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ADAPT  作者: 一聖
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ドムルへの道

ここはさらっと告白しよう。


「ああ、その件なんだけど俺には前世の記憶があって、それが刀と銃なんだ。」


「なんだと・・・。」


「信じてくれとは言わないが、そのお陰でオークエンペラーを倒せたのは事実だ。

 受け継いだ刀と銃を持っていた。刀は知人に譲ったが銃は持ってた。

 ブラスターという奴の頭をぶち抜ける強力な魔導銃だ。」


ゴトンと黒刀とブラスター2丁を親父に見せる。


「1丁はダンドロでビットから譲ってもらった。そいつで弾幕を張った。

 ごっつい方の銃は前世で使っていたものだ。そいつで頭をぶち抜いたわけだ。」


「はぁ・・・。今まで通り人前では使うな。」


「わかってるよ、俺も使う気はない。それで親父、刀を打ちにドムルへ行くわ。」


「黒刀があるじゃないか。」


「それは普通の刀で魔力が通らないんだよ。」


「お前は普通の刀で腕を斬り落としたのか。」


「不知火流といって魔剣だったら魔法も斬る。親父は俺の夢を知ってるだろ?」


「穏やかな老後だったか・・・。」


「今回の件で思い知ったよ。この世界にはモンスターが居るし意思とは別に

 巻き込まれる時がある。強くなりたい訳じゃないが、自分の身は自分で

 守れないと命がいくつあっても足りない。」


「そのための魔剣か・・・。」


「幸いオークエンペラーの報酬が手に入ったからそれで作れる。」


「セツナよ、その力を人々の為に役立てる気はないのか?お前ならライナちゃん

 同様、特殊部隊の隊長になれるだろう。もしくは高ランクハンターの試験を

 受けるとかな。」


「よせよ、勇者じゃあるまいし。それになオークエンペラーの下半身を凍らせて

 動きを止めたのはライナだ。バイスを使ってな。俺はバイスで足の指を

 凍らすのが精一杯だったよ。」


「勇者か・・・クラーケンの事は?」


「知ってる。あの街に居たし俺の隠れ家は木端微塵にされたよ。」


「隠れ家の事は今は置いておくが、どう思う?」


「長官としての親父に言うなら、勇者は弱い。修行が足りないってやつだ。

 だが、1人じゃないからな。みんなの力を合わせて魔王に立ち向かおうって

 事だろ。人々の希望の象徴も必要だしな。」


「そうか・・・長官の立場で言えば、お前を軍部に属させて勇者のサポートを

 してもらいたいが、親としては望みを叶えてやりたい。母さんだって

 そうだろう・・・。」


「ありがとう。Dランクハンターとして国に貢献できるよう頑張るさ。」


「ちなみにセツナはクラーケンを倒せたか?」


「そうだな・・・。ライナ、ビット、メルビィあたりなら海上で討伐できたん

 じゃないか。ビットに聞いて勇者が誰か知ったよ。それで思い出したんだが

 ・・・なあ親父、あいつらわざと街中で戦ってるんじゃないか?」


「・・・我々もその可能性は考えた。だが、何の意味がある?それじゃあ魔王軍

 と変わらんだろう。」


「承認欲求だ。」


「まさか・・・そんな子供じみた理由で。」


「学生時代、あいつらはまさにその塊だったよ。それもあって俺達は絡まれない

 よう苦労した。ライナ達は目立つからな。」


「はぁ・・・勇者達が戦う度にリベル達の部隊が後処理に駆り出される。」


「そうは言っても今の所どうしようもないだろ。とっとと魔王を片付けて

 適当な地位を与えるしかないだろうな。」


「頭が痛くなってきた・・・。」


「ご愁傷様。」


さて、明日はドワーフの国ドムルへ行くとしよう。

翌朝、朝食を食べ出発だ。


「じゃあお袋、行ってくる。帰りは未定だな。」


「無茶しちゃ駄目よ。それとこれお父さんから。」


「んっ?」


「情報料だそうよ。」


「いらないって言ったのに・・・。」


「魔剣を作りに行くんでしょ?お高いわよ。」


「・・・もらっとく。」


「それと私の部隊が勇者達を監視する事になったわ。」


「部隊?復帰したの?」


「バイトよ、バイト。」


「・・・気をつけてな。」


「大丈夫よ、ライナちゃんに頼んだから。」


「面割れしてるぞ。」


「大丈夫よ、パーティーに参加してもらうから。」


「成程・・・。」


「何?嫉妬、嫉妬なの?」


「違うわ!」


「大丈夫よ、ライナちゃんはあなたの婚約者なんだから魅了よけの魔道具を

 持たせたわ。」


「はっ?魅了?」


「そうよ、ユニークスキルね。」


「うわぁ・・質が悪いなそれは・・・。まっ、ライナなら大丈夫だろ。」


「セツナにぞっこんラブだもんね。」


「そっちじゃない!実力の方だ!」


クソッ、親父め。俺を巻き込むつもりか・・・。

だが残念。ライナは俺より強いから助けるような事はない。

頑張れ、ライナ!とぉ~くから応援してるよ。


馬車乗り場にやってきた。贅沢だがこの前みたいな事が起こるともかぎらない

ので小型の貸し切りを探す。ドルスまで5日はかかるからな馬車で寝れれば

なおいい。あれなんか良さそうだ。


「すいません、貸し切り可能か?」


「兄ちゃん、どこまでだい?」


「ドルスまで。」


「ちょっとばかり遠いな・・・。護衛と荷物は?」


「俺自身がハンターだ。荷物はストレージの中。」


「途中、宿とかないが大丈夫かい?」


「問題ない。」


「帰りは?」


「行きだけでいい。」


「荷物を載せて帰れるか・・・金貨3枚。」


たけーけど1人の方が気楽でいい。


「わかった。」 前金で払う。


「ちょっと待ってて、帰りの仕事を受けてくるから。」


「了解。」


少し待つと御者が戻ってきた。


「待たせたね、私はハリスだ。一応ライセンスも持ってるからモンスターが出たら

 私も戦うよ。」


「えっ、街道にも出るのか?」


「滅多に出ないが最近は少し物騒だ。」


「出た時は頼らせてもらう。」


「現役のハンターだろ?」


「Dランクだ。」


「私より下じゃないか。しょうがない私が守るよ。」


「ありがとう。」


「早速、出発だ。」


「わかった。」


出発して少したったところでハリスさんに話しかける。


「どっちが本業なんだ?」


「そうだなあ・・・御者の方が気が楽でいいな。あまり上等な客は断るし。」


「ははは。」


「そういうあんたはクランには?」


「ソロだ。おれもハリスさんと同じで気楽な方がいい。」


「ランク、上がんないだろ。」


「上がらんが別に困らない。」


「ボンボンか?」


「まあ、ボンボンだな。ランクは?」


「Aランクだ。」


「まじか・・クランがほっとかないだろ?」


「あれだな、フリーってやつだ。ギャラが良ければクランの仕事も手伝う。」


これは当たりだ。旅の安全は保障されたな。


「心強いよ。」


「今日はこのまま休まず進んで峠の宿泊所に泊る。」


「了解。」


「ドルスには何しに?仕事か?」


「いや、刀を打ちに。」


「珍しいな。」


「この辺じゃあ、あまり見ないもんな。」


「私の武具はこれだ。」


「えっ、直刀・・・。それも珍しいな。」


「これもドルスで作った。腕のいい職人なんだが、なにしろ頑固じじいでな

 1年通ってやっと作ってもらったんだ。」


「へぇ、ちょっと見せてもらえるか。」


ハリスさんの直刀を見せてもらう。ほぅ・・これはすごいな。この波紋はちゃんと

玉鋼を使っている。


「見事な刀だ。ハリスさん、これは職人の仕事と言うより刀鍛冶の仕事だ。」


「ああ、なんかそんなような事を言ってたな。」


「俺も頼みたいな。」


「無駄かも知れないが紹介状を書くぞ。」


「ありがとう。」


「そろそろ着くぞ。混んでないといいがな。」


「いつも混んでるのか?」


「そうだな。ドルスから武具や金属製品が大量に都に入って来るからな。

 商人がほとんどだが護衛のハンターや傭兵も居る。」


「俺はダンジョンばかりで護衛の仕事はした事ないな。」


「ははは、Dランクはできないぞ。Cランク以上だ。傭兵達はギルドが違うから

 条件は知らんがな。」


「傭兵ギルドなんてあるんだ?」


「戦争がないと開店休業状態だからな。どちらかと言うと長期の仕事を斡旋してる

 そうだ。」


「詳しいな。」


「仕事がら色々な所へ行くし情報も入ってくるさ。」


到着したようだ。受付があり区画が割り当てられるシステムのようだ。

あれだなキャンプ場みたいな感じだ。いつもは野営だから宿泊所は初めてだ。


「ここだな。私はアオに水と飼い葉を与えてくる。どうする?荷車で寝るか?」


「いやテントは持ってる。荷車はハリスさんが使ってくれ。その・・女性だし。」


「ははは、いいやつだな。じゃあ、とびきり旨い飯を作ってやるから火を熾して

 おいてくれ。」


「了解。」


テントを含め野営セットは学生時代の趣味でもあったため、快適なものをセレクト

している。焚火もお手の物だ。

火を熾しながら周りのチェックをする。結構、人が居るな。

護衛のハンターや傭兵達がこちらをチェックというか鑑定してるのがわかる。

あまりいい気はしないが、これも護衛の仕事だろう。

こっちとしては特にやましい事もないし気にしない事にする。

逆にこっちも鑑定してあげよう。

ほぅ・・・Aランクも結構居るな。少し離れた所に大きめなキャラバンが居る。

料理人までいるよ、護衛のハンターたちがピリピリしてるのがわかる。

どっかの要人かな?何事も起きませんように・・・いかん、これはフラグだ。

考えるの止めよう。

ふぅ、ナイス竈完成。食材はたっぷりあるしハリスさんが何を作ってくれるか

楽しみだ。焚火を眺めぼーっとしてるとはアオを連れたハリスさんが戻った。


「目がやばいぞ。まあそのお陰でびびって誰も近寄ってこなそうだ。」


「えっ?そんな目してたか?」


「ああ、犯罪者の目だ。」


「・・・気をつけるよ。何を作ってくれるんだ?食材はたっぷりある。」


「そうだなあ、肉持ってるか?」


「ある。」


「よし、じゃあシチューにしよう。」


「おお・・・。」


「それとな、御者仲間からちょっと厄介な話を聞いてきた。」


「厄介?」


「まあ私達庶民にはあまり関係ないがな。ドルスの棟梁が交代するらしくてな、

 よくある話で誰が次の棟梁になるかで揉めてるらしい。」


「よくある話だな。確かに俺達には関係ない。」


「直接は関係ないんだが、そういう話があると街がざわつくからなあ。」


「確かに。」


「それに、その決め方がなあ・・・。」


「どうやって決めるんだ?」


「勇者の剣コンクールだそうだ。」


「げっ!最悪だ。もしかして勇者軍もドルスへ?」


「本人が選ぶのが1番いいだろ?」


「それはそうだが・・・。」


「この宿泊所に居るらしいぞ。とは言ってもお偉いさんはもっと上の方だ。」


「そ、そうか・・・。」


やばいな、ライナと弥勒なら俺が居ると気づくだろう。

う~む、しょうがない。暗殺系のスキルだが気配を消そう。


「ハリスさん、勇者パーティーは同級生でなわけあって関わりあいたく

 ないんだ。申し訳ないが気配を消させてもらう。」


「それは構わんが、気配を消すって・・・。」


「俺は暗殺系のスキル持ちだ。」


「おいおい・・・。」


「安心してくれ、別にアサシンじゃない。」


「わ、わかった。」


「陰影。」 スーっと消えただろう。


「すごいな、薄っすらとしかわからん。」


完全に大丈夫というわけではないが、少しは安心できる。


「腹減った!」


「おお、すぐ作る。」


「ワインもあるぞ。」


「おお、酔わない程度にいただこう。」


ハリスさんが気を使い、荷車でこちらをブロックしてくれた。ありがとう。

しっかりテーブルと椅子もある、ストレージに入ってるのさ。


「ストレージ、異常じゃないか?どんだけ入るんだ?」


「わからん。」


「・・・・まあいい。熱いうちに食べよう。」


「うっま!」


「そうか、シチューは得意料理なんだ。セツナは呑まないのか?」


「俺は下戸なんだ。」


「人生の損失だぞ。」


「身体が受け付けないんだよ。」


「まっ、そういう体質のやつもいるさ。さっき勇者の事だけ話したがもう一つ

 あってな。」


「何か聞きたくないな。」


「これはいい知らせだ。」


「聞こう!」



 





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