そのいちのよん
しばらくして両家顔合わせを客単価の高いであろうお店で行なった。
お店を決めたのはお義母さんだった。
コース料理形式で運ばれてくる和物のお料理たち。
妊娠していてその運ばれてくるお料理を少しずつ食べていた。
旦那からも『無理はしなくて良いんだよ』と言われていたしお腹すいても食べすぎても吐き気がするデリケートな時期だったから慎重に体と相談しながら食べていた。
そんなあたしを見てお義母さんは母と話していたのを中断して
『みかちゃんのお口には合わなかったかしら?』
いやいやいや、十分美味しいんだよ。
むしろ美味しすぎてめちゃくちゃ味わって食べたいんだよ。
そう、美味しいんだけど、だけど!!!!!
あたしの体調悪くなったら場の空気が悪くなるだろ、それを気にしてんだよ!!!!
と思いながらもにこやかに『いえ、美味しいです。美味しいので味わって食べてました』と言った。
そう、それならよかったよと一言お義母さんは笑いながらいいまたもぐもぐと食べながら話し始めた。
2時間ちょっとの時間を共に過ごし、何事もなく和やかな雰囲気で顔合わせは終わった。
結局食べれたのは少なかったけどそれで良かった。
和やかな雰囲気を壊さずにいられたのだから。