表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生概念における願望空想論  作者: coll
黄金郷編
63/91

最も魔王に近い者

いせロリ豆知識:実はサタンとロキはビジネスパートナー的な関係性だけど、ロキはサタンをちゃんと認めてて、自身の部下としても評価してるよ!

「さて...どうするんだサタン......。これはピンチ、と言うやつでは無いのか?」


アプチはサタンをさらに焦らせようと、再び煽る。しかしそれは慢心などではなく、事実としてサタンが追い込まれている。という証拠でもある。


「アプチ喋るな......!!これ以上サタンを侮辱すればタダじゃすまんぞ...!!」


そんなアンデスに対し、アヴァロンは警告する。なぜならサタンは『憤怒』の悪魔だから。怒りを象徴している悪魔に煽り、怒りを誘発させたら何が起こるか分からない....。そのため、必死に危険を知らせている。


「...あぁ、あぁああぁ......」


「ッ!!まずい!!なにか来る......ッ!!」


突然、サタンの顔にヒビが入る。その時、カラは何かを感じ、先制攻撃を仕掛けようと、一瞬でサタンを懐に入る。しかし


「あぁああぁあああぁああああ!!!」


サタンは自身の怒りが堪えきれなかったのか、力をそこかしこに放出してしまう。


「嘘だろ......ッ!?」


「何だこのオーラ......ッ!!」


サタンのオーラは激しく放たれ、赤黒く染まる。その光景は怒りに呑まれている様子。その強大なオーラの放出により、カラは吹き飛ばされ、他の皆も後退りを強いられる。


「遅い」


ほんの瞬きも許さない、刹那よりも短い一瞬の出来事だった。その瞬間、音もなくカラは吹き飛ばされる。


「な...っ.........カラ!!!」


あまりの力の強さに、カラは力無く倒れ込む。その強さに絶望する。これがサタンの本気なのか......。カラですら瞬殺される程の...。


「ははっ......追い込まれた敵を煽り過ぎれば、逆上させ、それが力となる......。覚えておくんじゃな。アプチ。ここからはかなり厳しい戦いになるぞ」


「......貴様らも、じきにあの転生者のように殺してやる」


先程の光景が脳にこびり付き、皆、戦意喪失する。すると、憤怒の悪魔と同程度の怒りの感情を出している者が一人いた。


「サタン...。貴方を殺す......!!!」


その灰色の殺意に満ちた鋭い眼光は、一緒に旅してきたアヴァロンとリノアを、絶句させるものであった。そうして発動される"天候変化"。その魔法にサタンは驚く。


「これがロキの言っていた......」


驚いたのはサタンだけではなく、アプチとアンデスもであった。辺り一帯に広がる、キラキラと輝く氷の結晶、それはアンデスの白炎のおかげで光を反射し、「ダイヤモンドダスト」と呼ばれる現象を引き起こした。


「まさかこれが......。あの天候変化...なのか?」


「しかし...ここは屋内だぞ......?」


そう。ここはボロンティク内。本来であれば屋内において気候変動など起きるはずもない。だが、クゥロの魔法がもたらす"天候変化"は、本来の天候変化の範疇を逸脱している。


彼女が魔力を放つと、天井の存在すら意味を成さなくなるかのように空間が歪み、圧縮された冷気が空間全体を包み込む。空気中の水蒸気が瞬時に凍りつき、氷片を含んだ霧が立ち込め、まるで雪国の空の下にでも立たされたかのような錯覚すら生まれる。これは単なる冷却現象ではなく、周囲の空間そのものを「冬」という天候へと魔力によって改変しているのだ。


魔法による天候変化とは本来、広範囲の野外でのみ成立する高度な術式だ。しかしクゥロの場合、その氷魔法の純度と魔力量が極端に高いため、密閉された屋内空間でさえ「外界」として機能させてしまう。"空間の天候属性そのものを塗り替える"とまで称されるこの現象は、彼女の魔法がすでに属性の域を超えて“現象”として存在していることの証左である。


「段々と気温も下がり始めてきたのぅ......」


この空間内にいる全員から気霜きじもが出始める。それはこの室内の温度が下がっていると言う証となっている。


「はは......。僕たちでさえ寒いと感じる...。一体どういうことだ?これは......」


炎を纏わせているアプチや、アンデスでさえ寒いと感じる室内温度。それだけで伝わる異常な寒さ。


「さ、寒い......」


「大丈夫か?リノアよ。少し離れるか?」


アヴァロンは寒そうなリノアを見て心配する、しかしリノアは鼻息を強く鳴らし、まるで大丈夫です!と言わんばかりの表情をする。それを見たアヴァロンは納得したのか、リノアを見て笑い、サタンの方に意識を割く。


「ふっ...凄まじい魔法だ......。しかし、それだけの膨大な魔力量を消費して、貴様は立っていられるのか......?」


「当たり前だろ、悪魔。私は貴様を殺すと言ったはずだ」


鋭く輝く眼光。その目は憤怒と殺意に満ちており、あのサタンでさえも目を見ただけで一瞬怯えてしまう程。


「ならば、貴様のその殺意を封じるまでだ!!」


そう言い、サタンはクゥロが発動している氷魔法を封印しようとするが、その隙にアプチとアンデスがサタンの間合いへと入る。


「「させねぇ!!」」


「クッ......面倒臭い奴らめ......!!」


そうイラつきながら2人の攻撃を必死に防いでいくサタン。しかし、クゥロの天候変化の影響か、サタンの動きがほんの少しだけ鈍くなっているのがわかる。


まさか...凍傷し始めている......?そんな憶測がサタンの脳裏によぎる。凍傷という現象は物体が凍る事象であり、寒暖を感じない悪魔だろうと通用する現象。しかし今は、アプチとアンデス、2人を相手にしている為、凍傷するという事象を封印することが出来ない。


「チッ......!!」


更に溜まるサタンのフラストレーション。しかしアヴァロンは危惧する。それは何故か。確かに一見すれば、サタンは依然として追い詰められている状況。だがアプチとアンデス、更にクゥロの天候変化を持ってしてもサタンを倒すほどでは無いと言うこと。つまり、このまま戦い続ければジリ貧となり、いずれサタンが勝つ可能性の方が高いからだ。故に。


「......一か八か試すしかない」


アヴァロンはボロンティクが崩壊する可能性を考慮し、戦わなかったが、サタンを倒すことの方が専念した方がいいと考え、今までの全てを自身の手にある剣に込める。


なんだあの力......。まさか彼奴がアヴァロンと言う奴か......!!しかし、彼奴の技は全て斬撃のはず。ここで放てば全員生き埋め、死傷者も出るはずだ。まともに放てるわけが.....。いや分からん。もしかすれば...!!


サタンの読みは当たっていた。驚く程に。しかし、サタンの能力の対象は1つのみ、目の前の2人かクゥロか。そんな選択を迫られる。


「はぁっ!!」


「ガッ!!」


「フリグス・ウルティマ」


「ァ......ッ────!!」


しかし、そんな余裕もなく、サタンは2人の攻撃をそのまま受け、挙句の果てにはクゥロの魔法攻撃すら封印することが出来なかった。


「スサノオ」


更にサタンは、追い打ちをかけるようにアヴァロンの攻撃をモロに食らってしまい、満身創痍となる。


「さて、もう終わりだサタンよ」


「このまま俺たちの手で消えてくれ」


数で押されたせいで自身の思うように行かず、さらにはその数によって今、サタンは死ぬ寸前まで行っている。しかしサタンはその間もフラストレーションが高まっていた。今までの苛立ちをずっと溜め込んでいたのだ。すると、突如としてサタンの力は増大する。


「ふふふ......はっはっはっはっ!!ロキは、世界は余に味方しているッ!!!」


突然、今までのオーラの数倍の波動を放出し、クゥロ達は吹き飛ばされる。何が起こったのか全くもって分からないアヴァロン達は、波動による突風を腕で隠しながら状況を確認する。


「な、何が起きた......!」


「追い詰めていたはずではなかったのか!?」


皆に再び絶望が降りかかる。何だこの悪魔は......いつになったら死ぬんだ...。そんな言葉も過ぎるほどに。すると突如サタンが目の前から忽然と消える。それは跡形もなくなった。という程に。


「......?」


「え?」


突然の出来事に困惑している一同。クゥロも思わず、天候変化を消してしまう。すると、後ろの階段から、微かに翼が羽ばたく音が消える。


「この音...もしかして!!」


「や、やっと起きてくれたの....!!」


そのゆっくりと羽ばたく音にリノア達は大喜びする。それとは反対に何も分かっていないアンデスとアプチ。そんな様子を見てリノアな興奮気味に言う。


「アプチ様!アンデス様!やっと起きてくれたんです!!わたくし達の仲間、メタトロンが!!」


「メタ...トロン......?」


名前を言われても分からない。それも仕方の無いことだ。エルドラドは情報が遮断されている国。そのためメタトロンがどのような存在かも分かっていないのだ。しかし、リノア達がこんなに喜んでいるのならと、期待して待つ事にする2人。


「あ!来た!」


階段から気配を感じ、リノアは大喜びで待っている。リノアの反応や、皆の表情を見ながら階段の方を向いていると、少し宙の浮いた眠そうに欠伸をしている翼の生えた女の子が、パタパタと力無くこちらに向かっているのが見える。


「...この人が......メタトロン?」


「はい!そうです!!」


リノアのその表情を見て、なんとも言えない顔になる2人。それはそうだ。リノア達の反応からすると、とんでもなく強い存在だということはわかっていた。にも関わらず当の本人は、こんな普通に眠そうにしている。そんな想像と違ったメタトロンに、拍子抜けしてしまう2人。


「やっとみつけたぁ...おきてからずっとさがしてたよぉ......?」


「それは確かにごめんだけど...メタは基本起きないから大丈夫かなって......」


リノアの言う通りである。メタトロンは基本起こしても起きないし、ほぼ寝ている。その為、放っておくのが1番良いのだ。


「それは寝たお主が悪い。それよりもメタよ、何故今起きたんじゃ?」


「ん〜...そこのあくまのふかいなちからをかんじたからおこされた〜......」


ほわほわとした雰囲気を纏い、眠そうに目を擦りながら、不貞腐れたような声色でそう話す。


「ほう...。貴様がマモンの言っていた最強の熾天使、神の代理人メタトロンか」


すると、再び現れるサタン。そんな光景に少し面倒くさそうな表情をするメタトロン。どうやら早い目に終わらせたかったようだったのだが、叶わなかった様子。


「お、お願い!メタトロン...!!あの悪魔を倒して!!」


「ん。わかった〜」


声のトーンは変わらずに返事をし、のんびりとサタンと正面を向くメタトロン。しかし顔は地面の方を向いている。まだ眠たいようだ。そんな様子に若干心配が勝つアプチとアンデス。そんな中、戦いは突然始まる。サタンが尋常ではない速度で近づき、顔に蹴りを入れようとするが、メタトロンは空間を操作し、自身の上半身を別場所に出現させる。


「......なるほど、これは空間操作か」


多少驚きながらそう呟くと、メタトロンはサタンの足に手をかざす。


「これでやられてね」


サタンは、何をしているのだ?と疑問に思った瞬間、時の紋様がサタンの足とメタトロンの間に出現し、一瞬で一周する。その時、サタンの足にはとんでもない程の衝撃が降りかかり、足を持っていかれるように上に吹き飛ばされる。


「うぐ......ッ!?一体何が起きた!?」


「むぅ...やられなかった......」


この衝撃の伝わり方、物理攻撃ではない....。それにあの天使は余に触れていなかった。見えたのは若干の青い光と、小さな空間の歪み...。チッ、時空間を操作する天使か......。この理不尽さ、まるでロキを見ているような感覚に陥るな...。


「...さっさとしんでほしいの」


そんな考え事をしていると、メタトロンはいつの間にか目の前にいた。その速度は速いとか、見えなかった。とかそういった次元ではなかった。気づけばいたのだ。


"認識外"頭に浮かんだその五文字。それは反射神経とか反応速度とかそんな領域にあるものでは無かった。


「ガッ────!!!」


サタンはメタトロンの一撃をモロにくらい、思わず意識が飛びかける。認識できない速度からの攻撃、それはこの世のどんな攻撃よりも重く、サタンを気絶させるほどの威力だ、と言うことを十二分に表してくれる程だった。


な...なんだ此奴の攻撃は......。あまりに重い攻撃、そして時空間操作という理不尽さ。余より...いや、七大悪魔の誰よりも魔王に近い存在ではないか......。


飛びかける意識の中、たった2回攻撃を食らっただけでわかった次元の差。それはサタンを絶望させる。と言う点において十分であった。


「んー。めんどくさいからそろそろおわらせよーね」


吹き飛ばされているサタンを時間操作で鈍化させる。すると、メタトロンの片側の目である青眼には、アナログ時計の盤面のような刻印が浮かび、もう片方、赤の隻眼には見るだけで吸い込まれるような、空間のような幾何学な模様が浮かんでいた。


メタトロンが静かに片手を掲げ、目を細めながら小声で


「ばいばい」


と呟くと、対象の周囲に時の断面図と空間の幾何模様が重なり、光も音も吸い込まれるように静止。そのままサタンは、世界から痕跡も、そこにいたという記録すらも残さず消滅する。


「な......」


その様子を見ていたリノア達は絶句する。サタンを一瞬で消してしまった。さらにその技の発動時、光すらも吸い込まれていたのを見えていた。


「メ、メタ。一体何をしたの?」


「ん?せかいからけした。あのあくまを」


理解不能であった。自分たちが手こずっていた悪魔を瞬殺してしまった。更には世界から抹消した...?何を言っているのだこの子は。と。しかし同時に、リノア達はメタトロンが敵じゃなくて良かったと安心するのだった。



あの、メタさん。


「?」


強すぎませんか


「ん〜...。でもめたはもともとこのつよさだからな〜」


まぁたしかに、メタの強さをそう設定した私も悪いけどさぁ....


「もじさんはわるくないよ。めたがそーゆーちからなだけ。ね?」


....めたちゃん......


「ん?」


すきだ......

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ