異世界はロリハーレムと共に。
異世界へと転生した花楽。そこで出会ったのはリノアという金髪碧眼のロリだった。リノアと話している最中に花楽は気づく、自分がTSして挙句の果てにはロリになってしまったということに。
深く絶望する花楽だが、嘆いても仕方ないと、気分を切替える。が今日はラヴィリニの姫、クゥロの誕生祭だと知る。急いで街に戻ったら、そこでクゥロと出会う...。
「ね、ねぇ...リノア...」
困惑しながらリノアに質問する。
「はい...何でしょうか...カラ様...」
リノアも困惑しながら反応する。
「なんでカラは無言で姫様に抱きつかれてるの?」
「さ、さぁ...何ででしょう...」
何でこうなったのかと言うと...ん、んんっ...時を戻そう。
「ねぇ、貴女達...話がある...」
紺色の髪の女の子は俺の事を真っ直ぐ見つめながら、そう話しかけてくる。
「ク、クゥロ様...何でここに...」
「あ、リノア...」
「あ、あの、えと...。お誕生日おめでとうございます...クゥロ様...」
今の状況で言う!?いや、まぁいいが。
「うん...」
「とりあえず、ここじゃなくて王宮で話そ...」
クゥロと呼ばれる女の子は俺たちに手を差し伸べてくれる。俺とリノアはその手を取り、立ち上がる。
「あ、は、はい...!」
「あ、え...」
と、俺は困惑していると
「貴女も着いてきて...」
そういい、クゥロという子の口角がほんのり上がるのが見えた。
「わ、分かりました...」
「あ、あのクゥロ様...」
「?」
「生誕祭パレードはよろしいのですか?」
リノアは当然の質問をする。俺も思った。途中でほっぽっていいのだろうか。姫でしょ貴女。そう思っていると
「そんな事よりあの子が気になる」
と、クゥロは俺に興味津々みたいだ。
「そ、そうですか...分かりました...」
とクゥロ姫の後ろを着いていく。その道中、小声でリノアにクゥロ姫の関係について聞いてみる。
「ね、ねぇ...リノア」
「何でしょうか...カラ様」
「クゥロ姫とは知り合いなの...?」
「はい...わたくしはクゥロ様に仕える唯一のお手伝いですので...」
「お手伝い...」
だから口調が丁寧で、お淑やかなんだ...
なんて話していると、王宮が近づいてくる...。
「うわぁ...すご...」
ヨーロッパの城みたいな感じで、その凄まじさに感嘆の声を漏らしてしまう。
「ここが、ラヴィリニの城で、バットゥヴェリ城と言います。」
「バットゥヴェリ城...」
すんごい名前。小文字多くない?なんて変なことを思っていると、メイドや執事が頭を下げて
「おかえりなさいませ姫様。」
とクゥロを迎える。
「パレードはよろしいのですか」
「うん」
あ、本当にいいんだ。許されてるんだ。姫すご。姫の権力初めて見た。だなんて不敬なことを思っちゃぁ行けないですよ?
とふざけていると、奥から超絶偉そうな人が現れる。
「ただいま帰りました。父様」
「ん...?おや早かったなクゥロ」
ん...?お父様って事は...
「それにおかえり、リノア」
「はい、ただいまです。王様」
やっぱ王様だよね...!?
「ん...?おや、見慣れない子が居るね」
「え、あ、えと...」
突然俺の話題になり、動揺するが、クゥロは話を続ける。
「この子の件でパレードを無視して帰ってきたの」
「ほう、そうか!」
それ程の...。みたいな表情をする。俺それ程の人ですかね
「ねぇ、貴女...名前は?」
王の前だ...粗相のない様に一人称は名前ではなくて...。
「私は...」
カラとは名乗っていたが...フルネームとなると...うーん...それっぽいのでいいか
「カラ。カラ・ノソイアと申します...」
と跪きながら言う。
「いやいや、そんなワシに跪かんで良いんじゃ」
「そうなのですね...分かりました。」
「礼儀正しいとても良い子じゃな...」
とても優しい笑顔だ...。この王様は民からとても信頼されているのだろう...。優しさが滲み出てる...
「ふむ...カラと申すのか...」
「だが、そんな名前この国で聞いたこともない...」
王様はなっがい髭を触りながら、そう言う。俺もあの髭触ってみてぇなんて不敬な事を思ってしまう。
「えっ?」
「そうなのですか!?」
「あぁ...民の名前はこの城に全て残されておる。記録されるからな...」
国だからな...そりゃ手続きだってある。名簿手続き的なのがな...俺の名前はこの世界に無いから不審がるのも無理は無いな...。
「カラ」
「はい...なんでございますか...?」
突然王に名前で呼ばれ、少しだけ心拍が早くなる。
「其方はどこの国の者なんじゃ?」
「どこの国...ですか...」
どこの国...と言われても...異世界転生してきましたー!って言っても信じてもらえるか分かんねぇし...
と考えていると、クゥロ姫がリノアに話しかける。
「ねぇ、リノア」
「え、は、はい!何でしょう?」
俺と同じく突然名前を呼ばれ動揺するリノア。
「カラはどこで見つけたの?」
「あ、えと...シュツァーノ草原で横に倒れていたんです...」
「シュツァーノ草原か...なるほどな」
シュツァーノ草原...?あー...俺が倒れていた場所か...あそこそんな名前なんだ...。
「ふーん...そうなの...」
急に顔を近づけてきたんだが!?ち、近いな...しかもこの子も超絶可愛いロリっ子だな...。無表情で...ってこの髪色...ものすごく綺麗な紺だなぁ...。紺のロングヘアーのロリとか刺さる人多そー...ってか目の色綺麗すぎるだろ...。なんだこの綺麗すぎる灰色の目...薄い灰色で...。
とクゥロ姫の瞳に惹き込まれていると、リノアが服をクイクイと引っ張ってきた。
「ん?」
どうやら怒ってるようだ...。だが、頬を膨らましてぷくーっと怒っているため非常に可愛い。
「んむ〜〜っ!!」
いかん...このままじゃ俺、ロリコンになっちまう。いやいや俺はJKじゃないと興奮しないしな...
なんてそんなことはどうでも良くて
「ご、ごめんリノア...」
悪い事をしたみたいなのでしっかりと謝らなければ...
「許しません...っ!!」
「えぇ!?」
「ほ、本当にごめん!!リノア!お願い!!」
己の全力の謝罪をする。
その後チラッとリノアの方を見ると、リノアもこっちをチラッと見、口を開いた。
「ど、どうしてもというのなら...」
「あ、後で...デートしてくれるのならいい...です...よ?」
と顔を赤くしながら言う。
「へ?」
デ、デート...?
「はい...っ」
「...分かった...後でデートしよ?」
と言うとリノアはとても嬉しそうな顔になり。
「っ!!約束ですよ!!」
と満面の笑みへと変わった。
良かった...機嫌を治してくれた...。ん?待てなんかまるでギャルゲみたいだなこれおい。
(...いいなデート)
「ん?どうかしましたか?クゥロ姫」
「んーん...何でもない」
その後、クゥロ姫はまた俺の顔をじーっと見つめてきて...そして喋り始めた。
「貴女って転生者って人っぽい...」
「転...生者?」
「え、そ、そうです...!」
なんで分かったんだ...?と言うより、この世界転生が認知されてるんだな...。ん?だが、リノアが知らないのはなぜだ?なんて疑問に思っていると、クゥロは話し始める。
「この国...いえ、この世界には王族にのみ伝えられる逸話がある」
「逸話...?」
「昔、転生者が魔王を討伐したという逸話が」
魔王はもうとっくに討伐されてたのか...。なら俺はこのまま平穏な異世界生活か...良いね最高だね
「魔王を討伐...」
「その転生者は草原に突然現れ、眠っていたという始まりなんじゃ」
「それの元となった草原がラヴィリニの目の前にあるシュツァーノ草原...」
「ほえ〜...」
転生者はシュツァーノ草原で絶対に転生するのかな...?分かんないけど
「そ、そうなのですか...」
「魔王は600年前に討伐されて以降転生者が現れたって言う話はなかったはず...」
魔王が倒されて以降、転生者が現れなかったのに俺が現れた...?
「あぁ、その間他の国の王と対談したが、そんな記録はなかった。ワシが生きている間でもな」
「もしかしたら最近の魔物が活発になりはじめてるってのって...本当に魔王復活が近いの...?」
「前々から他の王との対談でもその話題は出とった。魔王復活の前兆なのではないかとな」
「そ、そしたらマズイんじゃないですか...!?」
「え、えーっと...待ってください...」
俺は皆の話を止める。
「ん?」
「どうした?」
「もしかしてですけど私、復活するかもしれない魔王を倒すために強くなれ...と?」
確認のためだ。そう。確認だ。魔王を倒せだなんてそんな
「...そうなるな」
「うん...」
「が、頑張って下さい!」
嘘だろおい。
「で、でもカラ様はわたくしを...だ、抱っこ...して下さって、更にはあの壁を余裕で越えましたじゃないですか!」
「なんと!そんなことがあったのか」
あ、リノア。その話やめて。
「うん...あった」
「あれは本当に素晴らしかったです!」
「あの力があれば倒せます!!」
そ、そうかなぁ...?魔王ってそんなに簡単じゃないと思うけど...。ってそんなキラキラした目でこっちを見ないでリノア。
「あれ、楽しそうだった...」
「え?」
「ん?」
とクゥロ姫が言った後、抱きつかれた。
「...えーと?」
「ク、クゥロ姫...?どうなされたのですか?」
そして現在に至る。
「ねぇ、カラ」
「な、何ですか...?」
「敬語やめよ?歳近いから...普通に話そ?あと呼び捨てがいい...」
顔近づけるのやめよ...!?人見知りだから!!普通に話そ...!?あと一定の距離感がいい!
なんて言える訳もなく
「わ、分かったよ...クゥロ...」
俺が敬語をやめると、クゥロはほんのりと笑い
「嬉しい...」
と呟きちょっとだけ強く抱きしめられた。
「ねぇ、カラ...」
「ど、どうしたの...?クゥロ...」
「あのジャンプ体験したい...」
「え!?えぇーっと...」
アレどう発動するのかわかんねぇよぉお!!!
「わ...っ」
とリノアも抱きついてきた。
「うぇ!?リ、リノア!?」
「わたくしだってもう1回カラ様のあのジャンプ体感したいです!!」
い、今までで1番迫力あるリノアの顔と声...まだ出会って数時間だけど
「はっはっは...!!モテモテだなカラ!」
「え、あぁ...えぇっと...た、助けてください!!ユラ王!!」
「ワシは女の子同士でも許可するぞ!!」
そういう助けじゃねぇよ王様ぁああああ!!!!
「カラとなら結婚出来るよ...?する...?」
とほんのり顔を赤くしながら言うクゥロ。
「流石のクゥロ様でもカラ様は渡しません...!」
と何故かぷくーっと頬を膨らませながら対抗するリノア。
なんで...なんで俺はロリにモテてんだぁああ!!!?
クゥロ姫、リノアからモテてしまったカラ、だが重要なのは魔王が復活する可能性がある。と言うこと。カラは本当に逸話に登場する勇者なのか。それとも...。
「なんて後書きでは言ってるけど...カラが勇者じゃない訳ない...私が勇者って決めたらそれは勇者...」
はい...その通りですよね。姫...ですもんね。そのくらいの権力はありますよね...
「そう...覚えてて...」
はい...