自然と生命体、そしてそれら循環の流れ
かなり遅れました申し訳ないです!!色々重なっていて....。投稿は致しますのでご安心ください!
いせロリ豆知識⑤
ヴァンシーはリャナンシーの娘で、リャナンシーに負けず劣らずの美貌の持ち主。ただ、ヴァンシーの方が規律正しく、割と厳しめ。
「次は我々、妖精の丘の長であり、妖精王のお一人である、リャナンシー様について話そう」
草木を分け、舗装されていない歪な地面を歩きながら妖精のリーダーは話を続ける。
「リャナンシー......どういう意味なんでしょう?」
「...さぁ?」
皆、聞いたことの無い文字列と単語が分からず、ローレライもだが、リャナンシーという名前を聞いても首を横に振る。
「リャナンシー様は、ティル・ナ・ノーグの大地や、植物などの生命の循環を担当しておられている」
「...つまり、今目の前にある葉っぱや土、木とかもそのリャナンシーという人が創造したってことですか?」
「あぁ、ティル・ナ・ノーグ内にある動植物含む空の下の物は、全てリャナンシー様が創造した」
クゥロは少し動揺したような声色で質問するが、妖精はその質問に頷き、肯定する。その瞬間、皆一斉に驚愕する。
「つ、つまりティル・ナ・ノーグは妖精王たちが魔法によってゼロから作りあげた、魔法造国って事!?」
「その通りだ」
妖精は再度頷き、そう答える。リノアたちは困惑や感嘆等といった、様々な反応を見せる。
〝魔法造国......ですか...〟
「まさかそんな国だとはな...」
そんな反応を見た後、妖精のリーダーは前を向き、再び話を続ける。
「リャナンシー様はティル・ナ・ノーグにおいて、『循環』つまり生を担当しておられていてな。中立の立場で物事を判断し、我々にこの国の外層の守護を任せ、長は自身のやるべき事をしておられるのだ」
「なるほど......。たしかに国の外側が森林というのは、もしもの時の防衛網として使えるのう」
リャナンシーや国の地形の話を聞き、アヴァロンは、節々に感じていた事に納得している様子。
「ということは、今向かっているのは、そのリャナンシーという妖精王の場所ですか?」
クゥロが妖精のリーダーに質問すると、こちら側を振り向かずに無言で頷く。
「...そして、3人目の妖精王は『夜』を担当しておられていてな......っと、もう着いたか」
3人目について話そうとすると、いつの間にか一際大きい樹の前に着き、妖精のリーダーは途中ながらも話を終わらせる。
「うおぉお......壮観だぁ...」
大樹を見て、思わずそんな言葉が漏れ出るルヴラ。目線を下げると、先程居た妖精達はいつの間にか消えており、少し不思議がりながらも辺りを見渡す。
「デカイですねぇ......」
〝なんの樹でしょうか...〟
「これはマビノギと呼ばれるものです」
シフィが独り言のようにそう言うと、何処かからそんな声が聞こえる。皆、声の出処を探っていると、樹にある穴の中からゆっくりと耳の長い美しい女性が現れる。
「綺麗......」
ルヴラは、目の前の金髪の美しい女性を見て再び声が漏れる。しかし実際、ルヴラがそんな反応をするのも無理はない。まるで作られたかのような端正な顔立ち、スタイル。その姿は、まるでその人を女神だと錯覚させるほど。
「というより、これまで見てきた妖精の皆さんの顔面偏差値が高い気がするんですよね...」
〝それ、分かります!妖精さん達、皆美しいですよね!〟
リノアとシフィが言うように、ティル・ナ・ノーグにいる妖精は、皆、完成されたようなとんでもない美貌の持ち主だらけである。
「ふふふっ。初対面で女性を口説くなんて、最近の幼い人族は大人になるのが早いのですね」
その優しくも妖艶な笑みに、大人な女性だー!と、目を輝かせるルヴラ達。
「初めまして皆さん、"自然と循環の統治者"リャナンシーと申します。私は中立の立場ですので、対等に話し合えると思います。以後お見知り置きを」
リャナンシーと名乗る目の前の美しい妖精は、優しい笑顔のまま深々と礼をする。
「......初めましてじゃな。妾の名はアヴァロン。剣の理を極めし唯一の者にして、ルズシュバラの王を務めておる。妾達の御前に出迎えてくださったこと、誠に感謝致す」
アヴァロンはリャナンシーの丁寧な挨拶を見、これは対等に挨拶しなければ。と思い、目を閉じ、跪いて頭を下げる。
「其方が妖精王の1人とあらば、妾とて礼を尽くさねばなるまい。この度は、良き縁と成らんことを、心より願っておる」
アヴァロンの丁寧な挨拶を見たルヴラやリノア達は、次々と丁寧な挨拶をしていく。
「初めましてリャナンシーさん...。私はクゥロ、ラヴィリニの姫として、そしてこの者らの友として旅を共にしておる者です......」
最後にクゥロがそう言いながら礼をすると、リャナンシーはクゥロの方をじっと見つめる。
「貴女がもしかして、ヴァンシーが言っていた妖精の血族の者かしら?」
「...はい。たしかに私は妖精の血が入っています。ですが、私は純粋な妖精ではく、妖精と人の混血種なのです」
リャナンシーの質問に率直に答え、クゥロは、己が妖精と人のハーフだと言うことを告げる。その発言を聞き、辺りにいる妖精達はざわつき始める。その中には否定的な意見も飛び交っており、アヴァロン達はもしかしたらマズイのでは?と今の状況を危惧する。
「......なるほど、理解しました」
クゥロの発言に一瞬驚き、クゥロをじっと見つめるリャナンシー。一瞬目を細めるが、すぐさま冷静になり、落ち着いた返答をする。
「とりあえず、中に入りましょう。話はそれからです」
リャナンシーはそう言うと、目の前にある樹が畝り初め、建物の形へと変形していく。
「す、すご......」
一同はそんな様子に驚いていると、ヴァンシーは身を翻し、案内するかのようにリノアたちの方をチラリと見、建物の中へと入っていく。その行動は、言葉なくしても歓迎の意が滲み出ていた。
「...入りましょうか」
妖精達の案内の元、リノアたちは建物の中へと入っていく。中の道はどんどん作成されて言っているのがわかる。皆、その光景に再度驚愕する。
〝ツリーハウス、と言うやつでしょうか...?〟
「んー。それとは少し違うじゃろうな」
「というか木の中に建物があるのすご!」
等、各々が色んなことを話しており、皆、ティル・ナ・ノーグの様相に興奮している様子。
「ここは私の住処であり、王としての仕事をする家でもある、"マビノギ"と呼ばれる所です。状況に応じて姿形を変えることが可能ですので、その時は是非余に言ってくれると助かります」
「マビノギ......」
クゥロはリャナンシーからマビノギという単語を聞き、何故か何処か聞き覚えのある言葉だと理解するが、どうして聞き覚えがあるのかは全く分からず、この状況を疑問を抱く。
「マビノギというのはどう言った物なの!?」
「おい......!!」
ルヴラは目を輝かせながらリャナンシーに質問する。敬語で質問をしていなかった為、妖精の丘のリーダーであるヴァンシーは眉を顰め、失礼だと注意しようとするが、すぐさまリャナンシーが大丈夫だと無言で止める。
「マビノギというのは、私たち妖精王が住まう形状変化可能な大樹で、ティル・ナ・ノーグの中心にあるんです。中央にある巨大なマビノギを主体とし、各四方の妖精王が別々のマビノギに住み、定期的に妖精王同士で中央のマビノギへと会議をしに行ったりするのですよ」
「え...?四方の妖精王が住みって......。でも、どこにもいないですよ?」
リャナンシーの発言の後、辺りを見回し、疑問に思うリノア。事実、部屋の中には誰もおらず、さらに言えばリャナンシーの家のようにも見える。
「それはマビノギが4つに分かれているからだ」
「4つ......?」
ヴァンシーは腕を組みながらため息を吐き、マビノギについてを話し始める。
「各地域にマビノギは1つずつあるんだ。それくらい分かるだろう...ったく」
「それと、ここに来るまでに違和感を覚えませんでしたか?」
「違和感....?」
リャナンシーは、皆に問いかけるように聞くと、皆、違和感について思い出そうと、必死に頭を使う。
「あ、そういうことか」
「どういうこと!!」
アヴァロンがそんな言葉を口に出すと、ルヴラは一瞬で近づき、またも目を輝かせながら質問する。
「...妾達は森の中に居たとはいえ、民から大樹と呼ばれるマビノギが見えないはずがないじゃろう?なのに妾達が着いた時はマビノギのような大きい樹が見えなかった。これが違和感の正体じゃよ」
「あー......。つまり、大きさすらも変えることが出来るって言う訳ね...」
「す、凄...!魔法で操作してるのかな......?」
ルヴラはアヴァロンやクゥロの説明で理解し、興奮気味に辺りを見る。
「いいえ、魔法では操作はできません。マビノギは意思を持った樹なんです」
コツコツ....。と静かな空間の中、皆の足音が鳴り響く。
「マビノギは意思を持ち、私たち妖精王の一族のみが、その操作権を持っている。と認知してくれれば幸いです」
「はぇ〜....」
リャナンシーの説明を聞き、少し腑抜けた声を出すルヴラ。そんなルヴラにシフィが困惑していると、リノアは何かを思い出す。
「意思を持った樹って......」
「あぁ、界憶の大樹と一緒じゃな......」
皆、その言葉を聞きハッとする。つまり、マビノギという樹は、界憶の大樹と同じく、生命が宿っている聖なる樹という訳なのだ。
「でも、界憶の大樹と違うところは、大きさが変わることだよね」
「そうじゃな...。界憶の大樹は世界の記憶を保持するだけで、大きさが変わったりはせん」
首を横に振り、界憶の大樹とマビノギの違いについて話すと、リャナンシーは少し驚いたような表情をする。
「あら、そのユグドラシルという樹も記憶するのですね。不思議なこともある物ですね...。実はこのマビノギも"記憶する"んですよ」
リャナンシーの衝撃的な発言を聞き、空気が凍りつく。国の重要な聖なる樹が両方意思を持っていて、更に2つとも同じ記憶する樹だと言う事実に、皆、言葉も出ずにフリーズする。
「初めまして文字さん。私はティル・ナ・ノーグ『循環』を担当しております。リャナンシーと申します。お見知り置きを」
あ、どうも......。いやぁ、それにしてもお綺麗な人...。
「そう言っていただけてとても嬉しいです。私も文字さんのような御人と出会えて、胸が高鳴っているのですよ」
それはとても嬉しいことを......。そういえば、リャナンシーさんは循環を担当していると言ってますが、一体どのような...?
「ふふふ。それはネタバレになっちゃうので秘密です」
やだ。ドキッとしちゃったわ。




