変な3人組
「きゃあ!」
ウェイターが注文した珈琲と、小さ目のケーキを机に置いてくれた後、軽く頭を下げて、「美味しそ」と呟いた声を掻き消す大きな悲鳴が大通りの方から聞こえた。
店内の客も同様の事を思ったようで、皆野次馬のように窓に張り付いて何事かを確認しようとしている。
軽いパニック状態だ。
「え!何事!?」
「海様!」
私も振り返り視線の先を見る。私と同じ制服を着た女生徒を中心にことが起きているようだ。
レイちゃんが私を抱き抱えながら、目線で避難経路を確認している。知らぬ存ぜぬでレイちゃんに抱えられながらとんずらかいたほうが良い。そう思ったけど、チラチラと私たちを見てくる人がいる。そうもいかないみたい?
外で魔法を暴走させたみたいだ。
あの子達が騒ぎを起こしても、謝れば済むし、他人だし関係ないよね。
その事態の中心で、ギャーギャーと騒ぎながら腕をブンブン降っている女の子。
腕に緑に光る鎖が巻き付けられ取れなくなっている。
「うわぁ!!待って待って待って!!」
「大丈夫!?カルラ!」
カルラと呼ばれた少女はここには珍しい、というか海と一緒の黒髪黒目の日本人。パッチリ空いた目は可愛い容姿なんだろうが、今は癇癪を起こした子供のように見える。
腕に巻きついた鎖はカルラの魔力を徐々に吸っているようだ。
「ほら、言った通り。その本には魔人が居るって」
「言ってない!言ってないよ!」
「まずい!街が!」
「あっ、海様〜。コーヒー……チッ」
「ちょっと!何してるの!?」
「何って、分かんない!」
「カルラが『常葉の森』から良さそうって持ってきちゃったんじゃない!」
「だってだって、『伝説の錬金物』だって図鑑に!」
「それ禁忌の呪物だって!」
「ヒヒヒッ、流石カルラ500年金封印してた魔人を呼び起こすなんて。常人には出来ないよ」
「そんなこと言ってないで助けてーー!」
「レイちゃん、行ける?」
「うん。……海様との時間を邪魔するな『素、皎、皓、皚、皙、晧、純白』」
「わっ、またあの剣が見れる」




