プロローグ - ゲームの勧誘 -
今、この地球上の世界で最も
人気急上昇中のゲームアプリ『EARTH -アース- 』
ゲーム史上最強のグラフィックを誇り、人気声優や世界で絶対的な支持を得ている脚本家のストーリ、描いた絵には1000万という数字が付けられたと有名な絵師
そんな強者が集い、作られたゲームのダウンロード数は、なんと脅威の億という桁違いの数字
そのゲームはまさに世界中の人々が夢見ていたであろう文句無しの100年に1度しか見られない“神ゲー”
そして今年の春、大学1年生を迎えた私のクラスは『EARTH -アース- 』の話題で募っていた。
「おっしゃぁあー!!」
隣の席にいるゲームオタクである五十嵐 匠は突然、クラス中に響き渡るくらいに発狂した。
「うるさ.....」
またか.....と思いつつも私はいつものように耳栓しながら深いため息をついた。
最近、隣の席の五十嵐は『EARTH - アース - 』を初めてから、ランキングが上がる為にこうして発狂をしている。
まぁ、そうとう嬉しい事なんだろうけど、少しは静かに出来ないのかな
「見て見て!!
日本ランキング10位に入ったぜ!!」
五十嵐は嬉しそうにウキウキとしながら、私にスマホの画面を自慢げに見せびらかした。
「......そんなに凄いことなの?」
私、神音 柚は全くゲームとは無縁な人生を送ってきたからゲーム面白さが分からない。
日本ランキング10位に入ったぜ!!....なんてことをゲームとは無縁の私に言われても反応に困るんだよなぁ
「そりゃあ凄いことに決まってんじゃん! 世界ランキングで10位になったら、もっと凄いんだぜ!」
「へぇー......『EARTH -アース-』って、そんなに面白いゲームなの?」
「「「え....?!」」」
私がそう言ったら、クラス中の人達は私を驚いたように目を開いて見つめた。
「え......?」
そんなに驚くこと.....?
もしかして、『EARTH -アース-』を絶対にやらなきゃ不味いパターン?
「お前やってないの?! あの神ゲーを....!!」
「え、うん.....。そうだけど?」
「『EARTH-アース-』をやってないなんて人生損してるぜ.....カミネ....」
「そうだよ、ユズ! 文句でも何でも言っていいからさ、1回だけやって見て! お願い!」
「えぇー....?」
私の親友である桜木舞那は私と同じく、ゲームとは無縁だった。ゲームなんかに興味がないはずなのに......。けど、マナはハマってしまった....。
そんな親友にそこまで熱烈にオススメされたら、本当にやってしまいそうなところまで来てる。
「一生のお願い! きっと後悔しないはずだよ!」
「そう....なのかな.....」