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8 あなたは誰ですか?(登場人物について・そのいち)

作者様に質問です。

「あなたの小説は、登場人物が変わっても成り立ちますか?」



外国のシーズンドラマだと、登場人物が入れ替わることはよくあります。

私が観ていたものを例に挙げると――ある病院にスポットをあてて、そこの日常の風景をリアルに描いていく外国の(フィクション)医療ドラマだったのですが――1期から(確か)16期まで続く間、主要な登場人物たちがいろんな理由で新しく加わったり退場したりして、最終的には登場人物が総入れ替えしていました。

一番好きな登場人物がいなくなった時に観るのを辞めようかと思いましたが、それでも最後まで観たのは、それだけの魅力があったからです。


外国ドラマだけではありません。

ライトノベルではないいわゆる「普通の」小説では、主人公が出てこないままにページが進んでいく謀略ものや推理ものなど、「ストーリーだけで読ませる」作品は世の中に溢れています。



では、なろう小説は?



現状の登場人物がいなくなったら、成り立たないものがほとんどではないでしょうか?

読者側だって、「次話からこれまでのヒーロー、ヒロインはいなくなって今後は二度と出てきません!」なんて言われたらおそらく多くの方はびっくりしませんか?



つまり、基本的になろう小説で書かれ、読まれているのは、


「その登場人物が不可欠要素となってストーリーが進んでいくキャラクター小説」


ではないかと考えます。


そうなると、「なろう小説の中で一番大切なのはキャラクター」ということになる、のではないかと思い至りました。


というわけで、

ストーリーを紡いでいく主体であるキャラクターに視点をあてて、何回かに分けてたらたらと思ったことを書こうかな、と思った次第です。



【読者目線】


一話もしくは二話ほど読めば出て来るのが主人公です。

テンプレ小説だろうと、非テンプレ小説だろうと、一人称小説だろうと、三人称小説であろうと、主人公の魅力に小説の魅力が左右されるのは疑いありません。


ここでいう魅力とは、なにも聖人君子のような人物でなければない、というものではありません。

なろうでは、無気力系、極悪非道系、唯我独尊系、冷徹無慈悲系、我儘系、卑屈系……などなど、お世辞にも聖人君子とは言えないような人物たちが主人公になるものは結構あります。

これらは特徴的で、思わず読んでしまう方も多いでしょう。ある種の強烈な魅力があることに変わりはありません。


ジャンルを問わず、人間が出来た人物がいい、という方もいれば、奇抜な方に惹かれる人もいるでしょうし、このあたりは好みの問題な気がします。


それから出て来るのが、異性の登場人物。

恋愛ものではボーイズラブ(BL)やガールズラブ(GL)でない限り必須人員です。ファンタジーなどでも出て来ることは多いと思います。


あとは、周りを囲む友人、師に当たる人物、ライバル、悪役……などなど、登場人物と考えた時点でたくさんの役割が考えられます。

(もちろん「登場人物」には奴隷商のおっさんや主人公に絡むザコ役など、いわゆるモブと言われるチョイ役もいますが、ここから先、登場人物とは「名前が与えられてそれなりに個性ある役割が与えられている存在」を指すと定義してもらえるとありがたいです。)




この大事な「登場人物」ですが、性格や属性などお話の根幹に係わることについてはまた別の機会に取り上げる(気が向けばで)ことにして、今回は、読んでいてただただ困った瞬間と、内容面以外で残念に思った瞬間を列挙してみようと思います。



・「この人、誰?」


読者様に質問です。

ある会話を読んだときに、「……この人、誰?」ってこと、ありませんか?


私にはあります。


まず、①そもそも更新頻度が低いせいで話を忘れてしまった場合

例え更新頻度が低くても、主人公の名前とそのお相手(単数でも複数でも)の名前は忘れない、と思いますが、それ以上……例えば、恋愛でいえば王子の従者だったり、ファンタジーでいえば旅の仲間になると、「誰やねん?」となることがあります。

更新が半年や一年経った後などだと、お相手の名前や主人公の名前すら危ないときも。


次に、②話はずっと読んでいるんだけど、誰か忘れてしまった場合

以前別れた旅の仲間や昔の先生、かつて戦った相手、メインでない先輩や後輩の名前……などなど、登場人物が多いほど、主人公から遠い人たちの印象が薄―くなっていってしまった結果です。


それから③ずっと更新されているし、出てきているのに、誰の発言か分からない場合

これは、同じ場面に登場人物がいっぱい出てきて、どれが誰の発言?となった時です。



このように、私が読んでいて「この人誰だっけ?」と思うことが、しばしばあります。

たくさんの小説を同時進行で読んでいる方なんてもっと多いのではないでしょうか?




・「うん、その人の話(脇役)は分かったからさ、あの人(主役)を見せてよ」


お話を読んでいると、大体そのお話の中で一押しの「好きなキャラ」って出来ませんか?


一人称小説だと、かなりの比率で主人公に入れ込むので、主人公を好きになることは多い気がします。

それ以外にも、魅力的な友達や仲間。複数のお相手候補がいるときは、自分が推すお相手っていうのがいると思うんです。


それがお話の都合でなかなか出てこない――それも一話や二話どころじゃなくて、五話も六話も……となってくると、その間のお話を読むときにおざなりになったりしませんか?

「また出てこないんだよね……」「まだかな……」って気分ですね。


余談ですが、同じことがシーンでも言えます。

読者様がそのお話を読む目的は色々ありますから、例えば「戦闘シーンがかっこいいから好き!」とか、「内政手段が斬新だから好き!」とか、「このほのぼの日常風景がいいんだよ!」「飯描写が…!飯描写が……!!」とか、恋愛だったら「いちゃいちゃ、らぶらぶしてるところをもっと!」などなどでしょうか。

ジャンルを選んで読むのは、そのジャンルに期待していることがあるからで、恋愛だと特にその傾向は強い気が(勝手に)しております。(そんなことないかな……個人的なワガママですので異論は受け付けます)



・「名前がわっかりにくいんだよぉぉぉぉ!もうちょっと分かりやすい名前を!!」


登場人物の名前が漢字であってもカタカナであっても起こりうることです。

漢字だと、普通見かけない漢字で読まない読み方をする名前、カタカナだと独創的な長い名前(具体例すら思いつかないです、すみません、名前考えるのものすごく苦手で……)。

ぱっと見たときに目が滑って「シーザー……ほにゃららだったよね、うん」などと頭の中で自動的に省略形を作っていることが多い気がします。



これらは、ブクマを外す理由にはなりません。

その小説自体は大好きなんです、キャラも作風も好きなんです。

それでも気になるというか、ここがこうなったらもっと素敵なのに!とワガママな読み手である私が時々思うことです。



【作者目線】


さて、作者の立場に移ります。

登場人物たちを何人出すか、どういう性格にするか、ストーリーにどう絡ませるか、これらは作品の根幹にかかわることですので、作者様のお好きなように書くのが一番だと思われます。

実際、私は好きなように書いてます。

ある作品では今それなりに意味のある登場人物がざっと数えても17人は出て来ます。一気に出て来るシーンでは書いててものすごく苦労しました。


でも、もし、上の気持ちになる読者が私だけじゃなかったら、それで作品への期待値を下げる方もいるということで……もったいない気もするんです。

そこで、「内容に関わらせずに、かつ読者様の不満を減らすにはどうしたらいいか」を考えてみました。



・「あなたは誰?」対策


更新頻度が少ない――これにはもちろん、更新頻度をあげる。ただ、リアル事情で厳しいこともあると思われますから、無理なときはどうしようもありません。

頻度が少なくても忘れられないようにするやり方としては、「登場人物紹介ページを作る」ということが考えられます。

とはいえ、登場人物紹介ページはネタバレの危険も含むものですから、これも一長一短だろうなぁと思います。


キャラの印象が薄くなる――たくさんの登場人物が出て来る以上、仕方ないことともいえます。主人公が目立ってナンボの世界ですから、主人公から遠ざかれば遠ざかるほど印象は薄くなるでしょう。

登場人物の数を減らす、というのが一番でしょうが、ストーリー係わるものですから、これも作者様のさじ加減なのでしょうね。

脇役たくさんでも濃いキャラを書ける方はすごいです。



誰が話しているのか分からない――まず考えられるのは、説明をいれることでしょう。

ですが、

「●●」と、Aが言った

「○○」と、Bが言った

「△△」と、Cが言った。

これはとても味気ないですよね……テンポも悪い。

会話が多い作品を書く私もいつも悩み、一人称や語尾を工夫して対策しています。

とはいえ、一人称や語尾にも限りがあります。男女のときはいいんですけど、主に男の子しか出てこないとか……もうどうすればいいでしょうかね……キャラの性格を際立ったものにして分かりやすくするというのが、今のところの私の逃げ道ですが……。



「この人出してよ!」対策――と、申しましても、これはストーリーに係わるので立ち入れません。

「○○」視点や第三者メインにするときは飽きられないように話数や挿入するタイミングを工夫するくらいなのでしょうか。一人称小説だと特に、主人公に感情移入するまでに他視点を出されると置いてきぼり感を味わうので。

これも私自身にとって挑戦の域です。



「名前分かりにくい!」対策――この点は、私自身がそもそも難しい名前を思いつけないせいでいつも回避されています。名前、思い付きパッと出のものがほとんどなので。


読者観点から申し上げるなら、長い名前には略称をつけてもらう、読みにくい漢字の名前には章ごとにルビを振ってもらう、似たような名前の登場人物は出さないようにする、あたりかな、と思われます。




とまぁ、適当なことを申し上げてみました。

私、できてねーよ、とツッコミながら書きました。

書けば書くほど自分に痛いエッセイです。失敗の黒歴史の備忘録を自戒用にありのままに書いているので幼いころの妄想だらけの日記を振り返る気分です。


「どの口が言う!」「お前が言うな!」「ブーメラン!」

普段私の作品を読まれる読者様からこういう声が聞こえそうですね。

それでも多少なりともどなたかの参考になれば幸いです。


もちろん、異論反論、他にもあるよー!あれば、お気軽にどうぞ。


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