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レオル 〜裏切りの亜人王〜  作者: ヤマ蔵
1章 回帰と決意。
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1話

ここは?



真っ暗な暗闇

そこに1人の男は宙に浮くよう存在した


・・・あの世


「みんなは・・・?」


・・・


甘い考え・・・だな。

いるはずがない。


俺は多くの仲間や友人を死へと導いた。

彼らと同じとこにいけるなど・・・


脳裏に浮かべる1人の人物


嘘偽りのない真っ直ぐな目で死に際に・・・慕っていたことを伝えてくれた人・・・



「ふふっ、こんなところでも俺は・・・ん??」



ふと、違和感を感じる


「なんだ?」


その違和感とは・・・

1番の想い人の顔が思い出せないこと。


顔だけでなく、姿や名前まで思い出せない


「神はそこまでの罰を・・・ぐっ!?」


突然、獅子顔男の胸部が光り、その光は瞬く間に全体を照らすのだった


---------------------------------------

--------------------------

-------------



「キング」


はっ、とその声の主へ顔を向ける


「顔色が優れないようですが、大丈夫ですか?」

「キング・・・?」

「??」


顔をしかめる相手

そして、見覚えのある顔に安堵の息を漏らす獅子顔男


「あ、あぁ。グリウス。大丈夫だ、ありがとう」


(謝辞?いや、聞き間違いか?)


獅子顔の男と同じく、人間と呼ぶには程遠い外見・・・【グリウス】と呼ばれた下級竜【リザードマン】は続けて首を傾げた


グリウスにはあの世で会えたか


だが、不思議なもんだ

天国と地獄が存在するのなら、グリウスは私と同じには・・・


胸の首飾りを無意識に握るレオル


「その首飾り・・・いつ着けられたのですか?」

「え?いや、これは」


・・・


いや、この感覚


待て


待て待てっ



「!!」

「!?」


そのリザードマンはいきなり両肩を掴まれ、目を見開く


「ここはどこだ!?」

「この前移動した拠点ですよ・・・いったい何を」

「なっ」


拠点?


死後の世界はこんなにもリアルなのか?


コイツは間違いなく俺の仲間だった、リザードマンのグリウス。

だったら何故俺は確かめるように・・・



仲間・・・“だった”?



うっ!!


突然襲う、激しい頭痛に頭を抱える


「キング!」


刹那、キングと呼ばれた男は目の前が真っ暗になり、全ての音が完全にシャットアウトされた


数秒程の静寂。

そして


様々な映像と音が滝のように頭の中へ入り込む。


とてつもない情報量が入ってくる感覚に、たまらず膝をつく獅子顔男。

その男は気を失いそうになりながらも、今いる状況を必死に理解しようとした。


「馬鹿な。俺は・・・俺は」

「???」


この感覚・・・はっきりと分かる。

夢などではない、と。


ありえないが、そうであれば・・・



「あの、キング?」

「今、何年だ」

「はい?」

「太陽神暦・・・分かるか?」

「え?あ、えっと、正確には分かりませんが520年・・・前後だと思われます」

「・・・!??」


俺も詳しく覚えてないが、意識が途切れた場面は520年前後で無いと自信を持って言い切れる。



時が戻っている・・・?



獅子顔の男は落ち着きを取り戻し、視線を前に向けると更に数名の覚えのある顔が並んでいた


「亜人・・・?」



純人類が“完全な亜種”と見下す存在として名付けた総称、【亜人】

その亜人と呼ばれた人種の集まりである長、【レオル】


俺の名・・・



整理が追いつかん

流れ込んでくる多くの情報は、今だに継続して頭の痛みを絶やさない


しかし・・・


首を切られた感覚は鮮明に残っている。

アグニスに殺されたのも夢では無く現実。


落ち着け・・・


「だ、大丈夫ですか?」

「あ、あぁ。少しマシになってきた。だが・・・」

「?」

「い、いや。何でもない」


先程から付き纏う妙な感覚。


そう・・・

“何かを思い出さなくてはいけない”というこの感覚は何だ?



「キング」


グリウスとは異なる声。

レオルは、新たな声の主へと視線を移す


「人間ごときに怯えてるのか?」

「お前・・・」

「あ?」


この男ももちろん覚えている


豹と人類の血が混ざった、黒色の獣毛を纏う“亜人”、【ジェイ】

俺が亜人の居場所を作ろうと決意した初期のメンバー


家族・・・と呼ぶべき存在でもある


「早く決断しろ。もう奴らが・・・」


ジェイは突然襲う窮屈感に目を見開く


「・・・は?」

「・・・」

「き、キング?」


レオルはジェイを強く抱きしめていた


「良かった・・・」


コイツも、俺のせいで・・・


「レオル・・・?」


はっ、と我にかえるレオル


「えっと、何の話だったか?」

「ふ、ふざけている場合か。帝国の遣いがもうそこまで来ている」

「そう、か。確か・・・」


なるほど・・・


「そう、だった」


レオルの力無い言葉に睨むよう目を細めるジェイ


「数がいつもの倍以上多い。何か・・・あるぞ」

「あぁ。分かってる」

「分かってる?」

「い、いや・・・」

「キング」


グリウスが割り込み、2人は同時に視線を移した


「その・・・」


レオルは、申し訳なさそうに話を切り出そうとするグリウスに覚えがあった


「話を・・・聞いてほしいんですが」


決意にも近い表情


俺は・・・

その表情の真意を知っていた


そして、流れ込んできた無数の・・・不確定の記憶


その中から


グリウスが血だらけで横たわるビジョンが強く強調されるのだった。

レオル

主人公。20歳

獅子型、亜人

白銀色と黒が混ざった獣毛

195cm、110kg

人1:9獣(以降、亜人である登場人物の見た目はこの割合で表現します)


グリウス

51歳

リザードマン(下級竜)、亜人

赤緑色の鱗

220cm、203kg

人1:9獣


ジェイ

23歳

豹型、亜人

獣毛色:黒色

178cm、87kg

人3:7獣



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