表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生概念における願望空想論  作者: coll
黄金郷編
61/91

極僅かな光

ちょっとした秘話。

ボロンティクの神達は全員兄弟です。母親は違うけど。分かりやすく言うとゼウスみたいな感じですね。

「とは言ったものの...。あの悪魔の能力が分からない以上、攻略なんて出来るかどうか...」


「彼奴の能力...か...」


リノアはまだ状況は変わっていないということに悲観して嘆いている。それに反してアヴァロンは悪魔の能力がなんなのか、脳を全力で回転させながら集中して見つめる。


「...所詮雑魚。捻り潰す」


「っ!!」


っぶねぇ!!なんとか反応できた...。こいつ...なんて速さだ。前来た七大悪魔のマモンとは比にならんレベルで速ぇし、攻撃が重すぎる...ッ!!全力で受け止めねぇとキツイッ...!!


「フッ!!」


カラが攻撃を受け止めている際に、アプチは黒炎を放つが、またも無傷の様子。何故効かないのか分からない相手に、思わず舌打ちが出るアプチ。


「攻撃は効かん。大人しく、死ね」


そう言い放つと、闇のオーラを放つ悪魔。カラ達はそのオーラを全身で感じた後、何かおぞましい物を感じる。鳥肌は立ち、顔は青ざめ、まるで蛇に睨まれた蛙のように動きが停止する。


身体が微動だにしない...!!


なっ...!ど、どうして!?


瞬きすらも出来ない。まるで身体がなにかに縛られたような感覚に陥り、アヴァロン達はただ悪魔を見つめることしか出来ない。すると


「動け...ぇっ...!!!」


「っ!?」


僅かながら身体が動き始めるカラ。その光景を見て、心の底から驚愕している様子の悪魔。突然急激に加速し、悪魔にカラの一撃が当たる。


「ぐ...っ!!」


全力で殴られた悪魔は、そのまま遠くへと吹き飛ばされる。しかし、動くことに全力を注いだカラは、肩で息をする程に疲労している。


「う、動いた...!!」


「多分カラ君が殴ったおかげで解けたのかな...?」


「おそらくそうじゃな...」


しかし、そんな状況に驚く訳にも行かず、アヴァロンは、縛られる前も今もずっと頭をフル回転させ、悪魔の能力が何なのかを考えている。


「カラ君。なぜ君はあの状況下で動けたんだい?」


アプチは先程起こっていた事を疑問に思い、そう質問するが、カラは首を横に振る。


「それは、カラにも分かりません。カラはただ無我夢中で動けと願ったのみです...」


「そうか...。けどありがとう。君のおかげで僕たちは動くことが出来た」


「いえ、大丈夫です。それより...」


カラは悪魔が遠くへ吹き飛んだ方を見るが、そこにいる気配は無い。つまりどこかへ行ったというわけだ。必死に気配を探るカラ。


「ここだ」


なっ!?いつの間に俺の懐に!?それに関してはもう、速いとかそういうレベルじゃないだろ!!


なんとか反応を間に合わせ、悪魔の攻撃を相殺させる。しかし、お互いの力の影響で後ろへ滑る2人と、ぶつかった風圧により、カラと同じく飛ばされるアプチ。


「大丈夫かい?カラ君」


「はい、大丈夫です!それにしてもなんなんでしょうアイツの能力...」


悪魔の攻撃をギリギリ避けることが出来たとしても、それはカラ達が有利になったことにはならない。能力の詳細が分からない限りは。


「余の力が知りたいか」


悪魔は冷徹な目をしながらこちらにそう語り掛ける。カラ達は悪魔が何を考えているのか全く読めない為、厳重に警戒する。


「だが、拒否する。何も分からぬ状態で朽ち果てると良い...」


そう言い、悪魔は前に手を伸ばす。何かするのは分かっていた。しかし、何も理解出来ずに、再びカラ達は動きが停止する。


まただ。一体この能力はなんなんだ...


アンデスは何も出来ないこの状態に、少々ウンザリし始める。すると、再びカラがゆっくり動き始める。更に、先程と比べて動きが速くなっている様子で、そんなカラに悪魔は舌打ちし、後ろに下がってから力を解く。力を解いたせいで、その勢いのままカラはコケそうになる。


「っとと...」


「...貴様。何故動ける」


悪魔は、何故か自身の能力に適応し始めているカラに少し動揺している様子で、何故適応しているのか知ろうとする。


「さぁ...。どうしてだろうね」


カラはニヤリと笑い、悪魔に対しブラフをかける。そんなカラに悪魔は鋭い眼光を向ける。しかしカラ自身も、何故悪魔の能力に耐性が着き始めたのか全く分かっていない。自身の能力にそういった力があるのだろうか...。そんな事が脳裏に浮かぶ。


「面白い」


悪魔はギアを上げ、再び反応できない程の速さで移動する。


「な...更に速くなった!?」


「今までのは本気では無いか...。まぁなんとなく分かっておったが...」


アヴァロンは何も出来ない自分に歯がゆくなるが、それよりも悪魔の能力の解明に脳のリソースを割く。


「それにしてもなんなのでしょう...あの悪魔の能力」


「うーん...黒炎は効かず、私たちの動きを封じる。でも思考までは封じていない...。そして悪魔のあの驚き方...」


リノアとクゥロも、アヴァロンと一緒に悪魔の能力について考える。


「能力無効化や時間停止と言うものでは無いのは確定しておる。しかし、あの驚き方からすると、本来あの能力を発動すれば動くことは出来ないという事か...」


3人は悪魔とカラの激戦を見て、少々焦りながらも冷静に話し合う。すると、何かに気づき、青ざめた表情で2人を見つめるリノア。


「どうしたんじゃ?絶望したような顔をして」


そんなリノアが気になった2人は疑問に思い、どうしたのか聞くことにする。


「もし、もしもですよ...。封じること自体が能力だったら全て繋がりませんか?」


2人はリノアの話を聞き、数秒間思考が巡らせた後、リノアが言った事が本当に全て繋がることに気づき、3人は更に絶望する。それはつまり、この悪魔に対しての対策法がほとんど無いと言うことに他ならないからだ。


「どうしますか?言い...ますか?」


リノアは2人に確認する。悪魔の能力についてカラ達に教えるべきか否かを。リノアの言葉に2人は俯く。なぜならそれはカラとアプチの士気を下げてしまわないか心配している為だ。


「...どう?あの悪魔の力分かった?」


3人の表情が変わったのが見えていたのか、カラは軽く質問を投げかけると、3人は気まずそうな表情をする。


「分かったのは分かったんですけど...」


リノアは言おうとしたが、言ったとして、2人が諦めてしまったらどうしよう。という不安から言葉が詰まる。


「分かったよ」


そんなリノアを見て、クゥロは真っ直ぐな目でカラを見つめる。そんなクゥロに驚き、リノアは思わずクゥロを見つめる。すると、彼女は少し微笑み、頷く。


「その悪魔の力は、封印する力を持ってる。それもただ封印するだけじゃなく、黒炎の抹消する力、私たちの思考以外の動きを封印などのところから考えて、事象を封印する力だと思うよ」


凄い...。この子達はまだ幼子だと言うのに、ここまでの精神力と勇気を持っているのか...。なんと強い子達なのだろうか...


アンデスは、クゥロ達の魔王と戦うという覚悟が生半可なものでは無い事をその身で感じ、この子達ならば、どんな暗闇の中でも照らしてくれる光となってくれる。そう強く決心する。


「事象を封印か...」


「なるほど...」


それを知り、カラとアプチは目を合わせ、困惑や動揺、そして少しばかり不安を抱いていたが、すぐさま無くなり、クゥロ達に満面の笑みを見せ


「ありがとう!3人とも!」


「君たちのおかげで、能力に気をつけながら戦えるよ」


と、励ます。それを見た3人は思わず笑ってしまう。カラが笑顔なら大丈夫なのだろうと、何故かそんな自信が湧き出てくる。


「...やっと理解したか」


悪魔は呆れた表情でそう呟く。どうやら敵であるはずの悪魔に、どこか期待されていたようだ。


「しかし、分かったところでカラ達は...」


「大丈夫ですアンデス様!カラ様を信じましょう!」


「彼奴ならやってくれるじゃろう...」


アンデスの不安とは裏腹に、リノア達はカラを心から信頼している様子。そんなリノア達の表情を見て、アンデスはもしかしたらと期待を抱く。


「ここからは本気で行く。良いですね?アプチさん」


「もちろん...僕もそのつもりだったよ」


「待てアプチ!その姿は...!!」


アンデスは何かを察知し、アプチを止めようとしたが、2人はオーラを徐々に強くしていく。そして、カラは半電子状態へと入り、アプチは先程まで羽織っていた黒炎の衣を完全に纏いだす。黒炎は身体に刻まれ、紋様へと変化する。そしてアプチの瞳の色は反転しており、身体からは僅かながら漆黒の炎が溢れ出ている。


「ごめんね...アンデス。こいつと戦うにはこれしかないんだ...」


「アプチ...」


己が冥界の統括者だと全員に言い聞かせるような、禍々しくもどこか悲しいオーラにリノア達は圧倒される。


「アプチさんのあの姿は何ですか?アンデスさん」


クゥロはアプチの形態について質問する。事実、アンデスはアプチの事を誰よりも知っている存在の為、アンデスに聞くのは正解だ。


「あの姿はウ・ツォーク・クァーク。その力は絶大で、アプチ自身の身体能力向上と、黒炎の全てを燃やし尽くす力によって発動される、アプチの最強にして最大の必殺技だ」


「そ、そうなの」


「違う。私が聞きたいのはそっちじゃない」


アンデスの説明を聞き、リノアが凄そうだと目を輝かせた瞬間、クゥロは少し苛立ったような様子で言葉を放つ。


「あの姿のデメリットを教えてって言ってるの」


すると今度は少し焦りながら再度質問する。その質問に顔を俯かせ、言い淀むアンデス。そんな2人の様子にリノアは何か分からず困惑している様だが、アヴァロンはもうなんとなく分かっているようだった。


「あの形態の意味は終焔...。つまり、終わりの炎だと言うことだ」


「え、終わりの炎...?」


アンデスは神妙な面持ちのままそう言うと、3人の空気はシンと静まる。それが何を意味しているのか、3人はなんとなく理解したからだ。


「つまりアプチさんは死ぬという事だよね」


クゥロはアンデスにそう聞くと、アンデスは辛そうな表情のまま静かに頷く。


「そんな...」


「"自身の命を代償に"か...。なんという覚悟なんじゃ、あの統括者は...」


アプチの終焔状態の代償をアンデスの口から聞き、3人は思っていたことが当たっていた。が、やはりどこか嘘であって欲しいとも願っていたのだ。命を代償に悪魔を倒す。出会って間も無いのにもう居なくなってしまうなんて、そんな悲しいことがあるのだろうかと。


「...アプチさん」


「どうしたんだいカラ君」


4人の会話しているところを見ていたカラは、少し心配そうにアプチを見つめる。アプチ本人は相変わらず虚ろげな表情をしているが、その時だけは何故か真っ黒なその瞳が輝いたように見えた。


「いや、なんでも無いです...。行きましょう!!」


「そうだな」


「来い。そして己が無力であることを知れ」



楽しくなってきたァ!!


「随分と楽しんでる様子だね」


そりゃあ楽しいでしょ!だってアプチの最強形態&カラの現状最強形態vs七大悪魔なんだから!


「一応、文字君はこの先の展開わかってるんだよね?」


ん?うんそう!でもやっぱり楽しいもんは楽しいよ!


「そうか。それなら良かった...と言っていいのかな?」


うん!ありがとう君たち!こんな楽しい戦いを見せてくれて!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ