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Twitter・凍結・悪役令嬢  作者: 横滑り木偶臣
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「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」奇声を発しながら。「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」滑り川は突進した。「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」ヒロインもなにもかも。「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」目の前の全ての現象が理解できなかった。「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」壁に突進した。「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」なにもないコンクリートの壁。「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」突然、唐突に、なんの脈絡もなくドアがあらわれた。「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」滑り川は進む。「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」「あわわわわわ」


     *


 そうか、ヒロインは魔王だったのか……しかも魔族とは宇宙から来た使者であり、宇宙の法則に背き追放された囚人たちのことなのだ……地球とはすなわち監獄なのだ。


 奴らは普段は人間の姿をホログラムで映しだしているが、一旦、戦闘状態に入るとその本性を露わにする。


 こんな状況にもかかわらず創作意欲が止まらなかった。


 あとは、適当な組織をでっちあげればいい。


 ドアの先にはなんの変哲もない、いつもの作業スペースがあった。


 滑り川がいつも小説を書く仕事場。机の上にはスリープ状態のMacintosh。


 いつもと違っているのは、おそらくギロチンやチェーンソーのようなものを使いバラバラに切断された三体の悪役令嬢の死体が転がっていることだけだった。


 カーペットに染み込んだ鮮血がすでにどす黒く固まっている。


 首や手首を踏まないように机にむかった。


 ブラウザーを起動させ、Twitterのトップページへ。




「一体、これはどういうことだ?」




 フォロワーが零のままの状態だった。悪役令嬢の言葉を思いだす──フォロワー零の状態が続くと心が死んでしまう。こういうことだったのか……


「どうすればいいんだ……」混乱する滑り川。「なにか方法が……この混沌とした世界から抜けだす方法があるはずだ……」


 テーブルの上には黒光りする拳銃──もはや、これが現実の出来事であるのかどうかも彼には理解できなかった。


 強烈にドアをノックする音。突然、扉が弾け飛んだ。壁の切れ間から見たこともない虚無の世界が広がっていた。


 不安に苛まれて、この状況で一番いってはいけない言葉を口にしてしまう。




「時よ止まれ……お前は美しい……」




 滑り川はそういって、拳銃を眉間に押しつけ引き金を引いた。




この作品は小説投稿サイトTaskeyにも投稿しております。

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