表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロボット王国の野望  作者: YUKIーIS
3/8

危険な夜

「さて……と、うちらはどうする?」

「なんかいいお店ないかなぁ?」


 2人はあたりを見わたしました。するとさっきまでは無かったはずの場所に、とつぜんお店があることに2人は気が付きました。おいしそうな食べ物や、かわいい女の店員さんもいます。


「うひょー、こういうのをまっていましたー!」

「いいね! はやく食べようぜ!」


 2人は、お菓子やジュースを食べて飲んで、おおはしゃぎ。おまけに、かわいい女の店員さんもいて、まさに天国にいるような気持ちでした。

 そして、とても疲れていたので、2人はテーブルにうつぶせてそのまま眠ってしまったのです。


 ところが、2人が眠りに入ると、まわりのお客さんや、飲み物やお菓子が、とつぜん消えてなくなりました。


「ククク……おバカな坊やたちね」

「あたしたちの本当の姿に、気がつかなかったみたいね」

「さあーて、どうやって、こいつらを料理してやろうかしら?」

「どちらの子も美味しそうだわぁ。よだれが出ちゃいそうよ」


 なんと、さっきまでの女の店員は、妖怪のサキュバスだったのです。お店もお客さんも、食べ物もすべて、幻だったのです。

 サキュバスたちは、鉄の剣や鉄の槍で、眠っている2人におそいかかろうとしました。

 そのときです。


 カキーンッ!!


 サキュバスの鉄の剣がリキヤ君にふりおろされる、まさにその瞬間のこと。突然の大きな音と共に、サキュバスの剣が弾け、地面に落ちました。

 その音で、リキヤ君もおおつか君も目がさめて、一瞬パニックになりました。


「……ッ!? だれだ!!?」

「ハッ、これからやられるやつに、名前を言ってもしょうがねぇよ」


 そこには、大きな剣を手にした、ネコの戦士が立っていました。


「おのれ……あたしらの食事の邪魔をするなぁ!」


 サキュバスは怒りの形相でその鋭い牙を剥き出しにし、ネコの戦士に襲い掛かろうとしました。


「遅い!」


 ザシュッ!!


 ネコの戦士はものすごく速いスピードでサキュバスの後ろに回り込み、サキュバスの右肩から腰にかけて切り裂きます。


「ギャアアァ!」


 ネコの戦士はたったの一撃で、まずは1匹を倒しました。

 おおつか君は、そのスピードを目で追うのがやっとのようです。


「す、すげぇ……」


「残るはお前だけだ」


 ネコの戦士は、もう片方のサキュバスにジリジリと詰め寄ります。


「……くっ、調子にのるなよ」

「武器をおいて降参しろ」

「チッ、覚えてろ!」


 1匹になったサキュバスは、槍を地面に投げ捨て、黒い翼で空へ飛んで逃げて行きました。


「た、たすかったぜ」

「いやはや、危ないところをたすけていただき、ありがとうございます!」


 リキヤ君が頭を下げてお礼を言うと、ネコの戦士はポリポリと鼻を掻き、はにかんだ笑いを見せました。


「どういたしまして。……へへっ、リキヤ君にお礼を言われるなんて、何だか不思議な感じがするよ」

「えっ? なんでおれの名前を知っているの?」


 リキヤ君は驚いて、ネコにたずねました。


「ぼくはヨモギ。リキヤ君の家にいたネコだよ。覚えているかな?」

「えーっ!? ま、マジで?」

「君のいた世界でしんじゃったあと、このロボット王国の世界に、生まれかわったのさ。でも、しぬまえの記憶も少し残っているんだよ」

「そうだったのか……。まさか、本当にこんなことってあるんだね! ヨモギ、また会えてうれしいよ!」

「感動の再会ってやつだな! オレはこういうシーン、弱いんだよ……」

「話はさっき、ロボたんから聞いたよ。この世界を救うために、洞窟を通って来てくれたんだね」

「そのとおりさ。あれ、ロボたんを知っているんだ?」

「ああ、ボクとロボたんは、王様のもとで働いている。ロボたんは、助けを求めていろいろな世界を飛び回っていたんだ」


 ヨモギがそう話した時、ロボたんがちょうど道の反対側から来ました。


「みなさん、大丈夫でしたか!?」

「あ、ロボたん。いや〜危機一髪だったよ」

「……よし、じゃあつもる話はあとにして、まずはダークロボマスターを倒しに行こう!」

「そうしたいんだけど、ボクはすぐには行けないんだ。じつは、やつらの兵団の中には、とっても悪い魔女がいて、ボクはそいつに呪いをかけられている。月が隠れる夜の0時から1時までの間しか、この姿で動けないんだ。この時間帯以外は、ただの小さなネコになってしまう呪いだ」


「そ、そんなヤバいやつが、ダークロボマスターの手下にいるのか!? 大丈夫かなぁ……」


 ネコの呪いの話を聞いて、リキヤ君はちょっと心配になってきています。


「じゃあ、まずはそいつをぶっ倒そうぜ! そうすればヨモギ君の呪いは解けるんだろ?」


 おおつか君がそう言うと、ヨモギは首を横にふりました。


「いや、それだけではだめだ。奴らを指揮しているダークロボマスターを倒さないと、ボクの呪いは解けない。ダークロボマスターが、全ての力を支配しているんだ」

「そ、そうか……」

「やはり、親玉をぶっ倒すしかないようだな」

「そうだ。しかしもうすぐ、1時になってしまう。そうしたら、ふつうのネコになってしまい、こうやって喋ることもできないんだ‥…」

「そうだったのか……」


 リキヤ君もおおつか君も、少し途方にくれて首をうなだれます。


「でも、この呪いをいかす方法があるんだ」

「どういうこと?」

「ただのネコの状態であれば、ロボットたちに気づかれずに、ハイテックセンターに潜入することができる」

「なるほど、その手があったか!」

「明日の夜の0時前までに、ハイテックセンターの裏口あたりまで来ていてくれ。ボクはそれまでに、おひめ様がとらわれている、牢屋まで潜入してみる」

「わかった。なんとか行ってみるよ。」

「0時すぎになったら、ロボたんが、海から花火をうちあげる予定だ。その音が聞こえたら、すぐにハイテックセンターに入って、ダークロボマスターを倒してくれ」

「君はどうするの?」

「おひめ様たちを外に逃し、ロボたんが用意した船にのって、海上に出る。花火に気づいたロボットたちが、たくさんおっかけてくるだろう。でもそうすることで、センターの中の敵が少なくなるはず。その隙に、君たちはダークロボマスターを倒すんだ。ボクは海で、できるだけロボットたちの気を引いておこう」

「なるほど、いい計画だな」

「チャンスは、ボクがこの姿でいられる、1時間だけだ。ダークロボマスターを倒せば、敵のロボットは全ての機能を失う。逆に、時間内に倒せなかったら……」

「……キミとロボたんや、王様たちは、やつらにやられてしまうってことか……」

「おたがい、健闘を祈ろう」

「ああ、みんなで力をあわせれば、きっと大丈夫さ」

「うん。……ああ、もう1時になってしまう。リキヤ君、おおつか君、かならずまた生きてあおう! ぜったいしぬなよ!」


 そう言うとヨモギは白い光につつまれ、体がだんだん小さくなり、やがて1匹の子ネコになってしまいました。


「ニャニャ! にゃーにゃにゃーん」


 そしてヨモギは、暗闇の中を、さっと走っていきました。


「さあ、おれたちも一旦どこかで休んで、準備をして出発だ!」

「おう!」

「ボクは、ひとまずレジスタンスの隠れ家に行って、船と花火の準備をしてから海に行きます」

「頼んだぜ、ロボたん」

「これはこの街の地図です。ハイテックセンターがこれで、今ボクたちがいるのはここです」   

「けっこう遠いんだね〜」

「気をつけて。ヨモギさんに呪いをかけた魔女は、すでにボクたちの行動に感づいているでしょう。奴らは、この国のあらゆる情報を掴んでいます」

「上等だぜ!」

「じゃあロボたん。君も気をつけてね!」

「はい!」


 ロボたんは道の端の階段を降りて行きました。


「よし。とりあえずそこらへんの隠れられるところで、仮眠をとってから行こう」   

「せっかくだから、サキュバスたちが落としていった武器は、ひろっておこう」

「さすがおおつか、抜かりないね!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ