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転生概念における願望空想論  作者: coll
エリュシオン編
41/91

ある種の才能

もうそろそろ冬へと...いやもう冬ですね。急に寒くなって...。秋はもう消えてしまったのですね...涙が止まりません。

そこから2週間後、天使達によるカラ達の強化週間が終わったので存分に休んでいると、アヴァロンがカラに対し


「カラ。お主、ここ数週間でどれほど強くなったか見せてくれんか?」


と、ニヤりと笑いながら聞く。そんな話にリノア達は興味津々になり、


「遂に来たー!!待ってたー!!」


「も、もしかして戦うのですか!?」


〝人類最強の剣士対転生者...〟


「見ものだね...」


と様々な反応をする。カラはそんなリノアたちを横目にアヴァロンに対し


「もしかして、戦わないかって聞いてるの?だったらカラ、嫌なんだけど」


そう嫌そうな顔をしながら言い、断るカラ。


「...なら、有無を言わさず」


アヴァロンは、嫌そうなカラに、無理やり戦わせる為に一瞬で近づき、本気で剣を振るう。


「っ...!?」


油断していたカラは一瞬焦りを見せるも、ギリギリ仰け反りながらアヴァロンの剣筋を避ける。


「危ないなぁ...」


ふぅ...。とホッと息を吐き、自身の額から流れてきた冷や汗を拭う。これは本気で戦わないとマズい。そう思ったカラは、集中してアヴァロンを見つめる。


「はははっ...。戦う気が起きたか、カラ」


アヴァロンはまるでおもちゃを与えられた子供のように、無邪気に笑う。


「戦う気を起こさせたのはそっちでしょ...っ!!」


<trans>


アヴァロンの発言に、不満を言いながらもアヴァロンの方へと一瞬で移動し、攻撃を与えようとする。


「っ!!」


一瞬すぎて認識できなかったアヴァロンは、咄嗟に剣を盾替わりにする。


「ぐっ...!!」


カラの殴られた勢いで、後ろへと吹き飛ばされるアヴァロン。しかし、途中で体勢を整え、なんとか耐える。


「もしかして、反応が追いつかなかったり?」


カラはアヴァロンの反応の違和感に気づいており、煽るように質問する。


「...ふふっ。本当にお主は成長が早いのぅっ!!」


アヴァロンは2つの斬撃をカラに向けて放つ。そんな技にカラは


「ぅえ!?そんなの見たことないって!」


と、驚愕し、焦りながら避ける。


「妾は、長年剣と向き合って来たからのぅ...。技の種類と剣さばきだけなら豊富じゃっ!!」


アヴァロンはまたも笑いながら言った後、再び斬撃を飛ばす。


「うぐっ...」


ギリギリのところで躱すカラ。しかしその表情は避けるのに必死。


近づこうにも近づけん...。斬撃の速さがやっと反応できるレベルに速い...。更に、あの斬撃一つ一つが致命傷になる程だぞ...。


「どうしたカラ!近づいてこんのか!!」


満面の笑みで斬撃を飛ばしまくるアヴァロン。そんなアヴァロンにカラは痺れを切らしたのか、レーザーを放つ。


「一か八かだ!!」


「うぉっ!?」


意表を突かれ、慌てて避けるアヴァロン。その隙を突き、カラはアヴァロンの近くへと一瞬で移動する。


マズい...!!


アヴァロンは即座に思う。今はレーザーを避けている最中。つまり隙だらけ。そんな時にカラが近くにいるのであれば、ほぼ確定でやられる。カラの拳がアヴァロンの方へと近づいてくる。するとアヴァロンは何かを思いついたと思いきや突然、避けた勢いのまま倒れる。そんな予想外の動きにカラは驚愕する。カラの拳は振った後なので、今度はカラが隙だらけ。チャンスは一瞬にしてピンチへと変わる。


「もらったぁ!!」


アヴァロンは倒れたまま剣を全力で振る。だが突然、引っ張られたように上空へと飛び上がるカラ。


「うぉぁ!?」


「な、なんじゃ...?」


「いきなりカラが上に!!」


「何が起きた!?」


唐突な出来事に、カラを含んだ皆が驚愕する。


な、何が起きたんだ。もしかして呪い...?


今までそんな事ひとつも起きなかった為、ふとそんなことを考えるカラ。その後、ゆっくりと地面に降りる。


「な...なんだったんだろ、今の...」


〝何でしょうか...〟


遠くで2人の戦いを見ているクゥロ達は、カラの異変に違和感を覚えるも、理解が出来ないため、ただ眺めるだけであった。


「...何かはわからんが、とりあえず続けるぞ!!」


「うん!!」


そう言い、2人は戦闘再開し始める。そんな様子の2人にクゥロ達は


「また来たぁ!!」


「どっちが本当に強いのでしょうか...」


〝人類最強剣士か転生者...クゥロさんはどっちだと思いますか...?〟


「んー...正直な話。分からない。どっちにも勝ち目はある。けれど、ここ最近のカラの成長はとてつもないから、もしかしたらカラの成長がアヴァロンを超えるのかも」


クゥロはシフィからの質問を真摯に答える。そんな回答にシフィ達はへぇ〜と納得しながら頷く。


「やはりカラ。お主は転生者じゃなぁ...。能力は違うが、ライニグと似たような感覚を覚える!」


アヴァロンはそんな事を言いながら、カラの攻撃を笑いながら受け止める。


「最強に言って貰えてありがたい!!カラもライニグと同じように、魔王を倒せるほどにまで行きたいからなぁっ!!」


っ...。また体が勝手に動く。さっきまでとは言わないけども...。一体なんなんだこれは。


カラは自身の異変に違和を感じながらもアヴァロンとの戦いを続ける。


「それにしてもアヴァロン強すぎるよ...。一向に勝てる気しない...。」


「はっはぁっ!長い間鍛えてきた甲斐があったわいなァっ!!」


「フンッ!!」


喜んで突進しながら攻撃してきたアヴァロンをなんとか拳で食い止め、アヴァロンを弾き返すカラ。


「危ねぇ...!!」


「このままではお主、負けるがそれでも良いのか?」


アヴァロンは獲物を狩るような目でカラに問いかける。カラは背筋が凍る。明らかに感じた殺意。その殺意はアヴァロンを敵だと勘違いしてしまう程。


「...なら、今から本気を出すさ」


ジジッ...。カラの周りで電気が走るような音が鳴る。再び発現するのか?リノア達はそんな期待をしながら見守る。そして期待通り、カラはルシファーと戦った際に出したあの形態へと入る。


「その形態...。いつ見ても不思議な姿じゃな。まるでロキのような姿じゃ」


「ロキと違うところは頭に角が生えていることだね」


「あの時とは少し違うぞ...。その姿は」


アヴァロンが言ったように、その姿はルシファーの時に見せた姿と少し異なっており、左頬には逆さの稲妻の模様があり、その模様には電子が流れている。その模様による影響か左目の色が黄色になっていて、何故か目の中に光が走っている。


「...そうか。まぁそんなことはどうだっていい。今は」


何も音が出なかった。予備動作すらなかった。なのに関わらず、もうカラはアヴァロンの近くにおり、攻撃のモーションへと入っている。


「っ...!!」


アヴァロンですら追いつかなかったカラの速さ。それがどれほどのも物か、もう凡人には到底理解ができないだろう...。


「ふっ...」


しかし、攻撃を与えずそのまま降り立つカラ。そんなカラにアヴァロンは唖然とする。


「...何故攻撃をしない?」


「この状態になると、どうやら性格も変わるようで...。今の状態でアヴァロンを殴ってしまったら、アヴァロンが可哀想だと思ってしまった」


そんな発言にアヴァロンは唖然とする。今までのカラと全く違い、この状態のカラは少し傲慢なのだ。


「...ならば、妾も本気を出そうか」


そう言い、アヴァロンはオーラを解放する。そのオーラは、エリュシオンで見せた時と同等、もしくはそれ以上。カラはそんなアヴァロンの力に興奮を隠せず、口角が上がってしまう。


「このオーラ...ッ」


「これの状態でも、妾を可哀想と吐かすのか?童よ」


紅い殺意で染まったオーラ。そのオーラは剣神ではなく鬼神。そんな鋭く尖ったオーラを感じ、カラだけではなく、リノア達にも緊張感が走る。


「な、何あのオーラ...」


「す、凄い殺気です...」


とてつもない覇気に、リノア達は怖気付く。アヴァロンは本気で戦うのだと。


〝ほ、本気なのですか...?〟


「さぁ、分からない...。けど、もしかしたらアヴァロンは、こうでもしないとカラと本気で戦えないと思ったんじゃないかな」


アヴァロンのオーラを見て、クゥロはそう推測する。そして同時に、カラがとてつもない速さで強くなったのだと理解する。


「たった数ヶ月でアヴァロンさんと対等に...」


「普通に考えたらおかしいよね」


「まぁ...。前から転生者は異次元の力を持つって言われてたからね...」


クゥロ達は転生者の異常さをお互いに語り合っていると


「確かに、カラ君やライニグ君と言った転移者、転生者は、この世界に生まれた瞬間から桁外れな力を持っています。ですが、それで強くなれるほど、そう世の中は甘くないですよ」


と、後ろから喋りかけられる。そんな声にクゥロ達は振り向くと、そこには光の主、アフラ・マズダーがいた。


「え!?」


「マ、マズダー様!?」


「ど、どうしてここに...」


いきなり主が隣へと来たことに、驚きを隠せないクゥロ達。マズダーはにこやかに皆を落ち着かせる。


「僕がここに来た理由は、アヴァロン君とカラ君のどっちが勝つかを見たいと言うのもありますが、1番は君たちに、これだけは教えないと、と思いまして」


ずっと後ろ手のままで、マズダーはクゥロ達に話す。


「...え?何ですか?」


「教える事...?」


天使に教わること以外にあったのだと、理解するが、何を教えてもらうのかが分からない一同。すると、クゥロはマズダーに問いかける。


「さっき、貴方がここに来た時に言っていた世の中はギフトじゃない...って事?」


マズダーはクゥロの発言を聞き、驚く。この子は歳不相応に頭が回るのだと。


「...そうです。この世の中は貰った物で勝つのではなく、貰った物をどう駆使して勝つと言うことです」


「...ほー」


「例えば、とある転生者がいました。転生者はギフトとしてとんでもない力を貰いました」


なんとなく分かっていないような雰囲気を感じたのか、マズダーは説明を始める。


「ですが、この転生者は守りたいものも無ければ、天性の才能もありません。更には、強くしようという努力もありませんでした。こういう人はどうなると思います?」


〝...落ちぶれていく?〟


シフィがそう答えると、マズダーは大きく頷き


「そう!そうなんです!」


と笑顔で答える。正解したという事実にシフィはニコニコになり喜ぶ。


「言わば、何事もまずは挑戦なのです。挑戦しなければ成長をしないんです。特大な何かを貰ったのに、何もせずにそのままでい続けると、宝の持ち腐れになってしまうのです」


「ほへ〜...」


「必死になってまで誰かを助けたい。救いたい。世界を守りたい等々...。そういった目標、信念等も能力を向上させる秘訣なのです。そしてカラ君は、そういった人助けの精神が人一倍強い子のようですね。カラ君の成長速度はとてつもなく速い」


マズダーは、カラとアヴァロンを見つめる。しかしその表情から、少しだけ恐怖しているのを感じる。クゥロはそんなマズダーの表情に疑問を持ちながらも、カラ達の戦いを見守る。


「そういった自己犠牲の精神って、もしかしてある種の才能なのでしょうか」


リノアがそんな事をぼそっと呟く。その発言に聞き、マズダーは


「もしかしたら、そうなのかもしれませんね」


と、優しく笑いながら答える。




マズダーさんマズダーさん


「はいはいなんですか?」


貴方、髪が長いだけの男なのですか?


「え?えぇそうですよ?」


ほへー。でも凄いですね。髪の毛サラサラの金髪で綺麗です


「あ、ありがとうございます」


それで...。マズダーさんって才能型なんですか?


「恐らくそうですね」


ほへー。羨ましいですね

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