鬼畜野郎
「ここに魔石がある。水晶に魔力を注いだ時のように魔力を流してみなさい」
確か、触れて魔力を注ぐんだよね。さっきみたいに暴走しないかな。
さっきは咄嗟に離すことは出来た。次は?
もっと大きな被害が出るかもしれない。なにせなんな力を私は知らないから。
怖い。明確に自分の器を超える大きな力を持ってることが怖い。
「心配そうだな、未熟な起源の魔法程度抑えれる。それくらい出来ない奴が魔法を教えれるはずも無いだろう」
うちの師匠頼もしすぎか。
そこまで言ってくれるならやってやろうじゃありませんか!
まず、今は魔力をコントロールしなきゃいけない。大量の魔力は、その流れに私が流されてコントロール出来なくなった。
なら、少しずつ……あれ?全然流れない、なんで。
「いきなり少量の魔力を出そうとするのは難しいだろう?」
「はい、なんて言うか体の中で砕ける様な」
「海、お前には1週間で少量の魔力を出せるようになってもらう」
「い、1週間!?」
今のこの感じだとどうやればいいのかすら分かんないのに!?
「何か不満でも?」
ギロリと睨まれると何も言えぬ。
萎縮する私を見兼ねたのかコールド先生はため息をついて1つ魔石を手に取った。
掌に載せた魔石に霜が出来る。これが魔力のコントロールなのだろうか。
「私が講堂で魔法を使った時と調子に乗ったガキをあしらった時。私と私の周りはどうなってたか覚えてるか?」
嗚呼、あの子可哀想にもう目付けられてるよ。そんな事よりコールド先生が魔法を使った時だっけ、どうだったかな。
私がむーっと唸っているとコールド先生が魔法を発動させる。
机の上に氷で出来た蛇の彫刻を作り出す。
その後に杖をゆっくりと振る。コールド先生の杖から彫刻へ一直線の吹雪が吹く。
コールド先生をじっと観察してようやく気付いた。
「コールド先生…」
「なんと?」
「し、師匠の周りに冷気?」
「まあ、及第点だ。厳密に言えば魔法が漏れているんだ。分かりやすい牽制に使ったり魔力を推し量ったりする時なんかに敢えて魔力のコントロールを緩めるんだ」
「なるほど……私魔力全開でしたね」




