3話「偽りの身体能力フィジカル」
高級住宅街で、夜な夜な異能者が襲われる事件が続く。被害者は全員「身体強化」の能力者ばかり。
現場に来た白斗は、コーヒーゼリーの容器をゴミ箱に捨てながら美咲に声をかける。「今日も元気だね、脳筋さん。」
美咲はこめかみに青筋を立てて、「脳筋じゃないわよ!これでも私、実力でこの地位にいるんだから」とメモを叩きつける。
美咲のメモ、
「被害者は5人、全員重傷。犯人は素手で異能者の防御をぶち破っている。目撃証言は『光る眼の怪物』。次のターゲット予測は困難。」
そこに裕也が、蛇の「デスアダー」を首に巻いて現れる。「白斗さん、これ周辺の蛇から聞いたんすけど、犯人から変な匂いがするって。人間じゃないみたいな……。」
そんな中、突然背後から凄まじい風圧と共に、ガリガリの男が襲い掛かってくる。
男の拳が美咲に飛ぶが、美咲は反射的にガード。だが、身体強化もしていない男の一撃で美咲の腕が悲鳴を上げる。
「……なんだ、警察の癖にその程度か。身体強化の才能がある奴はいいよなあ!」
男の正体は「ドーピングの異能者」。自分の細胞を無理やり活性化させて、一時的に身体強化者以上の力を出す能力。
白斗が男に向かってトランプを投げる。男はそれを拳で粉砕しようとするが、トランプはすり抜けて男の胸元に張り付く。
「ジャッジ、その力は自分のものか?」
男は「俺の力だ!血の滲むような思いで手に入れたんだ!」と叫ぶが、カードは真っ白に。「ダウト」、嘘だな。
白斗は鼻で笑う。「君の体、ボロボロじゃないか。異能薬プラグか何かで無理やり引き出した偽物の力だろ。」
図星を突かれた男は、さらに薬を投与して巨大化。「殺してやる!」と白斗に突っ込む。
白斗は動かず、隣の美咲を見る。「……出番だよ、本物の努力家さん。」
美咲はニヤリと笑い、一歩踏み出す。「言われなくても!……会心の一撃!」
薬で膨れ上がった男の拳と、美咲の鍛え抜かれた拳が正面から激突。
凄まじい衝撃波が起きるが、打ち勝ったのは美咲だった。男の腕はひしゃげ、そのまま壁まで吹っ飛んでいく。
「ハァ……ハァ……。一撃、入ったわね……。」
膝をつく美咲に、裕也が「ナイスっす!」と駆け寄り、蛇で男を拘束する。
事件解決後、白斗はまた新しいコーヒーゼリーを開ける。
美咲が「……さっきの、本物の努力家ってどういう意味よ」と赤くなって聞くと、
白斗は「別に。カードが『君の拳は真実だ』って言ってただけだよ」と、色を失った瞳でどこか遠くを見つめていた。




