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ADAPT  作者: 一聖
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一応、解決。

「という事で何の怨みもありませんが、あなたには死んでもらいます。」


ゴウッ!

クソッ!シールド!パキパキパキ!

シールドが凍ったー!さすがにただの羽根じゃないか。


「待て!もう一つ聞きたい事があるんだ!」


「何ですか?」


「そもそもフェニックスからブリザードフェニックスにはどうなったんだ?

 炎と氷じゃ対極だろ。」


「私の住処は元々ここではありませんでした。ある方が教えてくれました。

 ここにくればオーブがあると。」


ある方って誰だ?いま、今考えるのはやめよう。オーブの力でジョブチェンした

という事か・・・。だとすると・・・このフェニックスはダンジョンエネミー。

既に神獣ではなくなってる?世界にフェニックスは1羽のみ・・・。


「俺、帰るわ。あんたと戦う意味がなくなった。」


「良いのですか?」


「ああ。ただ一つだけ・・・誰に言われたか知らんが、そこのオーブの力で

 ブリザードフェニックスになったのなら、あんたはダンジョンエネミーだ。」


「どういう事ですか?」


「言葉の通りだ。世界の理で言えばフェニックスは1羽のみ。つまり、あんたが

 エネミーになった事で新たなフェニックスが生まれる。」


「つまり私は神獣じゃないと。」


「そうだ。このダンジョンのボスエネミーだ。そして、あんたは2度この

 ダンジョンから出る事は出来ない。このダンジョンの1部だからな。」


「そんな・・・。」


「あんたの境遇や気持ちもわからなくもない。けどな、この世界は弱肉強食だ。

 ダンジョンの仕組みを知らなかった、騙されたは通用しない。せいぜい、

 ここまでたどり着くハンター達と戦うといいさ。自分で選んだ道だ。」


「冷たいんですね・・・。」


「今さっき、会ったばかりだ。それじゃあな。」


転位してヘファイストス様の神殿へ。胸糞悪い話だ。像に祈る。


「戻ったのですね。」


「ああ。倒すのはやめた。」


「・・・そうですか。」


「ヘファイストス様、フェニックスはダンジョンのオーブを使って

 ブリザードフェニックスになったそうだ。」


「・・・成程。そういう事ですか。」


「おそらく新しいフェニックスが誕生してると思う。」


「すぐに確認します。」


「それとフェニックスを唆した奴がいる。目的はわからんが。」


「それも調べます。」


「ヨルムンガンドはどうする?」


「しょうがありませんね。違う山に引っ越してもらいましょう。あの山は

 ダンジョンとして頑張ってもらいます。」


「じゃあ俺は観光して国に戻るとするよ。」


「面倒かけました。」


さて、日も暮れて来たし帰ろう。


「ただいまー。女将、夕食を頼む。弁当、うまかった。」


「ふふふ、そうかい。」


いつものカウンター席で待つ。

おお・・今日は腸詰めのセットにザワークラウト。俺は酒が飲めないがエールに

合いそうだ。パリパリでうまい!

のんびり夕食を摂りながら今日の事を考える。

フェニックスを唆したのは、まあ魔王軍の誰かだろうな。各地で噴火でも起こす

つもりだったのだろうか?確かに次のフェニックスが生まれてないとそうなる。

ヨルムンガンドが引っ越せば、勇者が討伐したっていうストーリーはでっち上げ

れるだろう。


「セツナ、コンクールは見にいくのかい?」


「いや、興味ない。メインの目的も済んだし明日は露店巡りでもするさ。」


この世界に電化製品はないが、その代わりに魔導具がある。

生活道具から武具まで様々だ。魔導具職人を希望する者も多く、学園には

魔導具科という専門科もあった。俺は家があんなだから戦略科だったが

そうでなければ間違いなく魔導具科に通っていたであろうくらいには魔導具が

好きだ。いや~、むしろこのためにこの国に来たかも。楽しみだ。

女将の話だと朝市もあって、商人の仕入れはそっちの方が多いらしい。

当然俺も朝市から行くぞ。その為にも今夜は早く寝る事にしよう。


楽しみすぎて早く目が覚めてしまった・・・子供か!

一応、ヨルムンガンドの事を聞いておくか・・・。


「弥勒。」

「あら、セツナ。来てたの?」

「ああ野暮用でな。」

「なんだ、それなら手伝ってもらえば良かった。」

「お断りだ。それよりヨルムンガンドはどうした?」

「一応、討伐したって感じかしら。」

「それは良かった。ダンジョン化してる事は?」

「ライナが報告するって言ってたわね。」

「了解。ライナに俺がこの国に居る事は絶対言うな。」

「わかったわ、知り合いなのね。」

「同級生だ。俺は魔導具を見たら帰国する。」

「せっかくなんだから、面白いコンクールを見ていけばいいのに。」

「興味なし。」

「あっそ。」


ヘファイストス様はうまくやったようだ。

朝食を食べ朝市へ。

おお・・・にぎわってるではないか。とりあえず、ぶらぶらしながら様子を見る。

今の所、武具は必要ない。面白い魔導具があったら購入しよう。

鑑定があるから騙される事もないしな。

おぅ、あれは?古物商っぽい露店をのぞいてみる。


「おっちゃん、このブレスレッドは?」


何の変哲もないただのブレスレッドだ。


「んっ?それか、ハンターが持ち込んだただのブレスレッドだ。もっといいのが

 あるぞ。」


「いや、派手なのは苦手でな。」


「地味なやつはブレスレッドなんかしねーけどな。」


「ははは、確かに。でっ、いくらだ?」


「そうだな金貨1枚だ。」


「ただのブレスレッドなのに高くねーか?Dランクなめんな。」


「おまえ・・・Dランクだったら装飾品なんぞ買わずに少しでもいい武具買え!」


「武具はマッシュさんに打ってもらったよ。」


「なに!マッシュだと!逆にDランクには過ぎたもんだ。ボンボンか?」


「まあ、そうだな。」


「じゃあ値切るな!」


「わかったよ、それくれ。」


おっちゃんはおまけに何故か水筒をつけてくれた。ありがとよ。

さて、このブレスレッドだが装飾は一切ないがアイテムストレージだ。

鑑定のレベルが低いとわからないだろう。ストレージ自体は使えるが武具はより

手に近い所にあった方がいいだろう。拡張しないと入らないかもだが。

水筒は本当にただの水筒。これも後で保温の機能を追加しよう。

いや~楽しいっす。もう昼近くだ、あっという間に時間は過ぎる。

さて、次は機械式でも見に行くか。家族にもお土産を買わないとだし。


「セツナ!」


「ああ、ハリスさん。」


「セツナも買い出しか?」


「いや俺は魔導具とか機械式を見に来た。」


「そうか、昼食でもどうだ?いい店見つけたんだ。」


「いいね。」


ハリスさんと昼食を食べる事に。おお、ビフテキじゃないか!


「刀は頼めたのか?」


「お陰様で。今は2代目が店主だったけどな。」


「今の状況じゃ時間がかかりそうだな。」


「それがもう完成したんだよ。」


「数日しかたってないぞ!」


「黒刀とファングソードを鋳つぶしてもらった。ストーンはあったし。」


「成程、その手があったか。」


「ハリスさんは?」


「クラリス商会の仕入れが終わるまで待ってる。暇だからハンター稼業だな。」


「ハンター稼業?」


「例のヨルムンガンドの鉱山だがダンジョン化してたらしくてな、そのエネミー

 の調査だ。」


「討伐されたらしいな。」


「勇者軍がやったらしいが妙なんだ。ストーンもドロップも無かったらしい。」


そりゃそうだ。エネミーじゃないし討伐されてもいない。


「そうなんだ。まあダンジョンが出来たのはこの国にとっては良かったんじゃ

 ないか?ハンターが集まりだしたら鍛冶屋は忙しくなるだろ。」


「まあ、そうだな。それで難易度を調べるためのエネミー調査ってわけだ。」


「ハリスさんの見立ては?」


「元々、坑道だからなアリの巣みたいなダンジョンだ。少なく見積もって

 Aランクダンジョンだな。」


「高いな。」


「優秀な斥候かサーチ持ちが居ないと遭難するぞ、あれ。」


確かに・・・俺はサーチ全開で最深部まで行ったけど。


「俺には無理だな。」


「ランクが確定するまでDランクでも入れるぞ。」


「遠慮しとく。用も済んだし適当に観光して帰るよ。」


「勇者軍に絡まれられないよう注意しろ。柄が悪い、何人かしばきたおした。」


「ありがとう、気をつけるよ。」 ハリスさん、それフラグっす。


ハリスさんと別れて機械式を見に行く。場所はわからんがぶらぶらしてたら

見つかるだろう。おっ、あれはそうじゃないか?

露店じゃなくて店だが。入ってみよう。

チリンチリンとドアを開け店内に入る。


「いらっしゃいませ。」


「少し見せてもらえるか?」


「ご自由にどうぞ。」


やはりここも原料不足なのか数はあまりない。


「原料が不足してるのか?」


「ああ・・・。お客様は勇者軍に所属している方ですか?」


「いや、ただのハンターだ。」


「申し訳ありません。」


「もしかして勇者軍が来るから下げてるのか?」


「はい。まあ勇者軍でも支払いをちゃんとしてくれれば良いのですが、

 そうじゃない方が多いですので。」


「全く・・・。」


「申し訳ございません」


「ああ、いや、あなたが謝る事ではない。」


その時、ドカンッとドアが開いてハンターらしき男女が入ってきた。


「い、いらっしゃいませ。」


「おい!機械式大剣をよこせ!」


「はっ?」


「聞こえなかったのか!俺の女が大剣が欲しいからよこせ!」


「あのう、お客様は勇者軍の方でしょうか?」


「見りゃわかんだろ!10番隊の隊長と副隊長様だ!」


「誠に申し訳ございません。見ての通り原料である鉄とストーンが不足して

 おりまして大剣はありません。」


「嘘つくな!あるのはわかってんだよ!」


「スティーブ、面倒くさいわ。早くダンジョンに行きたいの。」


スティーブ君は自身の大剣を抜いて店主に突き付ける。


「さっさと持ってこい!怪我する前にな!」


俺は驚きのあまり言葉を失っていた。何だこいつら?これが勇者軍だと・・・

ただの盗賊じゃん!う~む、しょうがないな・・・。


「あのう、お二人とも。剣を突き付けて寄こせって強盗ですよ。衛兵を

 呼びますよ。」


「ああん、何だお前!衛兵を呼ぶと?呼べばいいだろう、俺達は勇者軍だぞ!

 ヨルムンガンドを倒し、ダンジョンまで発見したんだ。この国の連中には感謝

 してもらわないとな!」


「感謝してますって。ただ、それと大剣を寄こせっていうのは別な話です。

 大剣とか報酬は勇者から貰って下さい。」


「その勇者様が貰っていいって言ってるのよ!」


「えっ!」


「あなた馬鹿なの?私達が魔族やモンスターと戦ってるからのうのうと商売が

 出来てるのよ。大剣くらい献上しなさいよ!」


すげえ理屈だな、おい!


「なあ・・・まじで勇者がそんな事言ってるのか?」


「なによ!疑うの!」


「いや、俺あいつらと同級生でな。交流はなかったんだがそんな事いうかな?

 と思ってな。」


「「えっ!」」


「まあいいや。俺はただのハンターだからな、勇者が言ってる事なんざ

 関係ない。俺が土産を買う邪魔だからお前ら出てけ。」


「はっ?それこそただのハンターが何言ってやがる!」


「ああ俺、鑑定スキル持っててな。お前らまじで勇者軍なの?っていうくらい

 弱いからな。痛い目みせちゃうぞ。それとライナにちくるからな。

 10番隊隊長殿と副隊長殿。」


「なっ・・・クソッ!帰るぞミーナ!」


「ちょっと私の大剣は!」


「別な店に行く!」


ドカンッと扉を蹴り、出て行った。やれやれ・・・。


「ありがとうございました。鑑定をお持ちなんですね。」


「気にしないでくれ。あいつらが隊長、副隊長っていうのは嘘だ。

 まあ弱くはないがな。」


「お客様は高ランクハンターだったんですね。」


「いや、Dランクだぞ。」


「えっ!」


「戦いにならなくて良かったよ。」


「はったりですかー!」


「同級生なのは嘘じゃないぞ。それにしても勇者軍の風紀は乱れすぎ。」


まじでライナと親父にちくろう。


「あの女性が言っていた事も間違いじゃないですからね。」


「少なくとも俺は誰かに感謝して欲しいからハンターをやってる訳じゃない。」


「お金の為ですか?」


「そうだな。老後に備えて貯金をするためだ。」


「ふふふ・・・面白い方ですね。今日は何を?」


「ああ、家族に土産を買いたくてな。」


「機械式の武具をですか?」


「家は俺以外、軍属なんだよ。」


「エリートじゃないですか。」


「俺以外はな。剣タイプとレイピアタイプを見せてくれるか?」


「少々お待ちください。」




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