表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生少女の異世界のんびり生活 〜飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい〜  作者: 明里 和樹
飯屋の娘に転生した現代人が、ただ特別な日をお祝いしたいだけのお話。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/13

3.わたしにできること

 そんなわけで。そう、料理なのです!


 今回シーちゃんの誕生日ということで真っ先に浮かんだのが、このケーキでした。

 やっぱり元日本人としては誕生日といったらケーキ! クリスマスといったらケーキ! というくらいにもう、切っても切り離せない仲だと思うのですよ!(あくまで個人の感想です)


 というわけでケーキを作るのはすぐ決まったんですけど、地球でいうなら今日はクリスマス。

 せっかくだからフランスのブッシュ・ド・ノエルとかドイツのシュトレン、あとはイギリスのクリスマスプディングとか、クリスマスにちなんだものを作ってみるのもありかな~と迷ってたんですけど、ひとつ(だけじゃなかったけど)問題があったのです。


 そう、それは…………肝心のケーキを焼くのに適した! オーブンが! なかった! のです……。がっかりなのです!


 確かにこの世界、基本焼くか煮るかしか調理法がありませんし、ウチは料理屋さんなのでオーブン、というかかまど(日本人的にはピザがまといったほうがイメージしやすいですかね)はあるんですけど、あんな感じのまきを使った火力の調整が難しい代物ばっかりなんですよね。しかも家庭用じゃなくて業務用なのでなかなかに高火力。つまり火加減がとても難しい……。

 ついでにいうならタイマーもありませんので、何回か試したんですけど焼き上がりが安定せず、現代日本のスポンジケーキには程遠いできだったのです……。悲しい。


 他にも綺麗な形のスポンジケーキにするための丸い型とか、それに敷くクッキングシートとか、前世の知識はあっても道具がほとんどありませんでした……。しょんぼりです。


 ……しょんぼりではありますが、それで諦めるわたしではありません。


「お嬢様、こちらは『苺のケーキ』といいまして、厚く焼いたパンケーキを重ね、間にカットした苺とホイップクリームを挟み、周囲にもホイップクリームを塗り、トッピングに苺を飾り付けたスイーツになります」


 そう、現代のショートケーキを再現するのではなく、今のわたしにできる、できるかもしれない調理法――フライパンを使ってスポンジケーキのようにできるだけ厚くなるよう、生地にメレンゲを混ぜてなるたけふわふわのパンケーキを焼き、上面にホイップクリーム(材料である卵や乳製品のような生鮮食品は《洗浄》魔法で滅菌済みです)を塗り、カットした苺を並べ、再びホイップクリームを塗って、その上にもう一枚のパンケーキを重ね、側面と上面にホイップクリームを塗って、あとは現代のお誕生日ケーキのように等間隔で円の形に赤い苺と白いホイップクリームをデコレーションして、はい、わたし特製『異世界風苺のケーキ』の完成で~す。


「こ、これ、パンケーキ……なの……!? じゃなくて、え、えっと……パンケーキなのですわ……?」


 若干言葉使いがおかしいですけど、あわあわしつつも、興奮からかほっぺが赤く染まり、瞳がキラキラとしているシーちゃんの無邪気な笑顔がまぶしいのです。ほっこりしますね。


「はい、ですがこちらは特別な、お嬢様のためにご用意させていただいたスイーツでございます」


 パンケーキはシーちゃんの好きな食べ物ですからね。その好物に普段はちょっとお高いので食べられない苺(そこら辺にっている木苺なんかはよく食べますが)に、見たことないでしょうが、なにやらとても甘そうな香りのするホイップクリームが表面を覆っていますからね。期待に胸が膨らむのも頷けま…………なぜか突然表情が固まったシーちゃんがこちらを向いてチョイチョイと手招きしているので、膝に手をついて少し屈み、椅子に座っている彼女に視線を合わせます。


 ……な、なんですかね…………?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ