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ADAPT  作者: 一聖
8/15

ドムル到着

ドカンッ!と草むらから出て来たのは・・・。


「ファングブル!」


「ハリスさん、牛肉ゲットで焼肉パーリー!」


「アホか!Bランクだぞ!」


「任せてくれ。」


俺は馬車の前に飛び出し、A180ブラスターを構える。


「銃・・・。」


ぶっもー!何であいつは怒ってるんだ?

いや、それは後だ。突進してきたー!だが牛の習性を知っていれば・・・。

俺は自分の前に発射台を錬金術で作る。ファングブルは1度走り出すと何かに

ぶつかるまで止まれないと本で読んだ。

案の定ブルは発射台を駆け上がり、発射された。丁度、俺の真上を通過する時

ブラスターを撃つ。肉を痛めるわけにはいかないので狙いはピンポイントで心臓、

つまりストーンだ。パス!しょ、しょぼい!だが撃ち抜けたようだ。

ブルは馬車も飛び越し落ちた。


「ふぅ・・牛肉ゲット。」


「いやいやいや。」


「んっ?何か問題か?」


「問題はない!いや、しかし・・・お前、早くランク上げろ!」


「やだ。」


「はぁ~、どう考えてもセツナはBいやAランクでもいいくらいだ。」


「よしてくれ、指名依頼なんて入ったらどうするんだ。それに家は俺以外

 みんな軍属だから入隊させられる。Dランク最高!そんな事より牛肉ゲットだ、

 解体しよう。」


「はぁ・・わかった。もう何も言うまい。」


さくさくと解体し出発。しばらく進むと街が見えてきた。

いたる所から煙が上がっている、炉の煙だろう。


「閉門が早くてな、門に併設された宿泊所にもう1泊だ。その間に入国手続きは

 出来るから明日はすぐに入れる。」


「閉門を遅くすればいいんじゃないか?」


「ドワーフは基本、職人だからな。もちろん兵士も居るし力は強いが戦いにには

 向いていない。」


「成程なそれで早く閉門か。夜行性のモンスターも動き出すか。」


「そういう事だ。」


「よし、じゃあ焼肉パーリーだ!」


「先に入国手続きだ!」


「そうだった・・・。」


受付で入国手続きを済ませ、割り当てられた場所へ行く。

俺達の他には商人らしき人物と護衛のハンター、みんな女性だ。しかも薄着・・。

よく、絡まれなかったな・・・。見た目に反して腕が立つのだろう。

それとハンターのパーティーか。リーダーらしき剣士が商人達をちらちら見てる。

揉め事は勘弁してくれよ。ハリスさんがアオの世話から戻ってきた。


「竈は出来てます。肉、米、酒の準備も完了。」


「おお、すまない。手際がいいな。」


「キャンプは趣味だからな。肉は新鮮だから塩コショウだけで十分旨いはずだ。」


「なんだか私、この旅で肥ったような気がする・・・。」


「はっはっは、まさか二、三日で肥る訳なかろう。それは元々・・・。

 す、すんませんでしたー!」


ハリスさんが直刀を抜こうとしていた・・・。

ジュウ~!牛肉なんか久しぶりだな。


「ささハリス様、丁度いい焼き加減でございます。」


「うむ、どれどれ。う、うまいぞー!な、何故だ?ファングブルの肉は前にも

 食べた事はあるが・・・。」


「まああれだな、鮮度がいいのと下処理が完璧だからな。」


「お、恐るべし料理スキル・・・。」


んっ?商人キャラバンとハンター達がこっちを見ている。

ハリスさんが薄着だからか?確かにナイバデーだが・・・。

はっ、もしや!


「ハリスさん、あんたまさか魅了の使い手か!」


「ちゃうわ!肉だ肉!」


「そうか!その肉感的なナイスバデーに・・すんませんでしたー!」


「はぁ・・普通旅の時は宿屋とかに泊らないかぎり簡単な食事で済ます。

 干し肉とかパサパサなパンなんかだな。こんなしっかり美味い焼肉を食う

 なんて事はない。」


「成程、それでか・・・お~い!一緒に食うか?」


「えっ?」


「いやだって、肉は沢山あるし見られてちゃ食いずらいだろ。」


「そりゃそうだが・・・。」


「大丈夫だって、ハリスさんの肉はキープしてあるから。」


「そういう事じゃない!」


商人キャラバンとハンター達がやってきた。


「すいません、あまりにもいい匂いが。私は都で商売をさせてもらってる

 ハート・クラリスと申します。それと今回の旅の護衛をお願いした『雷神』

 の皆様です。」


「クラリス商会の方でしたか、良く買わせてもらってるよ。ハンターの皆は

 『雷神』の人達だったんだな。」


ハンターパーティーがぎょっとしている。


「所属はしてますが主に護衛任務が多いです。私達は全員Cランクなので。」


「この間、グロリアさんとアースさんにお世話になった。」


「まあ!お二人は尊敬する先輩です。」


「ハートさんも皆さんも折角なので一緒に食べよう。」


「ありがとうございます。ハリス、久しぶりですね。」


「ああ。」


「まだ御者をやってたんですね。あなたなら・・・。」


「性にあってる。」


「そうでしたね・・・。」


「2人は知り合い?」


「同級生だ。もっともほとんど話した事ないがな。」


「私は経営科でしたから。」


「成程。君達も一緒に食べよう。」


「いいのか?金ないぞ。」


「金はいらん。」


「本当か?皆、ただでいいってよ。」


「リーダー、ただより高い物はないんですよ。」


「キリ、自己紹介が先です。失礼しました皆様、私達は『風の道』という

 ハンターチームです。」


「ドルスへは仕事?」


「いや勇者パーティーがドルスに向かったって聞いてな、売り込みに来た。」


「そうなんだ。別に金はとらないから遠慮しないで食ってくれ。」


「「おお・・・。」」


「申し訳ありません。お言葉に甘えさせて頂きます。」


「ところであんたは?」


「ああ、セツナという。ドルスには武具を作りにな。こっちは御者と護衛を

 お願いしたハリスさんだ。」


「護衛って事はあんたもハンターか?」


「ああ、ライセン持ちだ。セツナもハンターだぞ。」


「そうなのか?」


「ああ、Dランクだ。」


「なんだ俺達と一緒じゃないか。」


「みんなもDランクなのか?」


「はい。成り立ての新米ハンターです。」


へぇ、その割にはしっかりした構成だな。剣士、タンク、斥候、魔法師か。


「セツナさんはお見かけした事ないですね。」


「俺はソロだし、最近何だかんだでダンジョンに行けてなかったからな。」


「お前Dランクのくせに裕福そうだな。」


「まあな、坊ちゃんだからな。」


「坊ちゃん・・セツナ・・・。あっ、もしかしてウルブス家の方ですか?」


「まあ、そうだな。」


「えっ!セツナ、お前ウルブスなのか?」


「あれ?言ってなかったっけ?」


「セツナしか聞いてない。リベルの弟か、似てないな。」


「ハリスさん、兄貴を知ってるのか?」


「同級生だ。成程な、納得した。」


みんなで、わいわい焼肉パーリー。


「売り込みって、勇者軍に入りたいのか?」


「そうだ。勇者軍はハンターの憧れだからな。」


「知らんかった。」


「セツナさんはダンジョンオンリーですか?」


「そうだな1層メインで活動してたんだが、この間出禁になってな。メインを

 2層に移す予定だ。」


「出禁って何!」


「はぁ・・・セツナよ。すぐに2層も出禁になるぞ。」


「えっ、それは困る。う~ん、今まで以上に控え目に動くか・・・。」


「何か違う!」


「勇者軍に興味は無いのですか?」


「ないな。」


「あれですねセツナさんから全く覇気を感じませんね。グロリア先輩から

 オークエンペラーと渡り合うDランクが居ると伺って、てっきりあなただと

 思ってましたが。」


「ああ、確かにその場に居たが倒したのは軍のやつだ。」


「いや、その場に居ただけでもすごいですけど・・・。」


「偶々、同じ馬車に乗り合わせただけさ。」


見ず知らずの人間達であったが、それなりに楽しく過ごす事ができた。

明日は朝一から活動できるので、ハリスさんに紹介してもらった刀鍛冶の所へ

行ってみよう。多少モンスターに遭遇したが、概ね平和な旅路だったな。

ハリスさんとアオに感謝だ。

翌朝、ハリスさんとラスト朝食。


「ありがとうハリスさん。お陰で無事にたどり着いた。

 帰りは荷物たっぷり?」


「昨夜の焼肉の時にハートに雇われた。」


「そっか、じゃあ街に入ったらハートさん達と行動?」


「そうなるな。セツナよ、お前の事だから心配はいらないと思うが勇者軍が街に

 居るだろうから気をつけろ。」


「んっ?勇者軍って何か問題があるのか?」


「エリート意識が強すぎるんだ。昨夜は目指してる若者が居たから

 言えなかったがな。」


「つまり態度がでかいと?」


「そういう事だ。」


「了解。俺は刀を打ってもらうだけだし、そんなのには近寄らないよ。」


ハリスさんとは握手をして別れた。

勇者軍か・・・なんか目印でもあるのかな?

まあ、ライナと弥勒に見つからなければ大丈夫だろう。

刀はニッチなのか剣の鍛冶屋とは反対方向だ。教えてもらった方へ進む。

おっ、ここかな?ハリスさんの言う通り看板すらない。

「若造に打つ刀はねえ!」とか言われたらどうしよう・・・。

ええい!とりあえず入ってみよう。


「たのもー!」


「あら、お客なんて珍しいわね。」 んっ、女性のドワーフ・・・。


「こちらはマッシュ鍛冶店で間違いないか?」


「そうだけど。」


「良かった。刀を打ってほしいのだが。」


「う~ん、ごめんね。今は無理ね。」


「何故?」


「玉鋼が無いのよ。」


「あれかヨルムンガンドの影響か?」


「あら、あなたハンター?」


「そうだ。」


「勇者軍じゃないわよね?」


「違うぞただのハンターだ。ソロだし。」


「おや、珍しい。残念ね勇者軍じゃないなら打ってあげたのに。今はナイフ

 くらいしか打てないわ。」


「嫌ってるのか?」


「ええ。刀使いは居ないようだけど、剣の方は大変みたい。ただで剣や槍を

 持って行こうとするみたいね。」


「それは・・・。」  何やってんだ勇者軍!


「さっさとヨルムンガンドを倒して帰って欲しいわね。」


「そうだな。しかし、どうすっかな・・・待つしかないか・・・。」


「打てないけど、希望は聞けるわよ。」


「そっか。」


マッシュさんに希望を伝える。


「成程、魔力が通りやすい刀ねえ。刀の場合は妖刀ね。」


「ああ、そうなるか。」


「まあ、鍛える時にストーンやオーブを混ぜるか混ぜないかだけど。」


「ストーンは用意してある。シャドーウルフのだ。」


「すごいの持ってるわねえ・・・今は何を使ってるの?」


「今は都で作った黒刀とファングソードだな。」


「見せて。」


「ああ。」


マッシュさんは真剣に品定めをしている。


「悪くないわね。あなた、相当の達人ね。」


「そんな事ないぞ、俺はDランクだ。」


「へっ?うそでしょ!両方ともDランクが持てる様なものじゃないわよ。」


「ああ、黒刀の方は家のおかかえの鍛冶屋が作ってくれた。ファングソードの方

 は高ランクハンターと一緒にシルバーワーウルフを倒した時にもらった。」


「ボンボン?」


「まあ、そうだな。」


「そんな感じもしないんだけど・・・ねえ、この2本を鋳つぶす気はない?」


「成程、その手があったか。」


「黒刀にファングソード、シャドーウルフのストーンですんごい刀が打てるわ。

 アーティファクト級ね。」


「まじか・・・マッシュさん、すげえな。じゃ、お願いするけど

 お高いんでしょ?」


「そうねえ、材料費は持ち込みとして私の技術料か・・・。金貨10枚って

 とこね。」


「アーティファクトなんだろ?安くないか?」


「暇だし、いいわよ。」


「ありがとう。何か聞いてた話と違うな。」


「ああ、それは親方というか父ね。」


「えっ!」


「大丈夫よ、父にお墨付きをもらって継いだから。」


「親父さんは引退したのか?」


「引退というかあれね、今この国で起こってる事は?」


「棟梁の交代とヨルムンガンドの討伐だな。」


「棟梁交代コンクールの実行委員長なのよ。」


「重鎮なんだな。」


「違うわよ。勇者は剣だから関係のない父がやらされてるだけ。」


「それはご愁傷様。」


金貨10枚を払いお願いする。


「う~ん、ものがものだし1週間ちょうだい。」


「わかった。」


1週間か・・・観光でもするか。

まずは宿を探そう。







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