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08◇X02夜闇の女神1 シーリン担当任命日

夜闇降臨は終わってないです。合間にシーリン担当者の女神入ります。

☆☆☆


 最初はちょっと、同情したんだよね。

 だってそうだろ?

 相手はただの人間だからさ。ただの人間が、選りに選って夜闇神に選ばれちゃったんだよ。


 可哀想だって、思わずにいられないじゃないか。

 だからさ。

 最初は凄く、気を遣ってあげた訳さ。

 俺も人間から見れば女神でさ。しかも、月神系列なら大神クラスの闇神だからね。

 まあそのクラス区分の為だけの呼称で、闇大神て呼ばれる三十柱の一柱さ。中でも虹の名を持つ俺の上には三柱しかいない。結構な上位神だろ?横並びに六柱いるけどね。


 夜闇系には月神にあたる方々が存在しないからね。

 ある意味では冥王様が其れにあたるのかなあ?

 俺の上、三柱の方は、リア・リルーラ、夜闇神セルスト様、冥王ヒヨウ様となる。


 そりゃ格の問題として、主月神や月神達には一応の敬意ははらうけどさ。俺に命じる事が出来るのは、とにかく特別なリルーラ様と、もちろん上司?の冥王様と、夜闇すべてをお産みまいらせたセルスト様だけなのさ。


 冥王様の御名はトオイ様だけど、それは諱であり忌み名だからずっと冥王様とお呼びしていた。通り名はその時々でお持ちだったけど、神名に出来る力がある名前はずっとお付けに為らなかったんだ。

 リルーラ様の諱と、セルスト様の諱は知らない。寧ろ、冥王様の其れが知られてるのがビックリな話なんだけどね。

 だって多分。冥王様は月神達より上位神なんだよ。

 冥王様は気紛れな方でね。まあ其れは夜闇様も同じだけどさ、冥王様の気紛れはちょっと凄い。


 喩えば、人間とか妖怪とかの力無い存在に身をやつしたりするのは、神としてオカシナゲームでは無い。

 遊戯として、寧ろよく有る話さ。


 でもさあ。精々百年か其処らじゃね?


 冥王様は千年近く其れを為さった。

 しかも………犯されて忘却の河に流されたんだぜ。

 ガッツリボコられて、ズタズタに犯されて、流されていく冥王様はボロボロだった。


 何なさってんの!?つうか冥界の王子!!何してくれてんのおおお!!!!!


 俺の隣ではレテの流れを見下ろして、夜闇様がもはや我慢がならないとばかりに震えてらした。


 夜闇様が生まれて初めての「爆笑」を経験なさった記念日である。


 夜闇様は爆笑なさるし、冥王様最強を信じる夜闇系の神達には激震が走った。もはや疾走。疾うから解ってたけど、冥王様パナイッす!!


 リルーラ様は………リルーラ様は何か反応薄かったな。やっぱりね。みたいな、ちょっと吐息を洩らして終わり。

 え?そんだけ?みたいな。

 隣りに立ってた主月神シエンのが余程驚いてたよ。


 もちろん噂は月神系列の神々間にも駆け抜けた。割と仲良くしてる大神と月神が、事実確認にやって来たさ。


「あんたの上司………っ!」

「パネエ!!」


 爆笑した。俺の仲良しだから、やっぱり品に欠ける奴らなのは仕方ないが、冥王様への暴言は許さねえ!

 しかし、俺の仲良しなだけに、奴らは冥王様が大好きだから良し!


 ああ冥王様!素敵過ぎます!!!



 あれ?話がずれたな?


 何だっけ?




 そうそう。

 セルスト様のお気に入りの話だった。

 そいつの名はシーリン。


 エリジュアスのフライサ星にある、セリカって国の皇族として生まれた。


「これがシーリンだよ。」


 と、冥王様が仰有った。


『………ふん』


 と、セルスト様が頷かれた。


 心臓に悪いな。

 冥王様って、絶対的にセルスト様に無礼な気がするんだよね?気の所為?ねえ気の所為かなっ!?

 しかも冥王様は基本的に封印ジャラジャラだから、多分単純な力比べなら俺だって勝てちゃうんだぜ?セルスト様なら指先チョンで潰しちゃえるよ。

 そんな相手に、しかも気紛れなセルスト様相手なのに、冥王様は相変わらずの態度でいらっしゃる。ううう胃がキリキリする。


 そして、セルスト様は俺の名前を呼んで、姿を消した。


 え?何?俺に任せたって仰有いましたか?何を?


 混乱した俺を置いてきぼりにして、他の闇大神は立ち去る。俺が選ばれたから、俺だけ残されたって感じだ。


「どうした?」


 茫然としてたら、冥王様がお声を掛けて下さった。

 ええ?二柱きり?ギャアマジかあ!?


 冥王様のドキドキな眼差しとクラクラなお声と好きにして下さい的なお姿物腰デンジャラス!!


 何云ってんだ俺っ??


 まあどんなにドキドキで誘惑頻りなお見かけやお声でも、冥王様は普通に仕事なさってるだけだ。

 ご自身的には、多分事務的なオツモリと見たぜ。


 無駄にヨロメク俺が莫迦なんだよなあ。



 つう訳で。

 俺は、シーリンて人間に対する、夜闇様のお遣い役を任命されたのである。


 どっとはらい。





 え?終わるな?

 いや。別に終わんねえよ?

 何となく。

 話すのも疲れたし。


 今日は此処まで。



 そうだな。

 次は順当に、初めてお遣いに行った時の話をしようか?

 それとも、シーリンが選ばれた理由でも語っちゃう?


 今?今のシーリン?


 今は地球じゃね?

 ん?何でセリカの皇族が地球かって?

 奥さんが地球生まれだからじゃね?


 は?違う違う。気楽な貴族なんかじゃねえよ。

 奴はそうなりたかったし、半ば成ってたけどなあ。

 臣下におりてたのは無かった事にされてさあ、王様になっちまったんだよ。


 何で王様が地球に行けるか?

 知らねえよ。責任感が無いからじゃねえの?


 あいつ………そもそも、全然仕事しなかったからなあ。


 多分、セリカ全然困んねえよ。


☆☆☆



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