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転生概念における願望空想論  作者: coll
黄金郷編
58/91

奇想天外

ここのスペース何書けばいいかわからんくなってきた。何も書かなくて良いのかしら。

「も、問題...?」


カラ達は突然の事に脳が追いついておらず、分かりやすく困惑している様子。


「フンカメーは冥界に訪れた者に問題を出し、不正解なればその場で死に、全てが正解ならフンカメーから下層へ行く権利が貰える。と言うとんでもない神なんだ...」


「え!?死ぬ!?」


たかが問題を間違えたという事だけで人の命が消えるのか...。


カラ達はフンカメーと言う神のやばさにドン引きする。


「ここでお主らには良いことを教えよう」


「え?良いこと...?」


「私の問題は全部で七問。それら全て答えればお主らは下の層へ行けるであろうな!」


フンカメーは狂喜乱舞しながらとんでもない事をサラッと言う。


「く、狂ってる...」


「どうすればいいんだぁー!!」


フンカメーの問題は命に関わる故、ただの一つも外してはいけない。その上に、問題数が七つもある。普通に考えて頭がおかしすぎる...。この神は命と言うものを軽く見すぎている...。


「ではゆくぞぉ!第一問ッ!」


「は!?いきなり!?」


有無を言わさずにフンカメーは、命をかけたクイズを始める。準備も何も出来ていないカラ達は焦りを見せる。すると、フンカメーは力強く柏手をし、首を90度曲げ始める。


「人が死ねば死人なら、死人が生きれば人か否か」


声のトーンがいきなり変わり、カラ達に、何かが重くのしかかったような感覚が降りかかる。


「な、なんだこの感覚...ッ」


「逃げることすら出来ない...」


カラ達は大量の冷や汗を流しながら、フンカメーの方を見つめる。


「それよりも...。問題を解かないといけないね...」


クゥロは深呼吸して落ち着き、冷静に先の問題について考え始める。


「確かに人が死んだら死人と呼ばれる...。けれど、死人が生きていたらそれは死人というの...?」


「まず生命って何なのでしょうか...」


...とんでもなくムズい問題が出されると思ったが、フンカメーは哲学的な事を問う者なのか...。でもこれはこれでムズいぞ...。


「これには妾が答えようぞ」


唐突にアヴァロンは自信満々な顔で声を上げ、カラ達はいきなりのアヴァロンの発言に驚愕する。


「ア、アヴァロン様が!?」


「答えが分かるの!?」


「まぁ見とくといいさ」


ルヴラが興奮気味に質問すると、アヴァロンは口角を上げてそう答える。そんな様子のアヴァロンを見て、少しだけ。ほんの少しだけフンカメーは期待をする。


「答えよ。隻眼の少女よ」


フンカメーのその眼差しは、好きな物に没頭する少年のような、強敵と出会い、自身の本気をぶつけることが出来ると知ったような、そんなワクワクした声色でアヴァロンの答えを今か今かと待つ。


「答えは否...。死んでも生きていれば死人ではない。じゃな」


「そ、そうなのですか...?」


カラ達はアヴァロンにそう聞くが、アヴァロンは無言を貫く。おそらく、フンカメーに理由を聞かれた時に答えるのだろう。すると、想定通り、フンカメーは目を細め


「何故、否なのか...理由を述べよ」


と、アヴァロンに問う。その瞬間、威圧のような何かが、先程の倍以上に重くのしかかり、カラ達に緊張感を与え、息を荒らげ、そして青ざめる。すぐ側にある生命の危機、その殺気に。


「理由?はっ!そんなのは至って簡単な事じゃ」


アヴァロンは自身の答えに確信を持っていたのか、間際に死があろうと、堂々としている様子だ。


「妾達はこの目で見たからのぅ。死人が生きている姿を」


「え...?」


アヴァロンの答えにリノア、ルヴラ、シフィそしてアンデスは呆然としており、理解出来ていない様子。それに対し、何故アヴァロンがその答えを出したのか、必死に考えるカラとクゥロ。すると、そんな一同に呆れ、アヴァロンはため息を吐いた後、後頭部を掻きむしり始める。


「なんじゃお主ら...もう忘れたのか?お主らは会ったじゃろう。イファの母と」


「え!?」


「頼むぞ...お主ら...」


で、でもあの人は死んでから蘇ったって...。あ!


リノア達もその事の記憶を手繰っていると、納得し始める。


「死人は蘇れば死人から生者となり、死んでも生きてる判定になる...という事?」


「そういう事じゃな」


アヴァロンはこの答えにかなりの自信があるようで、ドヤ顔をしながら指をふりふりし、うんうんと頷く。


「それでよいのだな?」


再び、先程の圧を出すフンカメー。その圧に、ほのぼのしていたカラ達の雰囲気が一瞬で消される。


「...ああ、良いぞ?」


しかし、アヴァロンは依然として自信満々の様子でそう答える。するとフンカメーは目を閉じる。辺りには静寂が訪れ、ただ緊張感だけがカラ達の身体を縛り付ける。


「第一の問...。正解じゃ!!いやー!素晴らしい回答だったぞ!さすが年齢を重ねているだけあるな!ハッハッハ!」


フンカメーは変な踊りをしながら拍手をしてくれている。そしてカラ達に重くのしかかった殺気は消え去り、一同、深く安堵する。


「よ、良かった...!!」


「はぁーっ...。し、死ぬかと思った...」


「それにしても、何故あの答えが正解なのでしょう?」


リノアの謎はまだ消えていないようで、思わずそんな言葉が口から出てしまう。すると、アヴァロンは探偵キャラのように説明を始める。


「それは、この問いには答えることが出来ないからじゃな」


「...え?」


「答えることが出来ない...?」


アヴァロンから放たれた衝撃の事実にカラ達は驚愕する。


「答えられないのなら、どうやってこの問題を解くのですか!何も言えないじゃないですか!」


「そう。そこがこのフンカメーの罠なんじゃ」


「罠...?」


リノア達は何のことかわかっていない様子。すると、クゥロは何か分かったようで


「なるほどね」


と、一人呟く。しかし、その呟きを逃さなかったリノアは


「何のことなのですか!?教えてください!!クゥロ様!!!」


「わ、わかった...分かったから」


とクゥロの方を掴み、クゥロを前後に揺らしながら教えて教えてと強請りまくる。そんなリノアに困惑しながら承諾するクゥロだった。


「私たちがこの層に来た時、アンデスはなんて言ってた?」


「え...?えっと...『不正解ならその場で死ぬ』って言ってました」


クゥロの質問にリノアはアンデスの言葉を思い出し、即座に答える。その答えに、合ってると言わんばかりにクゥロは頷く。


「この層において、不正解とは答えを間違えることではなく、何も答えない事なんだと思うよ」


「...どういう事なのですか?」


「それはつまり、出題者視点で言えば、その人は答えを持っていない事となるし、そうなると、自分を持っていない面白みのない人間。という判定になるからね」


クゥロの話をフンカメーは自身の玉座に座り、顔を俯かせながら静聴している。


「そしてフンカメーの問いはジャンルでいえば哲学。答えが存在しない。いや、厳密に言えば、答えは誰も答えられない。って言うのが正解だね」


〝答えられない...ですか?〟


すると、傍でクゥロの話を聞いていたシフィも会話に参戦する。ちなみにルヴラはもうパンクして、頭から煙が出ている。


「普通の問題。うーん...算数の話をしよう。確かにこれには様々な答えがあり、人々はそれらで答えや定義を討論し合ったりする。けれどそれは、法則で決まった上で、その定義によって答えが用意されている。言わば答えは複数あれど、その人の定義によって答えが存在するという事」


「...な、なんか難しくなってきたな」


クゥロの話を聞いていると、カラまでもが少々頭を混乱させ始め、カラは苦笑いしながら、クゥロは自分より頭が良いのか...。と少し複雑な感情になる。


「一方でこの哲学と言うジャンルの問題は、答えを出されていても、誰も正解を持ち出せないんだよ」


「どうしてですか!?」


「それは、答えを出したとしても、なぜその答えになるのか?と無限に問いが生まれるからだよ」


〝そういうことなのですか...!!〟


リノアとシフィは興味津々でクゥロの話を聞いている。そんな状況にカラは驚きを隠せずにいる。


この2人凄いな...。俺なら途中で眠くなって寝てしまう自信しかない...。


「まぁ簡単に言えば、科学は決められたレールで答えを決めている。哲学はレールはなく縦横無尽に答えを求めているという事じゃよ」


アヴァロンは話を締める為に、リノアとシフィにキメ顔をしながらそう言うと、2人は目を輝かせながら、嬉しそうに縦に揺れ、


「なるほど...。算数は答えを決めてて哲学は答えを求めてる...凄いです!!」


〝な、なんか賢くなった気分ですね!リノアさん!〟


と子供のように話す。いやまぁ、子供ではあるんだけども。


「素晴らしい解説ありがとう。だが、少しだけ間違えているな...」


「...何を間違えてるの?」


フンカメーが話しかけてきたことにより、先程のほのぼの空間は一瞬で消え、一同警戒心MAXへ変化する。


「私の問題の不正解は、沈黙するか私を納得させることが出来なかったか...だ」


「な...!?」


そんな理不尽なこの解答の定義をフンカメーが嘲笑うように告げると、カラ達は納得がいかないと言った表情と化す。


「そ、そんなのわたくし達不利じゃ...!」


「ハッハッハ!何をぬかしているのだ?当たり前であろう!何故私が貴様らの都合を考え、甘ったるい条件でこの問題を提示せねばならんのだ」


「く、狂ってる...」


カラ達はフンカメーの本当のヤバさを理解し、恐怖し怯え、そして絶望する。


「何故下の層に行くだけで、命を取られなければならないんだ」


見てられなかったアンデスは、フンカメーに対しそう質問する。今までの表情とは全く違う嫌悪に満ちた表情で。


「...何を言っているのだ落ちこぼれ。ここは冥界だぞ...?」


刹那、フンカメーはアンデスの目の前に移動し、0距離でアンデスを威圧する。


「貴様のルールなどここでは通用しないのだ。せいぜい私を楽しませるくらいはしろよ...な?臆病者」


「...っ」


アンデスはフンカメーのとてつもない殺気に圧倒されたのか、何も言い返すことが出来ず下唇を噛む。


「それでは再開しよう...第二の問いを!!ふっふっふ...楽しみだ」


フンカメーはカラ達の文句を塞ぐように、立て続けに問題を提示する。理不尽かつ狂気的な最低最悪のルールの問題の。


す、すごい神だな...フンカメー...。


「でも作ったの文字さんですよね?」


あははは。はい...その通りです。でも、純粋な悪って良いですよね!?


「確かにそういうのも悪くは無いですけど...」


...あ、そんなに...ですか...


「そ、そんなにしょぼくれないでください!!わたくしが悪かったです!」


その気遣いもツライ...

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