奇想天外
ここのスペース何書けばいいかわからんくなってきた。何も書かなくて良いのかしら。
「も、問題...?」
カラ達は突然の事に脳が追いついておらず、分かりやすく困惑している様子。
「フンカメーは冥界に訪れた者に問題を出し、不正解なればその場で死に、全てが正解ならフンカメーから下層へ行く権利が貰える。と言うとんでもない神なんだ...」
「え!?死ぬ!?」
たかが問題を間違えたという事だけで人の命が消えるのか...。
カラ達はフンカメーと言う神のやばさにドン引きする。
「ここでお主らには良いことを教えよう」
「え?良いこと...?」
「私の問題は全部で七問。それら全て答えればお主らは下の層へ行けるであろうな!」
フンカメーは狂喜乱舞しながらとんでもない事をサラッと言う。
「く、狂ってる...」
「どうすればいいんだぁー!!」
フンカメーの問題は命に関わる故、ただの一つも外してはいけない。その上に、問題数が七つもある。普通に考えて頭がおかしすぎる...。この神は命と言うものを軽く見すぎている...。
「ではゆくぞぉ!第一問ッ!」
「は!?いきなり!?」
有無を言わさずにフンカメーは、命をかけたクイズを始める。準備も何も出来ていないカラ達は焦りを見せる。すると、フンカメーは力強く柏手をし、首を90度曲げ始める。
「人が死ねば死人なら、死人が生きれば人か否か」
声のトーンがいきなり変わり、カラ達に、何かが重くのしかかったような感覚が降りかかる。
「な、なんだこの感覚...ッ」
「逃げることすら出来ない...」
カラ達は大量の冷や汗を流しながら、フンカメーの方を見つめる。
「それよりも...。問題を解かないといけないね...」
クゥロは深呼吸して落ち着き、冷静に先の問題について考え始める。
「確かに人が死んだら死人と呼ばれる...。けれど、死人が生きていたらそれは死人というの...?」
「まず生命って何なのでしょうか...」
...とんでもなくムズい問題が出されると思ったが、フンカメーは哲学的な事を問う者なのか...。でもこれはこれでムズいぞ...。
「これには妾が答えようぞ」
唐突にアヴァロンは自信満々な顔で声を上げ、カラ達はいきなりのアヴァロンの発言に驚愕する。
「ア、アヴァロン様が!?」
「答えが分かるの!?」
「まぁ見とくといいさ」
ルヴラが興奮気味に質問すると、アヴァロンは口角を上げてそう答える。そんな様子のアヴァロンを見て、少しだけ。ほんの少しだけフンカメーは期待をする。
「答えよ。隻眼の少女よ」
フンカメーのその眼差しは、好きな物に没頭する少年のような、強敵と出会い、自身の本気をぶつけることが出来ると知ったような、そんなワクワクした声色でアヴァロンの答えを今か今かと待つ。
「答えは否...。死んでも生きていれば死人ではない。じゃな」
「そ、そうなのですか...?」
カラ達はアヴァロンにそう聞くが、アヴァロンは無言を貫く。おそらく、フンカメーに理由を聞かれた時に答えるのだろう。すると、想定通り、フンカメーは目を細め
「何故、否なのか...理由を述べよ」
と、アヴァロンに問う。その瞬間、威圧のような何かが、先程の倍以上に重くのしかかり、カラ達に緊張感を与え、息を荒らげ、そして青ざめる。すぐ側にある生命の危機、その殺気に。
「理由?はっ!そんなのは至って簡単な事じゃ」
アヴァロンは自身の答えに確信を持っていたのか、間際に死があろうと、堂々としている様子だ。
「妾達はこの目で見たからのぅ。死人が生きている姿を」
「え...?」
アヴァロンの答えにリノア、ルヴラ、シフィそしてアンデスは呆然としており、理解出来ていない様子。それに対し、何故アヴァロンがその答えを出したのか、必死に考えるカラとクゥロ。すると、そんな一同に呆れ、アヴァロンはため息を吐いた後、後頭部を掻きむしり始める。
「なんじゃお主ら...もう忘れたのか?お主らは会ったじゃろう。イファの母と」
「え!?」
「頼むぞ...お主ら...」
で、でもあの人は死んでから蘇ったって...。あ!
リノア達もその事の記憶を手繰っていると、納得し始める。
「死人は蘇れば死人から生者となり、死んでも生きてる判定になる...という事?」
「そういう事じゃな」
アヴァロンはこの答えにかなりの自信があるようで、ドヤ顔をしながら指をふりふりし、うんうんと頷く。
「それでよいのだな?」
再び、先程の圧を出すフンカメー。その圧に、ほのぼのしていたカラ達の雰囲気が一瞬で消される。
「...ああ、良いぞ?」
しかし、アヴァロンは依然として自信満々の様子でそう答える。するとフンカメーは目を閉じる。辺りには静寂が訪れ、ただ緊張感だけがカラ達の身体を縛り付ける。
「第一の問...。正解じゃ!!いやー!素晴らしい回答だったぞ!さすが年齢を重ねているだけあるな!ハッハッハ!」
フンカメーは変な踊りをしながら拍手をしてくれている。そしてカラ達に重くのしかかった殺気は消え去り、一同、深く安堵する。
「よ、良かった...!!」
「はぁーっ...。し、死ぬかと思った...」
「それにしても、何故あの答えが正解なのでしょう?」
リノアの謎はまだ消えていないようで、思わずそんな言葉が口から出てしまう。すると、アヴァロンは探偵キャラのように説明を始める。
「それは、この問いには答えることが出来ないからじゃな」
「...え?」
「答えることが出来ない...?」
アヴァロンから放たれた衝撃の事実にカラ達は驚愕する。
「答えられないのなら、どうやってこの問題を解くのですか!何も言えないじゃないですか!」
「そう。そこがこのフンカメーの罠なんじゃ」
「罠...?」
リノア達は何のことかわかっていない様子。すると、クゥロは何か分かったようで
「なるほどね」
と、一人呟く。しかし、その呟きを逃さなかったリノアは
「何のことなのですか!?教えてください!!クゥロ様!!!」
「わ、わかった...分かったから」
とクゥロの方を掴み、クゥロを前後に揺らしながら教えて教えてと強請りまくる。そんなリノアに困惑しながら承諾するクゥロだった。
「私たちがこの層に来た時、アンデスはなんて言ってた?」
「え...?えっと...『不正解ならその場で死ぬ』って言ってました」
クゥロの質問にリノアはアンデスの言葉を思い出し、即座に答える。その答えに、合ってると言わんばかりにクゥロは頷く。
「この層において、不正解とは答えを間違えることではなく、何も答えない事なんだと思うよ」
「...どういう事なのですか?」
「それはつまり、出題者視点で言えば、その人は答えを持っていない事となるし、そうなると、自分を持っていない面白みのない人間。という判定になるからね」
クゥロの話をフンカメーは自身の玉座に座り、顔を俯かせながら静聴している。
「そしてフンカメーの問いはジャンルでいえば哲学。答えが存在しない。いや、厳密に言えば、答えは誰も答えられない。って言うのが正解だね」
〝答えられない...ですか?〟
すると、傍でクゥロの話を聞いていたシフィも会話に参戦する。ちなみにルヴラはもうパンクして、頭から煙が出ている。
「普通の問題。うーん...算数の話をしよう。確かにこれには様々な答えがあり、人々はそれらで答えや定義を討論し合ったりする。けれどそれは、法則で決まった上で、その定義によって答えが用意されている。言わば答えは複数あれど、その人の定義によって答えが存在するという事」
「...な、なんか難しくなってきたな」
クゥロの話を聞いていると、カラまでもが少々頭を混乱させ始め、カラは苦笑いしながら、クゥロは自分より頭が良いのか...。と少し複雑な感情になる。
「一方でこの哲学と言うジャンルの問題は、答えを出されていても、誰も正解を持ち出せないんだよ」
「どうしてですか!?」
「それは、答えを出したとしても、なぜその答えになるのか?と無限に問いが生まれるからだよ」
〝そういうことなのですか...!!〟
リノアとシフィは興味津々でクゥロの話を聞いている。そんな状況にカラは驚きを隠せずにいる。
この2人凄いな...。俺なら途中で眠くなって寝てしまう自信しかない...。
「まぁ簡単に言えば、科学は決められたレールで答えを決めている。哲学はレールはなく縦横無尽に答えを求めているという事じゃよ」
アヴァロンは話を締める為に、リノアとシフィにキメ顔をしながらそう言うと、2人は目を輝かせながら、嬉しそうに縦に揺れ、
「なるほど...。算数は答えを決めてて哲学は答えを求めてる...凄いです!!」
〝な、なんか賢くなった気分ですね!リノアさん!〟
と子供のように話す。いやまぁ、子供ではあるんだけども。
「素晴らしい解説ありがとう。だが、少しだけ間違えているな...」
「...何を間違えてるの?」
フンカメーが話しかけてきたことにより、先程のほのぼの空間は一瞬で消え、一同警戒心MAXへ変化する。
「私の問題の不正解は、沈黙するか私を納得させることが出来なかったか...だ」
「な...!?」
そんな理不尽なこの解答の定義をフンカメーが嘲笑うように告げると、カラ達は納得がいかないと言った表情と化す。
「そ、そんなのわたくし達不利じゃ...!」
「ハッハッハ!何をぬかしているのだ?当たり前であろう!何故私が貴様らの都合を考え、甘ったるい条件でこの問題を提示せねばならんのだ」
「く、狂ってる...」
カラ達はフンカメーの本当のヤバさを理解し、恐怖し怯え、そして絶望する。
「何故下の層に行くだけで、命を取られなければならないんだ」
見てられなかったアンデスは、フンカメーに対しそう質問する。今までの表情とは全く違う嫌悪に満ちた表情で。
「...何を言っているのだ落ちこぼれ。ここは冥界だぞ...?」
刹那、フンカメーはアンデスの目の前に移動し、0距離でアンデスを威圧する。
「貴様のルールなどここでは通用しないのだ。せいぜい私を楽しませるくらいはしろよ...な?臆病者」
「...っ」
アンデスはフンカメーのとてつもない殺気に圧倒されたのか、何も言い返すことが出来ず下唇を噛む。
「それでは再開しよう...第二の問いを!!ふっふっふ...楽しみだ」
フンカメーはカラ達の文句を塞ぐように、立て続けに問題を提示する。理不尽かつ狂気的な最低最悪のルールの問題の。
す、すごい神だな...フンカメー...。
「でも作ったの文字さんですよね?」
あははは。はい...その通りです。でも、純粋な悪って良いですよね!?
「確かにそういうのも悪くは無いですけど...」
...あ、そんなに...ですか...
「そ、そんなにしょぼくれないでください!!わたくしが悪かったです!」
その気遣いもツライ...




