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ADAPT  作者: 一聖
12/15

2層から6層

メルビィのクランの住所を知らなかったから丁度いい。


「ここよ。」


「でかいな、おい!」


「都で有数のクランなんだから当然でしょ。」


受付でメルビィを呼んでもらう。幸い今日は居たようだ。


「あら珍しい、どうしたの?2人揃って。」


「ちょっと話がある。」


「いいわよ。」


「まだ何も言ってない。」


「2人揃って『雷神』に入りたいんでしょ?」


「ちゃうわ!ここではちょっと・・・外へ行こう。」


「ここでは話せない事ね。いいわ。」


3人で近くのカフェへ。結界を張る。


「結界・・・何事なの?」


メルビィにもビットに話した事を話す。


「成程ねえ、最近クランでもちょっときな臭いって話してたのよ。

 けど、難しいわねえ・・・。」


「組織的な問題かしら?」


「そうよ。非常事態の場合、私達は勇者とパラディンの指揮下に入る決まり

 みたいね。教会は聖女、魔導院は賢者ね。」


「正気か?」


「あれね上層部が魅了にかかってるんでしょうね。」


「はぁ・・・魔王軍以前に勇者軍をなんとかしないとこの国は駄目だな。

 という事で俺は国を出る事にする。」


「はぁ?」


「ちょっとセツナ、私達を保険にするとか言っておいて。」


「その話は無かった事に。君達は勇者の元で頑張ってくれたまえ。

 なあに、負けと決まった訳じゃない。」


「鬼畜!」


「いやよ、私も国を出るわ。メルビィと違ってつるんでる仲間が居るわけじゃ

 ないし。」


「鬼畜がもう1人!」


「失礼ね!行商人になるだけよ。」


「まともに機能するのが軍だけじゃな。勇者軍だけじゃなく勇者も

 ろくでもない事がわかった。」


「セツナ、別に止める権利はないけど家族はどうするの?ライナも。」


「家族は助ける。とは言え滅びる寸前だな。俺以外は責任感が強いし

 両親にいたっては救国の英雄なんて馬鹿な呼ばれ方されてるしな。

 ライナについてはお前達同様、彼女の意思に任せるよ。」


メルビィから少し怒気が漏れる、2人のファンだからな。


「救国の英雄が馬鹿な呼び名なの?」


「当然だろ。いいかメルビィ、そういう字名みたいなものは自分達では何も

 しないような奴らが付けるんだ。結果だけ切り取ってな。」


「・・・・。」


「俺は大事なものは命を懸けて守る。だが1人の力なんてたかが知れてるんだ。

 メルビィ、お前はヒロイン体質だから言っておくが俺達一般人は良い事も

 悪い事も誰かのせいにすれば生きていけるんだ。俺も含めそんな奴らの為に

 命は使うな。自分の為だけに使え、死んだらそこで終わりだ。」


「わかってたけど、私はセツナと考え方が違うようね・・・。」


「そうだな。まあ、伝えたい事は以上だ。考えるなり準備するなりしてくれ。」


「セツナは?」


「準備する。安全な場所の確保だな。」


ビットは俺よりの考え方だが、ライナやメルビィをほっとけないだろう。

メルビィは大手クランのサブマスをやるくらいだ。力のある者はそうでない

者を助けるべきとでも思ってるんだろう。俺からするとそんなのは利己的

自己満足でしかない。それが許されるのは自分より弱い者を相手にした場合で

自分より強い相手の場合はどうするんだ?その思想を盾に敵に助けを乞うのか?


「セツナ、あなたの言ってる事は正論で現実だと思うわ。私もあなたに近い

 考えよ。だけど理屈だけじゃ動けないの、やっぱり私は最終的にはライナ

 やメルビィを助けようとすると思うの。」


「そうか、ならアドバイスだ。死なないようにブレイクスルーしろ。」


「そうね、ダンジョンに籠るわ。一つ聞きたいのだけど。」


「何だ?」


「ブリザードフェニックスと戦っていたら?」


「倒したさ。そうじゃなきゃこっちが死ぬ。」


「ソロでブリザードフェニックスを倒すなんて最強じゃない。」


「ビット、最強って何だ?」


「えっ?」


「俺はおそらく魔王軍の幹部くらいならやり合えるだろう。けど首を切られれば

 死ぬし、もしかしたら病気になって死ぬかもしれない。」


「そうだけど・・・。」


「最強や無敵なんていうのは自分より弱い敵としか戦ってない奴が言うセリフだ。

 魔王軍と戦って生き残れる理由なんて1つしかない。

 それは魔王より強い事だ。」


「そんなのムリゲーじゃない。」


「だからそう言ってるだろ。勇者が魅了なんかで遊んでないでまじめに修行でも

 すれば可能性はゼロじゃなかったと思うがな。」


「あの色ボケには無理な話ね。やっぱり私も国を出るわ。」


「懸命だ。じゃあ俺はダンジョンに行くわ。」


「私も行くわ、ブレイクスルーよ。」


「俺は2層だな。」


「さっきまでの話しとの温度差!」


「お金は大事だぞ、命はもっと大事。」


ビットとはダンジョンの入り口で別れた。さあ、いよいよ2層だ。

2層の入り口へ転位。他のハンターの話しではジャングルゾーンでアニマル系

のエネミーという事だ。うわぁ・・・まじジャングル。蒸し暑い・・・。

慌ててコートに冷却の魔法陣を描く。ふぅ・・涼しくなった。

んっ、早速来たか。サーチを使ってるのでいきなり襲われる事はない。

この感じは狼系のエネミーだろう。A180ブラスターで迎え撃つ。

パンパンパン、よっわ!あーこれはまじ強化せんといかんなあ・・・。

ダンジョンエネミーは外のモンスターより総じて弱いから何とかなるが。

う~ん、質の良い鉄がほすいー。おっと考え事をしてるとエネミーがどんどん

増えて来た。リーダーを倒さないと仲間を呼びやがる。


「あの・・・手伝いましょうか?」


「お、おう助かる。リーダーがどいつかわからなくてな。」


「ああ、それならあれですよ。」


「よくわかったな。俺には全然、違いがわからん。」


「人と同じです。指図を出す人は大抵後ろにいますから。」


「・・・成程、ごもっとも。」


「少し遠いですか・・・。」


「ああ、任せてくれ。」


パンパンパン、よっわ!けど3発とも眉間だ。


「すごいです!全弾同じところですよ!」


「見えるのか?」


「はい、目はいい方なので。」


「よし、これでおかわりはないだろう。ありがとな、ドロップは山分けに

 しよう。」


「いいんですか?そんなつもりでは・・・。」


「いや、まじ助かった。俺はDランクのセツナだ。」


「わ、私はネムといいます。一応Aランクです。」


「Aランク!すげえ奴だったんだな。」


「あっ、いえ、恥ずかしい話なんですが全く実力が伴っていなくて・・・。」


「昇格試験は受けてるんだろ?」


「も、もちろんです。ただ、何というかラッキーだけで・・・。それで1人で

 自主トレをしてました。」


「Dランクの俺が言うのもどうかと思うけど、剣捌きは悪くなかったぞ。」


「ありがとうございます。」 腰の低いAランクだな。


「クランに所属してるのか?」


「はい、『雷神』に。」


また雷神か・・・。他にクランはあるのだろうか?


「メルビィのところか。」


「副団長をご存知なんですか?」


「同級生だ。」


「そうだったんですね。あのう・・・私が2層に居た事、内緒にして

 もらえませんか?」


「いいぞ。そのかわり教えて欲しい事がある。」


「何でしょう?私にわかる事でしたら。」


「鉄をドロップする階層、もしくはエネミーを教えて欲しいんだ。」


「ああ、それなら6階の砂漠に居るサンドゴーレムかロックゴーレムが

 落としますよ。」


「6階か・・・。」


「Dランクだと難しいですか。」


「あっ、いやこの前5階はクリアーしてるから大丈夫だ。」


「へっ?お1人で?」


「いや、2人でだけど。」


「すごいですよ!2人であのボスを倒すなんて!レイドじゃないと無理

 です!」


「俺じゃなくて連れが強かったからな。ありがとう、行ってみる。」


「えっ、1人でですか?」


「まあな、元々ソロだし何とかなるさ。」


「あの・・・よろしければお供しますよ。」


「本当か?修行はいいのか?」


「ええ、ゴーレムも修行のうちですから。」


という事でネムと6層に転位。


「おお、本当に砂漠だな。」


「はい。たまに砂嵐があります。砂嵐はサンドゴーレムが起こすと

 言われてますね。」


「という事は砂嵐がサンドゴーレムの目印だな。」


「恐ろしい事考えますね・・・2人ですよ2人。まずは無難なサンドサソリ

 あたりで慣れたほうが。」


「まあ途中で出て来るだろ。ネムは剣か?」


「練習は剣ですが普段はこれです。」


クロスボウか・・・。


「よし、じゃあ進もう。」


「はい。」


早速サーチになんか引っかかった。


「来るぞ。」


「へっ?わかるんですか?」


「まあな、サソリだ。」


パンパンパン、よっわ!


シュバババ!おお、クロスボウの早撃ちだ。すげえな、ちゃんとAランク。


「さすが。」


「いや~、それほどでも・・・。」


「危ない!」 ズバッ!


「す、すいません、油断してました。」


「大丈夫だ。俺が斬り込むからフォローしてくれ。」


「わかりました。」


サンドサソリの残りは5匹。強化したなまくらで何匹倒せるか・・・。

いざとなったら黒華を使おう。

サソリの尾の攻撃はやっかいだが、当たらなければ問題ない。

むしろ砂に潜られる方がやっかいだ。

うむ、ならば砂地を硬くするか。


「サンドスティール。」


「成程、地面を固めて潜らせないように。って言うかセツナさん、魔法も見事

 じゃないですか!」


「そうか?とりあえずさそり共を仕留めよう。」


「はい!」


ネムのクロスボウの腕は凄まじく、全て眉間を貫いている。

と同時に俺は尾を斬り落とす。


「いや~ナイスコンビじゃないですか?私達。」


「ふふ、そうかもな。よし、先に進もう。」


少し進むとサーチに大きな気配が引っかかった。


「ネム、サンドゴーレムだ。」


「ええ、見えました。前に戦ったやつより大きいです。」


「その時はどう倒した?」


「よってたかってボコボコに。私は見てるだけでしたが。」


「まじ?」


「まじ。」


「それだとドロップの質が落ちないか?」


「もう落ちまくりで赤字でした。総務部に大目玉ですよ。」


「わかってて何故?」


「コアの位置がわからなくて面倒だからと・・・。その後ロックゴーレムの

 集団に逆にボコボコにされて逃げ帰りました。」


「大丈夫か?雷神。」


「たはは・・・。」


「コアの位置は俺がわかる。ネムはクロスボウで狙ってみてくれるか?」


「この距離ですか・・・正直、自信ないです。」


「大丈夫だ。俺がサポートする。」


「へっ?」


「目と筋力をアップすればいいか。」


「へっ?」


魔法陣が2つ、ネムを通過する。


「バフをかけた、コアは右肩だ。」


「へっ?」


「撃ってみてくれ。」


「は、はい。右肩ですね・・・これは・・・。右肩が目の前にあります。」


バシュッ!キーン!ドカン!


「よし、上手く行ったようだな。」


「・・・何ですか?これは・・。」


「んっ、バフだが?」


「いや、それはわかります。ですがこんなピンポイントでかけれないですよ。」


「そうなのか?白ならいけるだろ?」


「白魔法師なんてエリート中のエリートです!雷神にも1人しかいません。」


「まじか・・・内緒な。」


「わかりました。」


「さて、ドロップを見に行こう。」


近くまで行くと丁度ゴーレムが消え何やら四角い塊が。まさか、これは・・。


「セツナさん、やりました!」


「やったな・・・けどこれ鉄じゃなくてミスリルだ。」


「ランクアープッ!」


「いや、俺が欲しいのは鉄だから!」


「ランクダウンさせるとなると、少し戦ってからコアを狙う感じですか?」


「う~ん、面倒だがそうなるか。このサイズならゴーレム1匹で大丈夫だ。」


「こうなると次はストーンかロックがいいですね。」


「それはフラグだぞ、ネム。」


「まさか・・・。すいませんセツナさん、やっちゃいました・・・。」


「えっ?」


砂嵐が見える。・・・まずい!


「ビルド!」


慌てて穴を掘って退避。


「ふぅ・・過ぎるまでお茶でも飲んでよう。」


「あのう・・・セツナさん、これは?」


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