-蒼瀾蛇と真実の波擣-
如何も今日は。今回は筆者の大好きな子が登場する為、結構ワクワクしています、筆者です。
一寸早いですが夏と言えば滄溟、滄溟と言えばサーペント!
と言う事で今回は割合有名なシーサーペントさんに御越し頂きました。
只一口にシーサーペントさんと言っていますけれども、彼はUMAの一種で特定の生物を指している訳ではない然うです。大雑把に滄溟に居る巨大生物だそう。大雑把にも程がある!
筆者としては直訳が海蛇なんだから巨大な蛇で良いじゃん!と適当に思っているので今回は其のイメージで読んで頂けると嬉しいです。北海に居る蒼くて顎門が尖っていて、鬣のある5~60mの海蛇・・・噫、良い。
何の根拠もないですけれど旻を飛ぶ蛇がワームで滄溟を泳ぐのがシーサーペント、地中に居るのがユルルングルかなぁと適当な事を思っています。(生まれも姿も全く違うから当人達にしてしまえば勘違いも甚だしいだろうけれども。)
では無駄話も此の位に。只の漣も世界の裏側へ物語を届ける様に、シーサーペントの荒波も屹度素敵な物語を創造してくれるでしょう。
太古の滄溟には蒼瀾蛇が居た
荒れ狂う激浪の様に気性は荒かったが、無用な争いを求めぬ蒼瀾蛇は陸に干渉しなかった
抑陸に興味が無かったのだ
時に陸の近くに迄来る事はあったが、其は蒼瀾蛇が行く先にあったと言う丈で、別段何とも思わなかったのだ
でも陸に住む者は違った
ある村は蒼瀾蛇が通れば祭りを開いた
ある村は蒼瀾蛇が通れば上を下をの大混乱だった。
ある村は蒼瀾蛇が通れば其の雄大な姿を見に集まった
そんなある日、とある村を大津波が襲った
皓月の満ち欠けか、潮か、海流か、何が引き起こしたか分からないが、其の激浪は村を呑み込んだ
全てが流され、只の浜涯と化す
僅かに残った村人、何もない村を見て何を思ったのか
先ず人々は嘆いた
そして怒った
でも怒りをぶつける当てが無い
人々は言った
先日、蒼瀾蛇を見たと
あの暴れ蛇が面白半分に激浪を起こしたに違いない
漣を居もしない蛇と見てしまった法螺吹きの戯れ
でも信じた人々は退治しなくては、と立ち上がった
直ぐに近隣の村から人々がやって来た
野次馬、腕試し、英雄気取り、金儲け、様々な思惑を乗せた船が蒼瀾蛇狩りに駆り出された
滄溟を揺蕩う蒼瀾蛇、騒がしくて適わない
何処かへ行こうと蒼瀾蛇が向きを変えると、鑓が幾本も突き立てられた
でも長年荒波によって鍛えられた鱗は貫けない
蒼瀾蛇は船の間を抜けて行く
其の時、一本の鑓が蒼瀾蛇の瞳に突き刺さった
此迄に無い程、滄溟は凪いでいたのに
漣が荒れて行く
怒りに燃えた隻眼の蒼瀾蛇は龍巻をも生み出した
見る間に船を呑み込んだ龍巻は、其の儘あの村へ向かい、残った人々をも呑み込んだ
こんな獰猛な奴等のいる陸には近付くまい
蒼瀾蛇は然う思い、静かなる海底へと潜って行った
疑う心と怒りの心が生んだ物は只一つ
漣さえ止まった浜涯が静かに帰風に吹かれている、其丈だった
-Fin-
はい。もう定番ですね。三分の一を読んだ時点で落ちが読めたと思います。後敢えて隻眼にしたのは単に筆者の趣味です。未だ然う言うのに憧れるんですよ、隻眼とか、盲目とか・・・欠損系好きですね。
蛇系は神聖なのか神話や神獣でも多く出るので特に好きです。出したい子は未だ未だ一杯いるので話が被らない程度に書きたいんですけれど、厳しいよなぁ、別枠の小説じゃないと出来ないかも知れないですね・・・私の腕次第ではあるんですけれども。
毎度の自業自得落ちなので余感想もないですし、此の程度で。人間って愚かだなぁとか適当に嗤って下さい。(酷い言い草だ。)
次は大きな鳥さんです。さて、何の子を思い浮かべますか?沢山いますよね、取り敢えずは大きい子です。
では良い物語を。