雨と怪物
私はまた 明るい光の中 目が覚める
ああ また学校に行かなきゃ
身支度を整えて、家を出る
街中はうるさい。騒音まみれだ。
イヤホンを取り出し、おもむろに耳につける
アイチューンからお気に入りの曲を呼び出す
つまんない景色が 色彩を身に着ける
制服のミニスカートのポケットに手を突っ込む
どこにも行きたくない。
だからって宇宙人にさらってほしいとかは思わなくなった。
ぼんやりと川を眺めながら そんなことを考えていた。
横になって風と日差しを浴びる
それにお気に入りの音楽
これがあれば なんでもいい
少し風邪気味で咳き込む。
ポタポタ、、、
雨だ
雨は好き。
小さいときから。
窓に雨の当たる音を聞きながら飲む 温かいホットミルク
クラブで飲むテキーラやシャンパンとは また違う喜び
雨の降る中 光り輝く宝石みたいなネオン
あ また来た
目の前に広がる 凄惨な光景
血と内臓が 青の街を染め上げてゆく
「キャーーーーー!!」
目の前を通る 女の悲鳴なんか聞こえない
私はお気に入りのクラブミュージックに酔いしれて、体を揺らす
リズムに合わせて腰を振る、手を振る
ブシュ
目の前で次々惨殺されてゆく人間たち
おぞましい歪んだ顔のモンスターたちが
123、、、、10、、、17
もっと たくさんいるだろう
長くて細い腕
雨に打たれるその姿は とても醜く そして哀れだった
私は恐怖と軽蔑を含めて そう思った。
私は コツコツと ローファーを鳴らし 歩き始めた
「さようなら」