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<幕間:ネアの気持ち>


私は今、鬼師匠達とギルドでクエスト完了の手続きをしている最中。



鬼師匠と会ってから、私の世界は色々と変わってきた。





…こんなこと言うのはダメなのかもしれないけど…



…私は勇者なんかになりたくなかった。



だって、今まで普通に暮らしてきたのに…



勇者の素質があるからって、訳もわからず旅立たされて…



勇者だから大丈夫だって…碌に何も教えてもらえなくて…



しかも、私の影響なのか同じく能力値が高かったルミナも一緒に…



……



…いや、ちょっと違うのかな…



もちろん、勇者になりたくなんかなかったのは本当だけど…



一番は、巻き込んでしまったルミナに対して申し訳ないって気持ちでいっぱいだったんだと思う…



だって、ルミナは人気者だったし、優しかったし、おっぱい大きいし…



…とにかく人気者で、ルミナには夢があった。



孤児院を開いて…そこで身寄りの無い子供達の面倒を見るっていう夢が…





…無理矢理付き合わせてしまったルミナに対して、私が何をできるか必死で考えたけど…



…とにかく空回りばかりだったなぁ…



…モンスターを倒そうとしてもうまくいかないし…



変なのには絡まれたりするし…



そもそも、満足にお金とか持ってなかったし…





…そんな時に、鬼師匠と出会ったの。



最初は、のほほんとした人だなぁってそんな印象だったけど…私たちの面倒を見てくれた。



…正直、とっても嬉しかった。



…勇者なんて肩書きのせいで、変な期待をされたり、勝手に持ち上げられたり、落ち込まれたり…



…辛いことの方が多かったなぁ…



この人も同じなんだろうって思ったりしてたっけ…今は違うけど…



……あの頃は……巻き込んだルミナには悪いけど…本当にルミナがいなかったら、私は我慢できずに死んでたかもしれないなぁ……なんて…





だから、鬼師匠に会えたことは私にとって…私たちにとって幸運だった。



何も知らない私達を、鬼師匠はこれまでの人達とは違って、ちゃんと見てくれて教えてくれた。



少しずつだけど、モンスターとも戦えるようになってきたし…



…だから、今がすっごい楽しい…



「…ネアちゃん…嬉しそうだね…」



「…えっ…」



報告が終わったのか、ルミナが私にそんなことを言ってきた。



…顔に出ちゃってたのかな…



「いいことでもあったの?」



「…うん……とってもいいことあったよ…」



私は自信を持ってそう答えた。



鬼師匠と出会えたことは、私とルミナが旅に出て…よかったと思える数少ない出来事の1つだから…



本人には言い難いけどねっ…///



「…それって…お師匠様と出会えたこと?」



「なっ…!?///」



なんでそれをっ…!?///



「ふふっ…ネアちゃん、顔に出やすいから」



「…うぅ……お…鬼師匠にはっ…///」



「わかってる…内緒だよね?」



と、小さく相槌をするルミナ。



…そういえば、昔からルミナに対しては隠し事なんてできた試しがなかったなぁ…



「…ネアちゃん…私も同じ気持ちだから……」



「…え?」



「…お師匠様と出会えて…よかったって思ってるよ」



「…ふふッ…そっかぁ」



…あ〜…やっぱり、ルミナに対して隠し事はできないなぁ…



「お〜い、2人とも〜。エルザさんが飯を奢ってくれるってさ〜」



気がつけば、鬼師匠が私達を呼んでいた。



「わー!やったー!!」



「あっネアちゃんっ、騒いだりしたら迷惑だよっ…!」



ルミナに注意されながらも、私は走り出した。



ずっと、こんな楽しい時間が続けばいいなぁなんて思いながら…


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