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転生概念における願望空想論  作者: coll
黄金郷編
65/91

急いては事を仕損じる

いせロリ豆知識③

主は神の上で、神の中から選ばれた存在のみが主になれる、そして主の上限もあるんだけど、必ずしも強さだけで主になれる訳では無いよ!

「ティル・ナ・ノーグって......」


〝でも、アヴァロンさんも行ったことがないんですよね?〟


シフィは心配しながらそう聞くと、アヴァロンは無言で俯くが、すぐ顔を上げる。


「そうじゃな...しかし、この世界で魔法に精通しているのはティル・ナ・ノーグか、魔法帝であるソロモンしか選択肢がない。ソロモンは何処にいるか分からない上にその場を留まらぬが、ティル・ナ・ノーグは分からないが一つの国の為、例外が無ければ国が動くことは無い。これでどちらを選べば良いか分かるかのう?」


アヴァロンは今の状況を鑑みて、冷静且つまともな意見を述べる。その言葉を聞き、皆は何も言い返せない。アヴァロンは7万年生きている存在。何が最適かなんて分かりきっているので口出しができないのだ。


「でもアヴァロン様ですら行ったことのない国なんて......。アプチさんとアンデスさんは知っていますか?」


念の為そう聞くリノア。その質問に2人は目を合わせた後、首を横に振る。


「君たちの知ってる通り、この国は情報が遮断されてる。だからそのティル...?っていう国も分からないんだ。君たちの助けになりたいけど......すまない」


「です...よね......」


当然の反応だ。エルドラドは完全に外交が遮断されている孤立無援の国。その為、情報が届かない。そんな国ならばティル・ナ・ノーグを知らないのも無理はない。


「そこはしょうがないと割り切るしかない......。とりあえず、カラの完全回復を最優先してティル・ナ・ノーグに行かなきゃならないね...」


皆、ボロンティクから早く離れようと、階段へ行こうとするが、メタトロンはカラの周りの空間を操作し、宙に浮かせた後、他の皆の周りの空間も操作する。


「え......何を...?」


「くーかんそうさして、みんなをいっしゅんでちじょうにもどる」


そう言った瞬間、辺りの空間がねじ曲がり、本当に一瞬で地上に戻る。


「うおぉ......凄...」


「は、早く行きましょう!!」


急いでリノアは準備するが、そんな様子を見たアンデスは何かを危惧したのかリノアの肩に手を置く。


「待て、リノア」


「な、なんですか!!今急い───」


「そんなに先を急いでは、いずれ失態を犯してしまうぞ。少しは落ち着いた方が良い」


リノアはそう言われ、周りを見る。皆の姿を見て自身を落ち着かせると、気まずそうに沈黙する。


「確かにリノアの気持ちも分かる。カラを完全に戻すためには急いだ方が良い。しかし、アンデスの言っている事を大事にするべきじゃ。主にも言っておるぞルヴラ」


「えぇ〜?僕、そこんとこ冷静にやってるつもりなんだけど......」


「...確かに思い返せば。お主は冷静じゃったな。すまん」


ルヴラに指摘されると、アヴァロンは今までのことを思い返し、ちゃんと自身に非があったと謝罪する。


〝あれ?そういえばあの黒髪の人はどこですか?〟


シフィは辺りを見渡すも、アプチが居ないことに気づき、そんな疑問を抱く。するとメタトロンはシフィに近づく。


「あぷちは、ぼろんてぃくにいつづけるからだいじょーぶだ。って」


〝そ、そうなのですか?なら良かったです!〟


メタトロンはなんとも言えない顔でシフィに告げる。シフィはそんなメタトロンの顔をツッコまず、普通に納得する。


「...申し訳ないね、アンデス。ちゃんとした時にお別れをしたかったんだけど......」


「クゥロ様!!」


今になって、フラフラし始めるクゥロ。そんなクゥロを見て即座に支えるリノア。


「だ、大丈夫かい!?」


「おそらく、極度の緊張状態から解放されて、今その反動が来ておるだけじゃろう。時間が経てばすぐに戻る」


「それなら良かった......」


クゥロの様子に一瞬不安になるが、アヴァロンがそう判断し、少しホッとする。


「突然の別れで、俺も少し寂しい。けれども、今優先すべきことはカラ君を治すことだからね。仕方ないさ」


「にもつももってきたよ」


メタトロンは力を使って荷物を持って来る。そんなメタトロンに、リノアは少し残念そうな顔をして


「えぇ〜!イファに挨拶したかったのに!」


と少しばかり愚痴をこぼす。そんな言葉に少し顔を俯かせ、ほんのりシュンとするメタトロン。


「リノアー!そんな事言わないの!メタが悲しんじゃってるじゃん!!」


「せめてイファにはお別れ言いたいんだもん!!」


さすが幼なじみ。一瞬で2人の仲の良さが分かるが、今はそんなことをしている場合では無いのだ。


「主ら落ち着け、喧嘩しておる場合では無いじゃろう」


「そうだよ2人とも」


言い合いをする2人にまるで親のように注意するアヴァロンとクゥロ。そんな光景を見て、微笑むアンデス。


「これだけ喧嘩できるなら、まぁ大丈夫かな」


そんなことを小さく呟きながら。



「準備できたー!」


数分後、クゥロ達は出発の準備が終わり、メタトロンは空間を操作しようと、力を少しだけ出す。


「よし、じゃあねアンデス」


皆、手を振り、アンデスに別れを告げると、アンデスもそれに頷き、手を振る。すると


「待って!!」


と、何処かから呼び止める声がするのに気づく。その声を聞き、即座に空間移動を止めたメタトロン。一同、その声の方向を見ると、そこには褐色碧眼銀髪の女の子の姿が。


「イ、イファ!?」


その姿を見て、思わずそんな声を出してしまうアヴァロン。


「はぁっ......はぁ...。間に合った...」


「ど、どうしたんじゃ?」


どうやって知ったのか理由は知らないが、かなり急いでアヴァロンの所へ来たようだ。


「アヴァロンさ!前回は何も言わずにエルドラドから出たでしょ!だから今回はちゃんと見送りたいの!」


「あ、あー......」


前回のことを思い出し、気まずそうにするアヴァロンと、イファの発言を聞き、ジト目でアヴァロンを見つめるリノアたち。


「あの時は...すまん......」


「あの時はぁ〜??今回も何も言わずに出ようとしてるじゃん!!」


「うぐ......」


イファに痛いところを突かれ、更に気まずそうにするアヴァロン。でも、そんなアヴァロンを見て笑い、無言で頭を撫で始めるイファ。


「な、なんじゃ......」


「んふふ.....」


すると、今度は抱きしめるイファ。何故このようなことをされているのか分かっておらず、ひたすらに困惑しているアヴァロン。


「熱くなってる....。照れてるのかな?」


「そ、そりゃあこんなことをされたら──」


「アヴァロン」


イファは突然、真剣なトーンになり、アヴァロンもその声色で困惑が消え失せ、話を聞こうと静かになる。


「魔王討伐、頑張って...」


「...あぁ。分かっておるよ」


アヴァロンはそう答えると、強くイファを抱きしめる。イファの表情は少しばかり不安が残っているような表情をしていた。イファの表情を見て、リノア達はイファの気持ちを理解しており、何も言えずにただその光景を見つめる。


「......また、ね」


抱きしめ終わると、イファはぎこちない笑顔をアヴァロンに向ける。その笑顔を見て、アヴァロンはとても辛そうな表情を一瞬する。しかしその直後、笑顔を取り繕い頷く。


「行ってくる」


その一言を残して。


「アヴァロン様...」


リノアは慰めようと近づくが、クゥロに止められる。リノアはクゥロがいる後ろを振り向くが、クゥロは首を横に振る。


「行こう」


クゥロがそう話すと、メタトロンは空間を作り出し、その中へ入っていく。その後を続くようにリノア達もその空間へ入る。


「本当に短い間でしたが、お世話になりましたアンデスさん」


「こちらこそ助かったよ。ありがとう紺氷の姫君様」


しんみりとした空気を変えようとしたのか、冗談めいた事を言うアンデスだったが、相手がクゥロの為、無言に終わり、空回りする。その結果、さらに気まづい空気になる。


「じゃ、じゃあね......!」


「はい」


その空気感のまま、最後に残されたクゥロは空間へと入り、そのままメタトロンの開いた空間は閉じていく。


「...かなり濃い1日だったな......っし!アプチと話すか。と、その前にイファ」


その場で必死に涙を堪えているイファに話しかけるアンデス。


「は、はい......なんですか?アンデス様」


「偉いな」


アンデスの言葉を聞き、糸がプツンと切れたかのように、イファはその場で泣きじゃくる。そんなイファをアンデスは優しく撫でながら慰める。


「行ってらっしゃい。皆」


皆が空間に包まれ、その場から去った後、アンデスは、小さく、そして少し惜しむようなそんな声でお別れする。



「あゔぁろん、だいじょーぶ?」


メタトロンは心配そうにアヴァロンを見つめ、そう聞く。そんなメタトロンの質問にアヴァロンは無言で頷く。


「......ところで、ティル・ナ・ノーグってどこにあるのかメタトロンは知ってるの?」


アヴァロンの気持ちを察し、別の話で話題を逸らすルヴラ。


「うん。しってるよ」


「え、本当?」


メタトロンがそう答えた後、突如空間が収束し、眩い光に包まれる。その眩しさに一同は思わず目を細める。


「ついたよ」


メタトロンの声と共に、光が段々と弱まっていき、皆ゆっくりと目を開き始める。段々とティル・ナ・ノーグの光景が見え始めると、その姿に皆驚愕する。


〝......ここが、ティル・ナ・ノーグ...ですか?〟


シフィは目を大きく開かせながら、当たりを見渡す。


「す、すご......」


青緑の木々が大量に生い茂っており、その木には黄金の果実が実っており、さらには黄金の池、青白く光った空、そして、よく見ると、様々な光がそこかしこで飛んでいるのがわかる。


「も、もしかしてあの光、精霊でしょうか?」


「うん。そう」


メタトロンはリノアの独り言を解決するように答える。


「ほ、本当に童話みたいです......」


「ほんとね...」


リノア達はあまりに神秘的な光景にずっと見上げて感心する。


「はやくいこ。から、なおさないと」


「あ、あぁ!そうだった!」


メタトロンの一言で思い出したリノア達はカラを治すため、約束のため、世界の平和を守るためにと、リノア達はその1歩を再び踏み出す。


というわけでエルドラド編が終わりました。少し短かったかなぁ?まぁいいか。


次はティル・ナ・ノーグ編です。メタトロンのおかげか、道中での野宿する頻度が減りました。少し悲しくもありますね。しかし頻度が減っただけなので、大丈夫です!野宿回が好きな人は安心してください!!


「メタトロンはよく寝てるからね....」


おや、カラじゃないか


「どうも久しぶり」


久しぶりだねぇ!まぁ今回出番なかったもんね。仕方ない


「......」

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