶望するように。


「さてと...。この意識の封印、かなり解くのが難しいわ。一体誰がやったの?」


「七大悪魔の1人、『憤怒』サタン。という者です」


その言葉を聞き、ヴィルジナルの顔色が青ざめていく。クゥロもそれに気づき、「大丈夫ですか!?」と、ヴィルジナルの心配をする。


「...ええ大丈夫。それにしてもサタンだなんて...まさか復活したのね」


「復活...?」


クゥロの脳内に疑問が生じる。サタンが復活?なんのことを言っているのだと。


「...え?あら、知らないの?確かクゥロ達の方はアヴァロンが...って、そっか...」


ヴィルジナルは何かを思い出したかのように微笑む。なんのことか分かっていないクゥロは、頭にハテナマークが何個も浮かび上がる。


「でも、まだクゥロには話さないわよっ?」


「な、なんでっ......」


「クゥロには後で私の力を継いでもらうから」


何故かウインクをしながらそう答えるヴィルジナル。


力を受け継ぐ...?何を言っているのだこの人は。


実の母だとはいえ、ここまで突飛な事を言うとは思わず、クゥロは呆れてものも言えない様子。


「まぁそんなことより、カラちゃんの意識、多分戻せるわ」


「本当ですか!?なら...!!」


「でも」


ヴィルジナルの顔色が変わる。その表情は覚悟が決まった者の顔つきをしており、クゥロは何かを話すのだろうと察する。


「...クゥロ、親でありながら情けないと思うかもしれないけど、お願い。私をここから出して欲しい」


「......え?」


再び、ヴィルジナルによる突拍子もない発言に、クゥロは戸惑いを隠せず、そんな反応をしてしまう。





数分前、地上では....。


「クゥロ様...大丈夫でしょうか」


「さぁな。じゃが、クゥロなら然程心配せずとも帰ってくるじゃろう。とりあえず今は、ムシュフシュに会いに行かねばならぬのじゃからな」


「分かってますよ!!」


リノアとアヴァロンの2人は、目的の場所であるムシュフシュの領地を目指し、事前にリャナンシーから聞いた道をたどって向かっている最中。


「それにしても草木多いですね...。やっぱりリャナンシー様の領地だから仕方ないでしょうけどっ...!!」


「まぁリャナンシーは自然の妖精王じゃからな。そこは切り捨てるしかないのぅ」


そんな事を喋っていると、突如森林が開け始め、目の前には超巨大な湖が現れる。


「あ!開けましたよ!!」


「...ここは、湖か?」


リノアは湖の水を覗き込む。そこが見えるほど透き通る綺麗な湖。そんな湖にリノアは、眉を上げ、思わず感嘆の声を漏らす。すると何処かから声が聞こえ始める。


「これは...歌、ですかね?」


「歌...。という事は妖精王の1人やもしれん。リノア、歌声の方に向かうぞ!」


「はい!」


小走りで歌声の方へと向かうと、岩の上で目を瞑り、一生懸命に歌唱している人魚の様な存在が目に入る。


「...あの人がもしかして、ローレライ...ですかね?」


「恐らくっ...そうじゃろうな......!」


この妖精が歌っておる歌、聞いているだけで心がやすらぎ、意識が持っていかれる...。気を張って無ければ、今にも剣に戻ってしまいそうになってしまいそうになる...。


アヴァロンは、目の前にいる青い鱗の妖精王の歌声を聞き、少しばかり狼狽える様子を見せる。


「だ、大丈夫ですか!?アヴァロン様!」


そんなアヴァロンを見たクゥロは、かなり心配した様子でアヴァロンの安否を確認する。そして、水中には湖の民がいるのが見える。


「そ、そうか...分かったぞ」


「...え?な、何がですか!?」


意識が曖昧な中、アヴァロンは自身が歌によって意識が朦朧としている理由と、湖の民とリノアが何故、ローレライの歌に耐性があるのかを一瞬で理解する。


「彼奴の魔法は音。音波によって妾の意識を失わせようとしておる...。そして音波は水に完全には振動しない、つまり水中におる妖精が無事なのもそれで納得が行く。そして何よりお主じゃ」


「わ、わたくしですか!?」


アヴァロンはそう言いながら、弱々しくリノアの肩に手を置く。そんなアヴァロンの話していた事を聞いていたが、何故自分にも関係があるのか分からず、驚愕と困惑の反応をする。


「あぁ...お主は光魔法...。おそらく光の魔法粒子が身体の中にあり、それが音波を妨害して、お主だけこの歌を無効化しているのじゃと思われる...」


「光魔法にそんな効果があるのですか...」


「やはり素晴らしいな。まさかこの一瞬で女王の力の性質を理解し、隣の子が何故対策出来ているのかまで説明できるとは」


突然、何処かから2人に話しかける声が聞こえる。しかし何処にも声の主はおらず、辺りを見回す2人。


「おっと、姿を見せていなかったな」


声の主はそう言うと、2人の前の空間が歪み、姿が段々と明らかになっていく。


「ワシの名はヴォジャノイ。賢者の1人で、ローレライの代わりに、湖の民であるリュムナデスを統治している者だ」


出てきたのは年老いた亀の妖精。これぞ賢者と言った雰囲気を感じ、2人もすぐさま納得する。


「...あれ、自身が賢者だと言っても良いのでしたっけ?」


「そういえばリャナンシーは、賢者と言うものは隠すものじゃと言っておったが...。この妖精は隠す気がないようじゃのぅ...」


2人はリャナンシーの話していた事を思い出すが、自分たちが言うよりも先に、相手の方から喋ってしまっている事に気づく。


「そんなことはどうでも良い。お前さんらが何故ここに来たのか、それを聞ければな」


「っ......!!!」


2人はヴォジャノイが放った一瞬の圧に冷や汗を流す。やはり只者では無いと。するとヴォジャノイはその圧を解き、首を振る。


「やはり辞めじゃ!圧迫するなど。お前さん達も嫌じゃろ?」


2人は状況を呑み込めず、放心状態になっていると、湖から何者かが勢いよく出てくる。


「な、何者ですか!?」


2人は驚き、湖から出てきた妖精を目で追う。そして地面へと着地し、手を腰にしてこちらを向く。


「初めまして!お二人さん!アタイはアイグレー。ここリュムナデスの賢者さ」


「ふむ...?」


「...え?」


2人は困惑する。それもそのはず、リャナンシーは、賢者は妖精王一人につき一人と言っていた。にも関わらずローレライは1人以上いる。何故なのか?しかし、そんな疑問もすぐさま解決する。


「おそらく2人は、リャナンシー様から賢者は妖精王一人につき一人のみと言われたはず。しかし、水姫みずひめ様のみ特例で2人の賢者を採用しても良いと仰ってくれたのだ」


「まぁここの姫様は諸事情で何も出来ないからね...。賢者2人体制じゃないときついのさ」


あの妖精王、天然炸裂してわたくし達に伝え忘れてるって訳ですか...。心の中でそんなツッコミをするリノア。


「...確かにリャナンシーは...ローレライが常に結界を貼っているから...大丈夫だと言っていたな......。その事...か...」


「ふむ...。やはりローレライの音に飲まれ気味か。お前さんの事はワシが何とかしよう」


そう言うと、ヴォジャノイはアヴァロンに魔法を付与する。その魔法のおかげか、すぐさま立ち直り、アヴァロンの意識は正常へと戻る。


「おぉ...楽になってきた。お主なんの魔法を使っておるんじゃ?」


「ワシの魔法も水姫様とおなじ音魔法だが、水姫様とは雲泥の差だ。対象に一定の音波の膜を貼るくらいしか出来ん」


「くらいだなんて、謙遜しないでください!十分に凄いですよ!」


ヴォジャノイの発言に、リノアは少し声を張って言うと、アイグレーとヴォジャノイの2人は目を合わせ、思わず微笑んでしまう。


「2人の人柄は分かった。それで2人は何故ここ、リュムナデスに来たのか、教えてくれないかい?」


「実はな────」


アヴァロンとリノアの2人は、仲間の一人であるカラが封印されていることや、リノアに起きている異変について話した。すると、アイグレーは少し不服そうな表情をする。


「...どうしたのですか?」


「光魔法...。確かにムシュフシュも光魔法使いだね。けど、アタイはアイツをそこまで信用してねぇ。アンタらにはできるだけ用心するように言っておくよ」


目を細め、少し尖った眼光でアイグレーはそう呟く。


「え?それってどういう...」


「まぁそんなことよりだ。お前さん達はムシュフシュに会いに行くのだろう?ならばこれを持っていくといい」


「...これは?」


渡されたのは黒光りの硬い何かの欠片。しかし重くはなく、なんなら軽い。そんな見たこともない素材で出来ており、不思議がる2人。


「それは赤龍の鱗だよ」


「赤龍の...?」


鱗をつまみ、近くでまじまじと見つめるリノア。


「ムシュフシュから剥いだ物でな、もしムシュフシュがアンタらに何か危害を加えようとしたら、それを壊せば少しの間怯むだろうさ」


「え...それ、いずれムシュフシュ様と戦うのを予想してませんか!?」


「あぁその通りだ。ワシらリュムナデスは、昔からムシュフシュを怪しんでおる。その為にお前さんらにそれを渡したのだ」


2人の表情を見て、嘘では無いと察するアヴァロン。しかし、ムシュフシュが疑わしい理由がわからないアヴァロンは2人に


「あの妖精王のどこが怪しいと言うんじゃ?妾達はまだ会って日が経っておらん。それを教えてくれなければ完全に信じることは出来ぬのぅ」


と辛辣ながらも賢い問いを妖精である2人に投げかけると、2人は目を合わせ数秒だけ考え込む。


「たしかにアンタらは、まだ出会って日も浅いどころか1日も経ってない。分かるはずもないか...」


「なら、ワシらの家で話すとするか。ここでは誰が聞いてるか分からんしな」


そう言うと、湖の中へと進んでいく妖精。そんな2人を見てリノアは戸惑う。


「いや、わたくし達、湖で呼吸出来ないんですけど...。どうやって行けば...」


その発言を聞いたアイグレーは


「大丈夫だ。この湖は、水姫様の魔法の効果で誰でも息ができる様になってるのさ」


と笑いながら言う。リノアは感心の声を漏らすが、アヴァロンは疑問を抱き、少し考える。


「...つまり、それぞれに生物に合った酸素を魔法の力により、取り入れることが可能という事なのか?」


アヴァロンは、自身の推測を妖精である2人に話すが、ヴォジャノイは「いや」とアヴァロンの推測を否定し、湖にかかっている魔法について話し始める。


「水姫様の魔法は、音魔法を超えた認識を変える魔法で、ティル・ナ・ノーグの周りにある結界も水姫様による魔法。その認識改変を湖にかけ、水の中では陸上生物も息できるようにした。その結果、水中生物であるワシら以外でも水へと入ることが出来たという訳だ」


「...なるほど。やはり噂通り妖精王は神聖魔法に到達しておるのか」


「神聖魔法...ですか......」


遂に出会った神聖魔法の使い手、しかしそのスケールは異次元で、湖のルールを変え、国1つを隠すことが出来ると言う。そんな異次元すぎる魔法に、リノアは驚愕の感情しか湧かなかった。


ずっと歌ってるな...。いや、それにしても心地いい歌声だ。


とても良い歌だ。これもしかしてローレライさんはゆらぎの声と呼ばれるものなのかな?


聞いててとてもやすらぐ...。文字さん、文字なのに感情が顕になっちゃう


しかし、これを何万年も歌っているのか...。喉は大丈夫なのか...?

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