そのいちのさん
旦那の実家は由緒正しいお家柄だったみたいで
それを旦那も祖父のお葬式のとき知ったらしい。
でも家柄うんぬんが結婚を決めるなんて今時聞かないし
なんなら好き同士だったら結婚しちゃってもありだと思ってあたしたちは結婚した。
教科書の中での出来事でしかないと思っているからこそこう言えるのかもしれないけれど、周りの人で家柄がうんぬんとか聞いたこともない。
婚約中に旦那に子どもが欲しいと言われ計画的に妊娠して、結婚の報告を両実家にそれぞれ出向き報告をした。
あたしの両親はどこか寂しそうながらも両手を挙げて喜んでくれた。
あたしも苗字が変わることや家族から羽ばたくことを寂しいなと思いながらも祝福してもらえたことに喜んだ。
旦那と旦那の実家に向かい、報告をした。
きちっとしたスーツで行くのもお腹がきつかったため綺麗目のゴムのスカートにシャツを着てラフだけどしっかり見える装いをしていった。
ドキドキしながら迎えた報告会。
義家族も喜んでくれた。
『みかちゃんが娘になってくれて嬉しい、これからもよろしくね』
にこにこしながらお義母さんは言った。
子どもがいることも同時に報告をしそこも大いに喜んでくれた。
新居や両家顔合わせやら結納やら沢山の予定を立てその日は御開きとなった。
そこまではよかった。
心のモヤモヤもなくこれから幸せになるんだと家族が増えるんだとそう思っていただけだったから。
なのにどうして?
どこで間違えてしまったのだろう。
教えてほしい、どこから間違えたのか。