表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生少女の異世界のんびり生活 〜飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい〜  作者: 明里 和樹
飯屋の娘に転生した現代人が、ただ特別な日をお祝いしたいだけのお話。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/10

1.異世界のクリスマス

「「「お誕生日、おめでとう~」」」


 みなさんどうも!

 前世は日本人、今世は三つ編みお下げな栗色の髪と、好奇心に輝く飴色の瞳を持つ飯屋の娘、デリシャです。料理人を目指している八歳の女の子です(ぺこり)。


 今日は十二月二十五日、同い年の従姉妹、シーちゃんことシエスタちゃんの九歳の誕生日なのです。


 前世の世界では十二月二十五日といえばクリスマスですね。メリクリで〜す♪(雑なあいさつ)


 実はですね、こちらの異世界でもなんと『星夜祭せいやさい』という似たようなお祭りがあるんです!

 ……とはいいましても正確にいえば、とあるお方のお誕生日というわけではないですし、そもそも本来のクリスマスがお祭りなのかもよくわかりませんが。


 星夜祭について簡単に説明しますと、期間は前夜祭と後夜祭を含めた二十四日から二十六日までの三日間で、本祭である二十五日は成人(この国では十五歳です)済みの未婚の男女が、意中のお相手に告白したりプロポーズしたりする日で、星の綺麗な夜に想いが通じたカップルは幸せになれる、という言い伝えのある伝統行事です。ちなみに本日は雲一つない、とても綺麗な星空です。


 で、です。それ以外の夫婦だったり未成年の子どもたちだったりは、家族で過ごしたりお友達同士でお祭りを楽しんだりするという…………うん? 現代日本のクリスマスと大差ないですね……。おかしい……世界は違うし起源も違うのに、行き着くところは同じという…………不思議ですね!(雑な感想)


 それよりも今日はわたしの従姉妹、背中まである長い焦げ茶色の髪を一本の三つ編みにし、同じ色の優しそうな瞳をしたがんばり屋さんな女の子、シーちゃんの誕生日ということで、彼女のお家でお誕生会なのです!

 ……とはいいましても彼女のお家は『宿里木亭やどりぎてい』という宿屋さんを営んでおりまして、星夜祭だからといってお休みにはならず……むしろ観光地でもあるこの『ミネルラ島』はいつも以上に人も物も行き交い、とても賑わっています。


 特に年に一度の星夜祭ということで、普段の無色透明な灯りとは違い、赤や緑や白色に瞬く街灯(魔力灯といって電気ではなく魔力を動力とした照明で、使う魔力の属性によって簡単に色が変わります)によって、カラフルに彩られたお祭りムード全開のこの街は、どこのお店も繁忙期で大忙しです。


 ですのでお誕生会といっても、お祝いをしていつもよりちょっと豪華な晩ごはんを食べるだけのささやかなものです。まあ、この世界の下町の子の誕生日なんてみんなこんな感じで、むしろお祝いしてもらえるだけで御の字なのが普通みたいなのですが。


 わたしも昼間は魔法を習っている先生のお屋敷で授業の合間に家事をしていたので、いつもの紺色のメイド服風ワンピースとエプロン姿ですし、シーちゃんも若草色のワンピースにエプロンという普段のお手伝いの格好です。通常営業です。


 わたしとシーちゃんは子どもなので本日はすでに終業しておりますが、彼女の両親である大将さんと女将さんも最初にお祝いしたあとは、普通に仕事に戻ってたまにここ(従業員用の食堂兼休憩室)に顔を出して会話して料理を摘まんでまた仕事に……っていう感じですし。

 この宿里木亭の料理長であるわたしのお父さんも、誕生会用の料理を並べたあとは宿屋の食堂も兼ねているお店の厨房に戻って、いつも通り絶賛お仕事中です。……完全にブラックです、本当にありがとうございました。……いえ、繁盛しているのは喜ばしいのですが、ブラックなのはよろしくないと思うのです……。


 ……ちなみに見た目高校生くらいの美少女で、おそらくは成人済みの独身で貴族であるのはずのわたしの先生は、今日もお屋敷に籠ってウッキウキで魔法の研究に没頭してました……(遠い目)。


 確か貴族は貴族で家族でパーティーしたり夜会か何かでパーティーしたりするはずですが……よかったのでしょうか……? 一身上の都合による欠席(サボり)? ……それともこれもある意味社ちk(ワーカホリック)…………いえ、趣味が仕事のひとはこれもうよくわかんないですねぇ……。


 ま、そんなこんなでこれがこの世界の普通なのはわかるのですが、現代日本の知識のあるわたしとしては、もうちょっと、こう……なんとかしたいな~、と思いまして。


 というわけでわたしにできることといえば! そう! 料理を! がんばりました! …………料理長のお父さんが!(知ってた)


 ……いや、だって、わたしも手伝いたかったんですよ! でもわたし基本(まかな)いしか作らせてもらえませんからね! シーちゃんは身内とはいえ本日の主役、ある意味お客様です。ですので作らせてもらえませんでしたー!(残念)


 ……ええ、それはわかります。その理屈はわかるのですが、それで納得するわたしではありません。


 わたしだってシーちゃんに何かしてあげたい。お祝いしたい! だから考えました! 交渉しました! その結果が、こちらです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ