4 「削除してください」「二度と書かないでください」(感想と荒らしについて)
のっけから喧嘩売ってるタイトルですねぇ。
今回はいつでも話題が沸騰する感想について書きたいと思います。
と、申しましても以前短編でエッセイを書いたことがあり、それと基本軸は同じなので、それにプラスアルファで具体的に体験したことをお話してからにもうちょっと本音でお話しましょうか。
タイトルの「削除してください」「二度と書かないでください」は、ちょうど二週間ほど前でしょうか、なろう姉妹サイトに投稿した作品に実際に私がいただいた感想です。(公開の場に書かれておりますし、匿名感想ですし、私の作品に寄せられた感想は私のものだと判断しておりますので、今回このエッセイでも引用させていただきます)
さてさて、これをご覧になった方は「荒らしだ!」と仰るでしょうか。
私、実はこれを荒らしだとは思っていないんです。そして今は既に怒りもショックも感じてないのです。
どういうことがご説明したいと思います。
私がなろう姉妹サイトに投稿した作品は、賛否両論のテーマでした(宣伝ではないので使うことをご了承くださいませ)。
私は本エッセイ1話目で述べた通り、感想で読者様と交流することをなろうで投稿することの意義だと思っておりますし、この作品は賛否両論ものだったので、感想を見てブラウザバックできるよう、安全策として感想欄は無制限解除しておりました。
そうしたらば、一話目からもう、感想がばんばん(苦笑)
正直あちらのサイトに初投稿でしたから、もっと目立たないで終わると思っていた私には寝耳に水と申しますか、びっくりしてしまいました。
けれど、書きたいテーマは決まっていたので、読者様のご意見に左右されないよう、ほとんどの大枠を書き切ってから投稿しておりましたから、結局、感想で寄せられる多数のご意見とは真逆の方向に話は完結させました。
そんなわけで、完結前も後も、そして一人称小説だったので不可欠になる他視点を書いた番外編を投稿中も後も、そして今に至るまで、賛否含め、様々な感想をいただき続けています。
それで元に戻るのですが、タイトルの感想をくださった読者様は、最初から読んでくださった方で、最終の上記感想までに5回も感想御寄せくださったのです。
ざっくり書きますと、
「こんな人最低!主人公に幸せになってほしい」(事件時)→「よかったーこれが妥当だと思います」(一度破局したところ)→「書いていることの重大性を認識しては」(復縁時)→「ま、こんなの現実にはあり得ないと思います」(完結)→「やっぱり気持ち悪い、トラウマ、二度と書かないで、削除してほしい」(番外編完結)
これをご覧になるとお分かりになります通り、このお方はずーっとしっかりと読んでくださっているのです。一度ダメかも、と思ったのに、番外編でフォローされるのでは、と更に読んでくださったのです。きっと作品にのめり込んでくださり、だからこそ、これだけの感想を書かれたのだと思われます。
さて、世に言う「荒らし」とやらについて、私は、「ぽっと出で、どうでもいい重箱の隅をつつくか、よくよく作品を読みもせずに作者の人格否定をするもの」や「他の感想を見て、感想を書くあまり夢中になって感想を書いた他の読者の人格を否定する行為」だと思っています。
そうすると、上記感想は、「荒らし」にはあたらない、というわけです。
では、これが許されるのか?というと、そういうわけでもないと思います。
この感想をいただいた時、もちろんかなりショックでした。
他に、結論が絶対に受け入れられない方からの「ありえない」感想、「このストーリーじゃ無理でしょ」と書かれた感想、「こじつけに思えます」の感想、詳細に足りない部分を列挙された感想、レベルは様々ですが、いろんなマイナスの批評(批判、ではなく、批評)もあったこともあり、筆力不足、設定矛盾をある程度自覚してかなり凹んでいました。そんな沈没状態、紙メンタルだったがゆえにとどめをさされました。
「二度と書かないでください」「削除してください」は、作者に死ねというのと同義ですし、作者が思いを籠めて書いた作品を殺せというのと同じです。
この作品について、私は辻褄があうところまでなんとか書き切って執筆を辞め、筆を折りました。一時は活字を書くことすら嫌になりました。
もちろん、本作品に対して、好意的な賛成論、「これは紙の書籍じゃ読めなかった」、「出会えてよかった」と仰った読者様の方が多いですし、感想に書く言葉遣いにモラルがないと他の読者様にお怒りになって庇ってくださった方もいらっしゃいますし、励ましてくださった読者様もたくさんいらっしゃいます。ちょうど素敵なエッセイなども読みました。
なので、もうメンタルは回復済みです。
逆にあそこまで言われると怒りを感じて戻れた、というのもあります。
きっと、この作品にこれ以上何を言われても、なんとも思いません。私のメンタル強度も進化したのでしょう。
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さて、以上の具体的な実体験を踏まえたうえで、感想の意義について読み手、書き手双方の立場から思うことを書きたいと思います。
【読み手として】
気に入った作品の感想欄や作者様頁にまで目を通す私は、感想欄が好きです。
楽しそうに興奮して書かれた内容や、次を待っていると書かれる読者様の感想を見て共感したり、一緒に喜んでいる作者様の返信を見て微笑ましくなったりします。あと、返信にユーモアのある作者様もいて、そっちでくすっとなったりもします。作者様のお人柄まで分かって楽しいです。
超人気作で、個人的に趣味に合わなかったものについても、感想欄を見て、「なるほど、こう思う方もいるのか」と他人の価値観を知ったりもしますし、(本エッセイの2話で書いた内容ですが)内容にものすごく不満を持った時も、感想を読みます。すると大抵、他の読者様で同じ不満を感じた方がいて、それで「私だけが変だったわけじゃないのかー」と納得して、感情のまま暴れずにそっとブラウザバックできます。
そういう意味で、感想って、いろいろ有用です。
だったらお前も書けや!ということで、私も最近は読んで楽しませていただいた作品に感想を残すようにしています。エッセイは特に書きやすいですが、それ以外の作品にも書きます。
ただ、作者様が忙しくて返信できない超人気作家さんのものには、書いていません。お忙しいのは仕方ないので責めるつもりは全くありませんが、私が書かなくてもそういう作品は他の方が書くし、やはり自分で書くからには返信がほしい、と思ってしまうので。
あと、見ていて「うーん」と唸ってしまうのは、返信するもの、しないものをえり好みしている作者様。誤字脱字だけに返信、ならいいんですけど、内容で返信するか決めるってちょっと感じ悪いなぁと勝手ながら思います。
【書き手として】
さてさて、書き手側で感想を見てみましょう。
まず、「荒らし、ダメ、絶対」。作者への人格否定をするならお帰りください。
ここはぶれません。
では作品について。
・好意的な感想……これは疑いようもなく執筆の一番の活力です。
感想や活動報告コメントは嬉しいものです。あのトラウマがあっても、「感想が書かれました」の赤い字を見るといい意味で興奮する私はよっぽどの感想乞食なのでしょう。
・批判的な感想……本音としては、「静かにブラウザバックしてよ」ですが、これについても、価値はあると思います。
そもそも読者の側から見たら、正直、感想って書くのめんどい。ポイントにタップするだけの方がよっぽど簡単なのにそれすら面倒だったりする。それを押してあえて書いてくださる。それも詳細に書いてくださるのは、きっと「作品にのめり込んでくださって、ここが惜しい」と思ってくださっているからなのだと思います。
だからいただけるのは嬉しいし、必ず残します。一度も消したことはありません。
読者様が見ても、マンセー意見だけじゃない作品は生きている感じがしませんか?
ただ、一つ怖いのは、「批判的意見は、一つ書かれると次々と便乗者が出る」ということです。
つまりですね、一つで打撃を受けているところに、次々と襲い掛かるということですよ。まさに泣きっ面にハチ。これに耐えられるメンタルが必要で、ないなら感想欄は閉じた方がいいでしょう。
感想をどこまで受け入れられるメンタルがあるか――それは作者様次第です。
一応私の具体例を書いておくと
・「このキャラ嫌い」⇒「ほうほう。きっとこっちの子が好きだからなのねー」(余裕)
・「~してほしい!」「こうして!」⇒「うんうん、ありがとう、でも作品は変えられないので、これはこれで楽しんでほしいなー」(ぶれない)
・「●●が設定矛盾」「この展開はないでしょう」⇒「ガーン!だったらそっとブラバしてよ!」「マンセー意見の方が嬉しいに決まってんじゃん!趣味で書いてるのに批判喜ぶとかMなの?ありえないでしょ」からの「……いかんいかん、次作からを有意義なものにしたいんだ。批判は一つの批評として、大事な意見だ!」(ぶれかけて戻る)
――――――――――――――――――――――― 越えられない壁
・「気持ち悪い」→言い方があるでしょうよ。それ、言い方替えたらきっと有意義な批評になるんだよ。せめてネットモラルは守ってよ(凹む)
・「削除しろ」「二度と書くな」→それは暴言だろ!?(怒る)
こんな感じですね。私は、というだけですが。
というわけで、感想って難しいけれど、やっぱり有用だと思うので、ぜひぜひ活用していきたいというのが結論です。
まぁ作者様によってこのラインは違うので、感想欄にでも「いや、違うだろ!」のご意見は投げてもらってぜーんぜん構いません。