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真っ最中に家の鍵を閉めたか気になった男の話

掲載日:2026/09/12

 ある晩のこと。


 彼氏のAとベッドの中で濃密な時間を過ごしていた俺は、いよいよクライマックスに突入しようとしているところだった。


 結合は鍵が錠にハマるようなものだ。


 そんなことを考えていると、ふと、ある不安が胸をよぎる。


 あれ…


 俺…

 

 家の鍵閉めたかな…??



 玄関の扉を閉めたところはよく覚えている。


 けれども俺はその後、ポケットからキーケースを出しただろうか?


 キーケースから自宅の鍵を取り出し、錠に挿して、手首を時計回りに90度回転させたのだろうか?


 いくら反芻しても、自分が鍵を閉めた様子が思い出せない。


 急激な不安に襲われた俺は、結合どころの騒ぎではなかった。



 「どうしたの?」


 彼氏のAが不安げに尋ねる。


 どうしたのも、こうしたのも、俺の自宅は今、無法者の蹂躙の危機にさらされているかもしれない。


 この不安を解消できる唯一の方法は、自宅に戻って鍵が閉まっているかどうかを確かめることだけ。


 そう考えた俺は、のっぴきならない事情ができたと告げると、Aを置いて自宅へ急行した。



 自宅に帰った俺は、ドアノブを握る手が震えていた。

 

 もしこのドアが簡単に開いたら…。


 そして、中を覗いた瞬間、ぐちゃぐちゃにかき乱された室内を目にすることになったら…。


 けれども今は扉を開けてみるしかない。


 勇気を振り絞ってドアノブのレバーを下げた俺は、ドアノブを手前に引くやいなや、頑強な抵抗にあった。


 鍵は閉まっていた。


 部屋の貞操は守られた。


 ほっと胸をなでおろしたのもつかの間、俺はまた新しい不安に襲われる。


 寸止め状態で放置された彼氏のAはきっと怒っていることだろう。


 彼氏が心の錠前を取り替えてしまうかもしれない。


 そう恐れた俺は、あわてて彼氏の寝室へ舞い戻った。



 Aの元に戻ると、Aは怒るどころか、信じられないほどぐしょぐしょに濡れていた。


 目尻を染めたAは見たこともないほど妖艶な顔つきで俺を迎えると


 「こういうプレイ…好きだよ。」


 と吐息混じりに囁く。



 こうして俺たちは


 新しい愉悦の扉を開いた。

鍵って、どうして不安にさせるんでしょうね。

でも、閉めたかどうか分からず、戻って確かめたときに、鍵が開いていたことは一度もないです。

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