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サークルの同期、ZくんとKくんのこと

大学1年の夏、Zくんは部室に入部届けを持ってきました。私の彼への印象は好青年。格好いい。ただそれだけでした。話してみると優しくてとてもいい人で、好意を抱くようになりました。

同期の子ということもあり、とても話しやすくて楽しい。部誌づくりの作業も苦ではありませんでした。

Zくんはうちのサークルの他に、写真部とテニス部を兼部していたので部室に来る頻度は高くありませんでしたが、かといって全く顔を出さないタイプではなかったので部室でよくお昼も他のメンバーと一緒に食べていました。

それまで恋という恋をしなかった私は、どうすれば彼が振り向いてくれるかなど見当も付きませんでしたがとにかくいつも明るく楽しく接しよう!と心がけていました。


うちのサークルは新入生歓迎会や納涼会、学祭お疲れ様会などなど行事に際して飲み会を開催しておりZくんは毎回参加していたので、彼が気になりだしていた私は当然参加。

2年にあがった頃のタイミングで、彼がテニス部の後輩に片思いしていることを飲み会の席で知ることになりました。

それでも諦めまいとたくさん関わるようにしていた私。ある時、授業が早めに終わった私は大好きな声優さんのCDを買いに新宿へ寄り道をしようとしていた日がありました。

大学を出ようとすると目の前からZくんが歩いてくる姿が見えます。私は声をかけました。彼はテニス部の部活の時間まで暇を持て余しているようだったので、ダメもとで新宿へ行くけど一緒に行かないかと誘ってみました。

断られるかと思っていた返事は意外にも承諾され、とても嬉しかったことを覚えています。

電車の中で色んな話をする中でZくんのことを名前呼びするのはだめかしら、と提案しました。うちの学科の人達はみんな下の名前でみんな呼ぶし、そっちの方が慣れているという風に自然な流れに持っていきました。好きな人のことを名前で呼ぶのは勇気がいります。ちょうどいい理由付けになった! と思っていましたが、苗字の方がいいと言われたため名前呼びは出来ずじまいになりました。

この何年か後から私は思い切って名前呼びを始めますが、それはまた後ほどお話します。


新宿へいき、某CDショップで買い物をしたあと雑貨屋へ。可愛いネックレスを2本見つけ、どちらがいいか迷っていた私はZくんに選んでもらうことにしました。すると彼は、それよりこれは? と鍵のチャームの付いているネックレスを持ってきてくれました。そのあと試しにつけてみることにしたのですが、なかなか付けられず苦戦しているとZくんは徐ろにネックレスを私から取り、首にかけてくれたのです!

首に息はかかるし、急な近距離接近にもうドキドキでした。

結局、彼が選んでくれたという事実が嬉しくて即決購入。そこからしばらくの間、大学に毎日つけて登校していました。

単純すぎますよね。でも気になる人が選んでくれたという、もうそれだけで幸せ気分だったのです。


その頃から段々と好きと思うようになっていきました。幼稚園時代によくある好きな男の子いる! みたいないわゆる可愛い初恋とは違った、しっかり恋愛感情のある好きは彼が初めて。初恋になりました。

その年の冬頃にはZくんには彼女ができます。1歩遅かった、そう思いました。Zくんを好きでいてはいけない、そう思えば思うほど好きは増すばかり。


ところで同じサークルにKくんという人がいて、よく彼のことで相談に乗ってくれていた人がいました。Kくんは一浪して入学したため私より1つ上です。Kくんは色んな方面に顔の広い人でした。優しくて落ち着きのある人。相談事も親身になってきいてくれる頼りがいのある人。私はその人に気持ちをシフトさせようとしました。Kくんを好き、そう思い込めばZくんへの気持ちを忘れることができると思ったのです。

思い込みとは怖いもので、思い込もうとすればするほどKくんが好きと思うようになりました。とはいえ、相談にもよく乗ってくれていた人だったので気になっていないわけではありませんでした。

1人帰り道で、Zくん何してるかなと思い浮かぶことがあったときはそれを振り払ってKくんのことを考えるようにしてた時期もあったくらいです。今考えれば、そんなことする必要なんてないのにと思うのですが、その時の私は客観的に物事を考えられるほど大人ではなかったのです。


ある時、Kくんと帰りの電車が途中まで一緒になります。その時に実はと彼に告白をします。Kくんはとても驚き、返事に少し時間を欲しいと言われました。

何日か後、電話で返事をされ答えはNo。それはそうだと思いました。急に切り替えようとして告白したってそんなの叶うわけありません。でもその時の私はなんだかすごく必死になってしまっていた所はありました。告白をしたらもう友達には戻れないのではと不安になった私はKくんに友達でいてくれるかと問いかけました。その答えはYes。一気に安心した私。

その頃の私は、保育の道で本当にいいのか悩んでいた時期でした。そんな時にZくんに彼女ができ、不安材料が押し寄せて潰れそうになっていた私。確かそのこともKくんに話を聞いてもらった記憶があります。しかも電話で。かなり長時間。しんどすぎて泣きながら話す私の言葉を丁寧に拾いながら聞いてくれ、なんて素敵な人なんだと思いましたが、悲しいかな私はKくんに振られたあとなのでした。

Kくんに対しての気持ちに関しては本人には申し訳ないのですが、あまり引きずることはなかったように思います。


Zくんに対しては無理やり切り替えて、気持ちに蓋をしようとしましたが好きな気持ちに嘘などつけるはずもなく。無理に抑えようとした反動で逆にもっと好きになってしまうのでした。

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