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転生少女の異世界のんびり生活 〜飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい〜  作者: 明里 和樹
飯屋の娘に転生した現代人が、ただ特別な日をお祝いしたいだけのお話。後日談(という名の茶番)

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1.翌日の出来事

 翌朝。


「よし、こんな感じかな?」


 普段より気持ち丁寧に三つ編みを結うと、いつもの紺色のワンピースに変なところがないかしっかりと確認……。身だしなみヨシ!


 いや~、昨夜はシーちゃんがとてもとても喜んでくれて、大変よかったのです。思い出しただけで顔がにやにやしちゃいます。

 ……いやいやでも、昨日は昨日、今日は今日。気持ちはしっかり切り替えませんと。今日は実技の授業をやるって言ってましたし。


 周囲には内緒なのですが、実はわたし、とある人に魔法を教わっていましてですね。

 ええ、サラサラの金髪に空色の瞳の、超が付くほどの美少女さんなのです。魔法に対する知識と探究心は人一倍という、どう見ても貴族のご令嬢さんなのです(本人はただの観光客、と言い張っておりますが)。


 今日は昨日に続いてそのかたの、魔法の授業がある日なのです。なのでこうして気合を入れているわけなのですよ。

 ……まあ、世間は星夜祭の最終日ということで、お祭り気分の方々が、ひっじょ〜に盛り上がっているわけなのですが……。


 べっ、別にうらやましくなんてないんだからねっ! 勘違いしないでよねっ!


 ……さて、とりあえずひとボケして完全に気持ちも切り替わりましたし(自由人)、先生のお屋敷に登校なのです!

 ……いえ、空いている時間はメイドさん(といっても見習いですが)として家事と先生のお世話をしているので、登校じゃなくて出勤……? まあ、どっちでもいいですかね(大ざっぱ)。


 家を出て、お祭りの準備に賑わう朝の街の空気を感じながら、近所にあるどう見ても普通の家にたどり着くと、渡された合鍵で玄関を開けて中に入ります。


 パタン、と扉を閉めて施錠すると、一旦いったん目を閉じて集中。魔力を感じる部屋を探ります。


 今日は、あそこかな……?


 目を開け、わずかに魔力の反応がある部屋の前まで歩いていくと、そっと、扉に手を当てる。


 うーん、今日は水かな……?


 扉から感じるわずかな《水》属性の魔力と同調するように、わたし自身の魔力をほんの少しだけ水属性に微調整する。


 完全に同調した瞬間、スルッとした感触とともに扉を通り抜けると、目の前に、きらめく陽光に照らされた、たくさんの植物に囲まれた広くて綺麗な庭と、大きくて立派な洋風のお屋敷が、どーん、と姿を現す。


 適性のある魔法使いにしか習得できないという超高位魔法――――《魔女の庭園(ガーデンオブウィッチ)》。


 うーん……もう何回も見てますが、普通の家の中にこんな大きなお屋敷があるとか、わけがわかりません(真顔)。


 青いお空にはお日さまが今日も元気に輝いてます。もっとわけがわかりません(超真顔)。


 ええ、わたしの魔力操作の訓練も兼ねている、あの魔法の扉の理屈くらいならまだわかるのですが、空間だの時空だのというそれもう魔法というよりSFですよね? というレベルのお話になってくると、正直ちょっと何言ってるかよくわかりません(素)。

 しかも設定した人しかこの空間に入れないという、超強固なセキュリティ。


 で、そんな高度な魔法を駆使してこのお屋敷を創り引きこm……お住まいになられているのが、わたしの先生である魔法使い、セシリア様なのです。




「先生~、おはようございます~。デリシャです〜」


 大きな声であいさつをしてから、玄関扉を開けてお屋敷の中へと入ります。


 大きな声で話すとか淑女の礼儀作法的にアウトだそうですが、今は授業&就業前のプライベートな時間なので問題ないのです(※あくまで個人の感想です)。


 そもそもわたし淑女じゃなくて子供ですからね(都合のいいときだけ子供振る)。それに子供って、元気なのが仕事みたいなところがあるじゃないですか(※あくまで個人の感想です)。


 さて……反応がありませんがどうせ昨夜も研究に没頭してただ今絶賛熟睡中なんですよね、わかります。

 とりあえず寝室……ではなく、だいたい寝落ちしている確率の高い、先生の書斎から攻めますかね。ここから近いですし。


 そうと決めると高級そうな絨毯の敷かれた廊下を歩いて一階にある書斎に到着。コンコンコン、と扉をノックして反応を待ちます。


 返事がない……ただの扉のようですね。


 返事があってもなくても、このお屋敷の使用人はわたしのみ。そして主を起こすのは使用人の役目。つまり先生を起こすためには許可がなくとも突撃あるのみ、なのです。


「先生~。いらっしゃいますか~? あーさでーすよー」


 ガチャり、と貴族のお屋敷らしい重厚な扉を開けたその先には――――長く綺麗な金髪を床になげうち、いつもの魔法使いらしいローブ姿で赤い絨毯の上に静かに横たわっている、美少女先生の姿がありました。



 …………。



 ………………?(なんで床で寝てるのですかね?)



 ………………………………っ!(察し)



 は? はあああぁぁぁぁっ!? え!? も、もしかして――倒れてる!?


 せ、先生ーーーーーーーーーーーー!?

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