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冬の日
意外と暑がりだと気付いた冬の日
着るのに億劫になった上着を
そっと君の肩に掛けた
涼しくなったはずなのに
身体は更に熱くなる
でも前よりずっと心地がいい
冬は夕日が沈んでいくまで早いから
「寒くなる前に早く帰ろう。」君への声は
境界線で音にならずに消えていった。
まだ帰りたくない
まだ暖かさを感じていたい
そんな淡い願いと共に夜は僕らを包んでいく
一日が始まった時に十分解っていただろうに
繰り返されてきた終わる喪失感を
改めて思い知らされるんだ
電車を待つ駅のホームで
上着を僕の足に掛けて
そっと椅子に腰かけた
相変わらず寒がりだと気付いた冬の日




